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パートナーとの経済格差


先日からの記事に引き続き、ブレイディみかこ先生の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んでみての感想です。

話したい内容が多過ぎるので、感想を少しずつ分けました。この記事はその⑥になります。

後日まとめたものも上げると思います。


*以下、ネタバレ注意です。
本当に良い作品なので、読んでからまた見てくださっても大丈夫です!



ということで、今回は
作中の"セクシャル・マイノリティ"に関して語られた

結婚の平等

あたりの部分についての感想です。

少々長いですが作中から該当部分を引用します。

むかし、女性は結婚によって夫と同一化することを余儀なくされた。つまり、女性は婚姻によって消えたのである。
19世紀後半まで、米国では結婚すれば法的にあらゆるものは夫に取られた。妻が持っていた財産も稼ぎも、全て夫のものになった。妻に対する暴力を取り締まる法もなかった。
主人に持ち物を没収され、暴力を振るわれても犯罪にならない。これ、何かといえば、奴隷と同じである。
女性の人生は、夫となる人物の親切さにかかっていたのだ。

長い時間をかけて法制度が改正され、少しずつ女性が消えずにすむように社会は変わってきたが、いまでも女性は家父長制と闘っている。

近年、「結婚の平等」という言葉が米国や欧州ではさかんに使われるようになっているが、男女の不平等性を抱えたままの異性婚とは違う、家父長制からまったく自由な関係性が同性婚にはある。
ブレイディみかこ著
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』


ここに書かれている"19世紀後半までの米国の夫婦の実情"については、私は中学か高校の頃に英語の長文でも読んだことがありました。


本作では、この昔の夫婦の関係性のような男女不平等を抱えた"異性婚"と、近年認められつつある本質的に平等な"同性婚"を比較しているわけですね。

私はこれを読んで、似たような問題を思い出しました。

それは、

パートナーを専業主婦(夫)にするか

という問題です。

皆さんはどうお考えでしょうか。この記事を読んでいる方の中には、もしかするとパートナーの方が家庭の家事などを受け持ち、自分は働いて経済的に家計を支えている という方や、その逆の方もいらっしゃるかもしれません。

私は個人的にどちらが良いとか悪いとか、そういうことを述べたいのではありません。

ただ、現実問題として、そこには

経済力の格差が必ず生じてしまう

ということを思うのです。

以前どこかで見たことがあるのですが、

専業主婦(夫)をしている方の中には、
「別れたいけど、経済的に弱いから言い出せない」という方が少なからずいらっしゃるようです。


専業主婦(夫)というのは、殆どの場合法的な給料の支払いが伴いません。

これは、夫婦や交際している方2人のうち、

1人だけ(専業主婦(夫)ではない方)に経済力があること

を意味しています。

もちろん関係が円満なうちは問題ないでしょう。

ですが、突然にその関係が終わってしまったら
どうなるでしょうか?

もうおわかりですよね。

そう、元々働いていた方は経済力があるので生きていけますが、

専業主婦(夫)をしていた方は途端に経済力を失い、路頭に迷うことになるのです。


こういった部分で専業主婦(夫)は、前述した昔の婚姻問題の"財力を取られる"状態のような、実質"経済力がゼロになる"ことになるのです。

しかもここで問題なのが、大体の場合専業主婦(夫)を置く家庭は、1人の稼ぎで家計を支えられるほどの経済力がパートナーにあることなんですよ。

つまり、全く収入が無くなる専業主婦(夫)だった方は、暮らしの質が"それなりに良い"暮らしから著しく下がることが多いんですよね。

ですがこういう問題があるからこそ、
パートナーと専業主婦(夫)を決めるときには、こういったその後の"万が一"を考えることが大切です。

現在は、"パートナーの善意"や"2人の口約束"で、外での労働と家事を分担している方も多いでしょう。

誰だって始めは「別れるわけない」と思います。ですが、"誰がを好きになる"感情は思っているよりも脆いものです。

もしもの場合でも、自分が一度でも愛したパートナーを経済的弱者にしなくていいように、対策を考えるべきだと思いませんか?


この問題を考えるときに、私は毎回

パートナーの家事に対価を支払える仕組みがあればいいのに

と思います。

毎月のお給料のような感じでお金を支払っていけば、もしもの場合でも"経済力がゼロになる"という最悪のケースは避けられると思うんです。

新しいビジネスでやりたいなぁと思ったこともしばしば。

どうにかできないものでしょうか。




ということで、
今回は本の感想というか、読んで、そこから自分が似た問題について考えたことという感じでした。


専業主婦(夫)という仕組みやこの記事について、
皆さんのご意見をコメントでお聞かせいただけると嬉しいです。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

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それではまた!

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