情熱の灯火
情熱は、武器だ。
「わかいな」
ぽつりときこえた ちいさなひとこと
そんなころもあった、となつかしむような
いまはもうなくなってしまった、と哀愁をふくむような
かなしさ、さみしさ、せつなさ
なげき、あきらめ、うらやましさ
1色ずつのえのぐのように
うずをかいてまざりあい
なんともいえない
いろになったときのような
………
「わかいな」
そうおもうのは、わかいころ
その情熱でたたかったから
まもるすべすら しらないころ
さいしょはぜんぶ生傷に
たたかうごとに、傷はふえゆく
ふかい傷は化膿する
おぼえるしかない まもりかた
だってそれしか すべがない
それが巷の大人になるということ
そこにはこどものあなたがいる
こどものあなたをまもりながら
大人のあなたがたたかっている
ひとをおもい なやむ日々
じぶんを削って あたえるやさしさ
みとめられることのない 人知れぬ努力
それはぜんぶ 情熱の灯火
情熱は、武器だ。
たたかうあなたがほこらしいよ
まもるあなたをだきしめたいよ
情熱がみえないときは
必ずわたしがみつけるよ
あなたの情熱が
ずっとひかってみえるよ
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