見出し画像

こだわり農産物マルシェ

3月24日、今日は日曜日。長門市内で食のイベントが行われる。晴れたら芝生広場だったが・・・

こだわり農産物マルシェ in ルネッサながと(雨天)


チラシ

 長門市は「オーガニックビレッジながと」を1年前に宣言した。農林水産省が令和3年に策定したみどりの食料システム戦略に沿う形のもの。欧州、アメリカはオーガニック農産物の先進国。振りかえって日本は相当に後れを取っている。持続可能な取り組みより、安心して食べることのできる生産に取り組もうという色が強い。これには大賛成だが、課題は生産者の生活なのだ。作ったものが、生産サイクルを循環できる収入に達するかなのだ。農薬、化学肥料にかける費用は無くなるが、労働時間は確実に増える。除草剤を使うのと刈払機で雑草を刈ることを、労働時間と作業従事者で比べたらすぐに分かる。人材不足を補う農業用機械はとても高額だから、不用意に補助金などを使って購入に踏み切ると取り返しのつかないことになる。

ISATOFARM

 チラシの出店者リスト、トップに掲載された法人。株式会社維里の首藤(すとう)さんは、数年前に長門へ移住された家族。無農薬、無肥料で米を作りたい、どこかいい土地はないだろうかと捜して長門市にたどり着いた。その頃、市はオーガニックビレッジ宣言をしていないし、地元慣行農法は農薬、化学肥料使いのもの。ただ、オーガニックに取り組む限られた生産者はいた。それに理解を示す地元住民、農林水産事務所の担当官がいた。人がいたから首藤さんは移住したのではないかと推測する。本人に確認はしていない。移住したばかりの時、友人のハンター中野に誘われて、田んぼの自力除草を見学に行った。

 ウィードマンに乗って田んぼの中を走る。長門で初年度の栽培だった。除草剤を使わないと田んぼの顔が変わる。雑草はあるが水生昆虫がたくさんいた。化学肥料を使わないのに稲の株は逞しく映った。なにより首藤さんの晴れやかな表情が印象に残った。その日から数年ぶりに里山ステーションで会う。このマルシェイベントに関わり、長門のオーガニック栽培をリードする人物になっていた。農業に携わる自身が見習うところが大きい。里山の調理室でマルシェの準備を終えて、ルネッサに向かう家族を見送り雨空を見上げる。開花が遅れている里山桜の赤色を帯びた蕾を見つめ、花はかならず開くものだと思いを寄せた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?