Fukushima 50を観た

Fukushima 50を観た。
なんだか気持ちが揺さぶられたので、思ったことや感じたことを書いていこうと思う。一応、ネタバレ注意ということで。
(観終わった勢いのまま書いているから、きっと誤字脱字だらけなんだろうな。まあいいか。)

普段映画の感想を言語化するような習慣は無いのだが、なんだかこの映画はfilmarksでうーん、これは3.7かなあ4.0かなあと星を付けて終わらせたくないという気持ちにさせてくれた。

総論を書くと、面白かった。
この映画は決してfunnyな内容ではない。interestingに全振りしたような映画である、と思う。
映画が始まった瞬間は、わーなんかシン・ゴジラみたいな感じ〜と思ってヘラヘラしていたが、気がついたら真剣に齧り付くように観ていた。そしてあっという間に3時間弱が経っていた。


先に断っておくと、この映画が題材にしている原発に関して、自分は特に強い思入れや意見や意思を持っていない。
そのため、原発そのものや原発の要否については触れないでおく。センシティブな話題であると思うし、そこに意思を持たない自分が意見するのは失礼だしきっと誰かを傷つけてしまうかもしれないので。


さて、最初に本題と関係の無いことを言わせてもらうと、あまりにも佐藤浩市が良すぎた。
自分はLEADERSというドラマから佐藤浩市を好きになった浩市にわかなのだが、この人が出ると作品の魅力が2段階も3段階も上がる深みのある俳優さんだと思っている。(そしてLEADERSの放送からもう9年くらい経ってるんだなあ)

というか、この映画に出ている俳優さん達みんなが素晴らしかった。どうしてもこの映画の主役である現場で頑張っているサイドを応援(?)して、そこに無理難題を突きつける人たちにイラッとするわけです。だが、ただそういった役どころも嫌な役を演じるだけでなく、その人にはその人の責任がありそれぞれ葛藤があるんだというのが分かる素晴らしい演技だった。(と思う)

と言う感じで、俳優や演技に関しては少なくとも自分は違和感を感じるところはなかったと思っている。


ここから映画の内容についての感想です。

この映画を観て感じた仕事の責任と仲間の信頼について語ろうと思う。
まず、この映画を観ていて「かっこいいな」と思ったこと。それはプロフェッショナルそれぞれが責任感を持って仕事に取り組んでいるところ。
この映画は突然地震が起きて原発事故が発生してしまうところから始まる。現場の人は何が起こっているかを冷静に分析して、正しい行動を取ろうとする。
常に自分ごとと捉えて責任を持って問題に対処しようとする姿勢に感動した。偉い人であっても結局一人の人間であり、問題が発生した時に「な〜んでこんなことに。」と悪態の一つでもついてもおかしくない。しかし、この映画では多くの人が責任感を持って仕事に取り組んでいて、悪態をつくような人はそんなにいなかった。
佐藤浩市演じる伊崎は、問題があると真っ先に自分が動こうとするし、周りのベテランはそんな伊崎を鎮めて自分達が動くからあんたはここで頭をやれと言える。この人は上手く指揮を取ってくれるこの人なら大丈夫とお互いの信頼があってできることだと思う。それにそんな緊迫した状況でも思ったことを素直に言える心理的安全性の高い組織作りを、伊崎はがんばってやっていたんだろうな、と思う。

もし自分の会社で大きな問題が起きた時、自分はここまで責任感を持って冷静に問題に対処できるだろうか。三日三晩寝ずに対応して、被害を受けた人達の前に出れば自分の気持ちを抑えて頭を下げることができるだろうか。自分の部下を守るために、時には上の立場の人にしっかりと自分の意見を言えるだろうか。そしていざという時に命をかけて行動できるだろうか。
などなどを考えていた。正直、何一つとしてできるという自信はない。まず、自分は問題が発生した時に冷静でいられる程業務知識を持ててないなと思う。この映画では、専門用語が飛び交っていても、それどういう意味ですか?みたいな反応をするシーンがほとんど無かったと思う。自分もいざという時に必要な議論に集中できるように、基礎的な知識はしっかりと学んでおかねばと思った。そして、できるかどうかはさておき、問題が発生した時に毅然として対応するようなスタンスを大事にしないとな、と思った。

その他、この映画の興味深いポイントは、被災地の外側からぼーっと見ているだけでは絶対に知り得なかった現場のバタバタや被災した人達の苦労を垣間見ることができる点だと思っている。(実際に震災によって傷ついたり、大事な繋がりを失ってしまった人もいる中で、「興味深い」という言い方は不適切なんじゃないかと思うが、自分の語彙力では他の言葉で表現することができず..)
もちろん、この映画を観ただけで被災した人達の心労を完全に理解したいうつもりは無い。だが、大震災というとてもつない災厄について、ほんの少しでも解像度を上げることができたんじゃないか、と思っている。鑑賞中、常にどうなってしまうんだろうという不安感を持っていたし、終盤にあった現場の隊員と家族のメールのシーンでは涙が溢れてしまった。

といった感じで、だいぶとっ散らかってしまったがこの映画をみて色々な気持ちが湧き起こった。
自分の仕事への姿勢から、震災の怖さまで色々と思うことがあった。何か起きる前にできること、準備できることはやっていこう、と思えた。

そんなこんなで、普段映画を観ていても感じなかったアレコレを感じた。
こういう映画の感想を言語化するとちょっと思想強めな人にみえてしまうんじゃないかと思ってしまう。

普段はSFや頭を空っぽにして見れる映画が好みなのだが。
これを機に映画の感想を言語化する習慣でも作ってみようかと思う。

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