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School Absence Fine(学校欠席罰金)


先日からの記事に引き続き、ブレイディみかこ先生の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んでみての感想です。

話したい内容が多過ぎるので、感想を少しずつ分けました。この記事はその⑤になります。

後日まとめたものも上げると思います。


*以下、ネタバレ注意です。
本当に良い作品なので、読んでからまた見てくださっても大丈夫です!


ということで今回は、

School Absence Fine
(学校欠席罰金)

についてです。


これを読んでいる方で、母校に"学校欠席罰金"という制度があった方、いますか?

本作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の舞台はイギリスですが恐らくこれを読んでいる方の多くは日本育ちの方でしょうから、"この制度があった"という方はもちろん、"聞いたことがある"という人すらほとんどいないのではないでしょうか。


学校欠席罰金とは、その名の通り

不当な理由で子どもが学校を欠席した場合、保護者に罰金を科す

という制度のこと。

作中では、
・学期中に休暇旅行
・ズル休み
・6週間で6回の遅刻
・1学期に3日以上欠席

などが罰金の対象になると書かれています。

元々は一つ目の
"学期中に休暇旅行に連れて行く"ことを防ぐための制度のようで、長期休暇中は交通費やホテルなどの宿泊費がどこも高くなるため学校を休ませてバケーションに行く家庭が多かったため制定されたようです。

ただ、
現在ではこの制度に苦しんでいるのは所謂貧困層の家庭なのです。

上記の罰金対象、何か気になりませんか?

そうです。前から3つはわかるんですけど、

4つ目の"1学期に3日以上欠席"についてはズル休みなど故意ではないので、どの家庭も起こり得る罰金対象なんです。

そのため、英国の保護者たち、特に貧困と言われる家庭の保護者たちは、子どもが病気などにかかるとヒヤヒヤするようです。


どうですか?

これを読んで私は、

この制度必要か?

と思ってしまいました。

確かに、学校を休んでバケーションに行くのはあまりオススメしませんが、それはどちらかといえば"子どもが授業についていけなくなる"ことを懸念するだけで、そこに対応出来れば特に問題は無いのではないか と個人的には思うんです。

それに多様性を重んじる学校であれば、

子どもをいつ休ませるか、それを決めるのも各家庭の考え方次第だから尊重する

という考え方でもいいと思うんです。

しかも、罰金の額は旅行に行くようなそれなりに裕福な家庭ならそれほど痛くないであろう120ポンド(父母各60ポンド/60ポンド≒1万円)。

「罰金を支払ってでも旅行に行こう」
とか
「罰金で支払う額よりも、学期中に旅行に行って浮くお金の方が大きい(だから旅行に行こう)」

という家庭も居ると思います。

それなら、貧困層と言われる人たちを苦しめてまでこの制度を取り入れる必要はあるのでしょうか?


この本で出てきた考え方で唯一、
「これは必要なのか?」と私が疑問に思った部分でした。


良かったらコメントで皆さんの考えをお聞かせください。



ここまで読んでいただきありがとうございました。

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それではまた。

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