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#6『さよならの向う側』感想

今回ご紹介するのは、清水晴木(しみずはるき)先生の『さよならの向う側』という作品です。

*以下ネタバレを含みますのでご注意ください*----------------------

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○あらすじ

「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか」 

さよならの向う側と呼ばれる場所にいた男、案内人はそう言った。 
人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って 
会いたい人に会える時間が与えられる。 

死を迎えた人々と案内人が織りなす、最後の再会を描いた純度100%の温かい感動の物語。 

読み終えた後、あなたはきっと、大切な人に会いたくなる。


○装丁について

本作品は、装画をイラストレーターのいとうあつきさん、装丁をデザイナーの大岡喜直さんが担当されています。

いとうあつきさんは他の作品の装画も担当されている方で、個人のポートフォリオサイトでは、本書と同じ画風の装画たちを見ることができます。

大岡喜直さんは本の装丁などを担当するデザイン集団、next door design に所属するデザイナーの方です。


このジャケットめちゃめちゃ良くないですか?

"綺麗"とは、この作品のこと。


みたいな表紙です。

相変わらず、全て読んだ後に装丁を見るとちゃんと涙が出てきますので、楽しみにしてください。

以前投稿した、『レゾンデートルの祈り』もそうですが、やっぱり内容と繋がりがある、読んだ後に


だからこの表紙なのか…!!


と思わせられるような装丁が好きですね。

"内容だけじゃない"んです。

装丁もしっかり作品の一部

なんですね。


○感想

あなたなら、誰に会いに行きますか?

これを考えながら読んでいました。

本作では、人は亡くなった後に24時間だけ現世に戻って誰かに会うことができます。

ただし、会えるのは

"自分が死んだことをまだ知らない人だけ"

つまり、いつも近くにいる人や家族など、普段から連絡を取っている人にはほぼ会えないことになります。

酷で不思議なルールですね…。


あなたなら、誰に会いに行きますか?

昔の恩師に会いに行きますか?
変装して恋人や大切な人に会いに行きますか?

誰に会うにしても、目的は

言えなかったことを最後に伝える

という感じになるでしょうか。


まぁこれは死んだときの状況にも依りますよね。

仮に、現在の周囲との関係が良いまま死んでしまったとしたら、正直私はこのシステムで会いたい人はいないと思います。

なので現実的には、友人や大切な人が自分が居なくなって悲しんでくれているのか、バレないようにそれを確かめに行く

という感じになると思います。 


自分がいなくなったとき、悲しんでくれる人がいたら嬉しいです。

ですがこれに対して、友人や大切な人と喧嘩した後に急な事故等で死んだ場合はどうでしょうか。

自分なら、謝りに行くなど関係の修復に努める気がします。

喧嘩したまま一緒の別れ、なんて悲しいですからね。



だからこそ、自分は

毎日を後悔なく生きること

をモットーにしています。

後々悔いが残らないような選択をいつもすることで、そうやって急に自分が動けなくなったりしたときにも安心して逝くことができますよね。

流石に今はまだ若いので死にたくはありませんが、何にせよ若いうちに色んなことに挑戦し、失敗し、やりたいことをやって生きていくことが一番だと思います。

自分の理想だと70歳くらいまでにはやりたいことを全て終わらせたいと思っています。

その後の人生は優雅に紅茶でも飲んでたいです。


○最後に

"毎日を後悔無く生きる"

これは簡単そうで実は結構大変です。

人はいつ何があるかわかりません。
あなたが大切な人に想いを伝えられるのは今が最後かもしれません。

後で悔し涙を流さなくていいように、毎日を大切に生きてください。


○著者について

・清水晴木(シミズ ハルキ) 

千葉県出身。2011年、函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終選考に残る。
'15年、『海の見える花屋フルールの事件記 ~秋山瑠璃は恋をしない~』(TO文庫)で長編小説デビュー。以来、千葉が舞台の小説を上梓し続ける。 
著書には『体育会系探偵部タイタン! 』シリーズ(講談社タイガ)など。

Twitterに本のリンクも載せているので見てみてください

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それではまた!

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