「愛されたい」と願った夢女の哲学
下痢の日が続いている。まあ、下痢なのはいつものことなので今更気にすることでもないが、昨晩はお尻の穴が痛くて眠ることに集中できなかったレベルだった。
少しでもストレスがかかると下痢が生じるので、ここ最近は常に下痢だ。ケツからクトゥルフのアザトースを生み出してる気分になる。ビジュアル的に。
いや、下痢の話ばかりするのも汚いからやめておこう。
最近はお腹を下したと感じたらすぐにポカリスエットを飲むように心がけている。飲むと幾分か腹の調子も治まる気がするので買って正解だった。
昨日はフォロワーさんに会って、お互い夢女トークをぶっちゃけまくった。めちゃくちゃ楽しかった。あれだけの内容をぶっちゃけられるのは昨日会ったフォロワーさんくらいだ。
たくさん話してきちんと言語化したお陰か、帰り道で「やはり自分の今の状態は少しおかしい」と客観視できるようになっていて、今何か動くのはやめておいた方がいいと判断した。
この場合の「何か動く」とは、例えば好きなキャラ宛のファンレターを書く、とかそういうことだ。
私の好きな男(以下「彼」と呼ぶ)は二次元にいる。その男を生み出した先生(原作者様)に私はガッツリ「強火のファン」として認知されていて、名前も顔も把握されているような状況だ。
どれだけ彼のことが好きでも、それ以上を望まないように心がけてきたつもりだった。
「みんなの彼」であって、「私の彼」ではない。
その大原則を守り続けてきた。
ところが最近、寂しさからか急激に「『私の彼』になって欲しい」という欲求が湧き始め、それが止められずに困っていたのだ。
「私のこの恋心を、なんとか届けられないか」。
そんなことで頭がいっぱいになって、気が狂ったように泣く夜もあった。
しかし、やっぱりそれはおかしい。
「大原則」は守らねばならない。その掟は絶対に揺るがしてはいけない。
何故ならその「大原則」を破りにかかることは、「迷惑行為」と大して変わらぬ行為だからだ。
彼は「みんなの彼」であって、「私の彼」は私の中にしかいない。
私の中にしかいない「私の彼」を押し付けることはできない。
それは夢女としての矜持、マナーに反する。
そう冷静になれたのが、昨晩のことだ。
相変わらず彼のことは恋しいし、世界で一番、誰にも負けることないがないくらい彼を愛している。
その事実は不変であって……。そう、不変であれば、それでいいのだ。それだけで十分なのだ。
高望みは破滅を意味する。わざわざ破滅に足を踏み入れる必要もあるまい。
私は彼が好きだ。
私を知らない、私のいない世界で生きる彼を、私は世界で一番愛している。
その事実さえあれば、それ以上のものは何もいらない。
だって、「私のものになった彼」が、果たして本当に「私の好きな彼」なのかどうかは、分からないのだから。
そこは不可侵なのだ。
妄想の世界に留めておくべきことなのだ。
結局この世の全ては「利己的」なところから生まれているというのが私の持論だが、彼への愛も、やっぱり「利己」なのだと思う。
人を助けたい、愛したいという気持ちも、突き詰めれば「自分のため」に行き当たる、という考え方。
「博愛」と「自己愛」が表裏一体、コインの裏表であるように。
私は、彼を愛する私を愛しているのだろう。
でも、それでいいのだ。結果的にそれで「このキャラクターには強火のファンがついている」という認識を原作者側に持たせることができる。
いや、キャラクターに限らず、「作品自体に」強いファンがついていると認識させられればこちらの勝ちだ。なんたって彼のいる作品は週刊誌の漫画ですからね。人気無いと即打ち切られる世界なので。
私の彼への偏愛は、もっと優しい形で伝えればいい。
彼の誕生日。そして、バレンタイン。
自然に彼への愛や感謝を伝えられる場を、欠かすことなく大切にすればいい。
はあ。客観視できたことで、本当に、随分と心が楽になった。
愛とは人を狂わせるものだな。
私はいつも狂いがちだから、殊に気をつけなければならない。
夢女には「矜持」と「マナー」が絶対必要だ。
「矜持」は「夢女としてキャラクターを正々堂々愛する」こと。
そして、「マナー」は「決して先方に迷惑をかけない」こと。
矜持に関しては、取り扱い注意だ。こいつを振りかざして強く出過ぎると、それは「マナー」を侵害する。しかし一方で矜持が無ければあっという間に人間は堕落する。
重要なのは両者のバランスだ。このバランスをうまく取れる人間こそが真なる「夢女」だと私は定義する。
今回の記事では便宜上「夢女」と書いたが、「夢主」や「夢男」など、「夢」属性を持つ全ての人間に言える話なのでそこも含まれていると認識して頂きたい。
「夢女」だけだと「女性だけの話」に思われてしまうだろうと思って、最後にこういう注釈を入れさせてもらった。
難しい話に見えるかもしれないが、人としてのマナーがあれば難しいことではない。
私はストレスで心が揺らいだことでそのバランスを崩しかけた、ただそれだけだ。
全ての夢女たちが幸せになりますよう。