新郎の気持ちと母

私の出産時に、パニクっていたらしい母親と新郎が電話で押し問答になって以来、新郎も私の母を受け入れられなくなってしまった。

というか、夫婦で完全にA.T.フィールドを発動している。心を守っている。


初めての出産に、緊急入院を経験した私達にとっては、メンタル不安定な時期や気持ちの焦りを考慮したとしても彼女の言動を一生引きずってしまうし、あまりにも受け入れられない。

未だにどうしようか、対応を考えるのに存在が垣間見えた瞬間から二人共嫌な気持ちになるし、悪夢は見るし、私は不安定になるし体調が悪ければ若干過呼吸になる。
これアラエルの精神攻撃????って位もぬけの殻すぎて、かのツンデレ嬢の様に風呂でぼうっとしてたりする。

何より新郎の傷ついた顔が見てられない。

私は一時電話も着拒して、LINEもブロックして距離を置いたが、仕事の関係で否応なしに顔を合わせなければいけないので渋々連絡だけは取れる様にして、必要事項と気が向いたら返事する様になったが、ストレスは尽きないものである。

これでも、連絡が来る頻度はぐっと減った方だ。


新郎の顔があまりにもこう、何とも言えない傷ついた顔をするのであまり話はしないでおこうとしていたが、何も知らない母は「出産してから会ってないけど、新郎さんは会いたくないの?」なんて聞いてくる。

出産してから育休中も、年末のじいちゃんの米寿祝も、クリスマスも姪っ子の誕生日もコンサートも、偶然会いかけたデパートでも、声をかけられても事あるごとに主をうちの実家から避けてきた。会わせない様にしてきた。
忙しかったのも事実だし、嫁の実家の祝い事に主人が必ず出なくちゃなんてルールもない。結婚してから、実家に出向く時は本人の意志を尊重している。


母は流石に何か思ったんだろう。彼女の中には、「私の娘が大変な時に手伝いはいらないって冷たく言われた。夫婦が困っている時は両家が手を取り合って助けられると思っているから、向こうの実家に電話したかった。直接会って新郎とも話したい事がある。お祝いもしたいし、挨拶もあるやろうし」とか考えているんだろう。

要は、彼女がしたい援助が出来なかったから、やりたいことの消化出来なかったのだ。

私が新郎はいそがしいとお茶を濁したので、聞いといて、なんて言われたが、今月末はうちの実家の還暦祝いをするらしいので義姉から連絡がきた。
一応新郎に軽く聞いたが、遠慮すると言っていた。義姉は新郎の分も予約してくれてたが、キャンセルをお願いした。来なくていいだろ。別に。


とはいえ、これだけ来ないとなるとそろそろハッキリ言いたいので、新郎には、母に本人が会いたくないと言ってると伝えて良いかな?と聞いてみたら、あれ、言ってなかったのか。ちょっと待ってねと言われた。

で、2ヶ月後の最近になって話が再浮上したのだった。

新郎は私に、シンプルに真剣に嫌な気持ちになるし、ストレスなので会いたくない。でも、自分はそうやって拒絶出来るけど、そう言って私に面倒事がいくのが嫌だと言っていた。今更。前も聴いたな。

「もうね、ほんまに、無理なんやなって。」って言っていた。

私は、それを正直に伝える事で、新郎のご家族にあらぬマイナスな感情を持たれる可能性があるから、それが嫌だと言った。勿論私も会わせたくない。会わなくて良い。
ただ、分かると思うけど忙しい今は特に、何を言っても感情が先行してきて話が通じない人だ。だから、面倒事を避ける為に最低限の連絡や付き合いは割り切ってしているつもりだと言った。


そうやんな、と深いため息をついていた。


というのも、もうすぐ子供の初節句だ。

初節句は女親がする風習がある。連絡は来ている。一緒に見に行かないかって。去年の11月位に。


買わんで良いし一緒に見に行ーーかない!!!!って言いたいけど、「買わせて貰えなかった」と言われるのが目に見えている。買っちゃったと言えば「そういうのは普通な、」と始まる。

ことあるごとに言われ続ける。しっつこい。


ギリギリになると向こうが焦って買わせて買わせてと言われる未来もあるので、「好きなのを見つけてるので、見つけたら画像送ります。お願いします」と割り切って連絡を送る。


そうやって面倒事を避け続けてきた。何か情けなくなる。強く言えない自分にも、従っている様な形を作る姿にも。


それはともかく、新郎が今後ミラクルが起こらない限り母に会うことはないので、とりあえず新郎の様子だけ母に伝えて、本人も来たがらないし会わせたくないと言おうかなとやっと方向性が決まりつつある。


やっと兄弟夫婦もそろそろ実家出るし、落ち着くかな、こんげつまつまでに言えるといいなぁ、

どう言おうかなと考える度にしんどくなるけど、自分と自分の大事な人の為に頑張ってみようと思う。

その為に、いささか手離したくないものも離さなければいけないのかもしれない。

本気で離れるためには、会う場所をそもそも作らなければ良い。
そう考えればやることは決まっていく。

うまく行けば厄が終わる年には上手くいくかもしれない。

なんたって厄年だからな。厄を落としてくるか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?