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私が「いらっしゃいませ」と言わない理由

うつわ屋enのオープンからはや2ヶ月。季節は冬から春へと変わろうとしています。

暖かい日が増えてきたこの頃、お客様もゆっくりとうつわを見ることができているのかなと微笑ましく感じています。
(うちは移動販売形式なのでいつも寒空の下でした。)

こんな感じで営業してる。


さてそんなうつわ屋enですが、私はお客様に対して「いらっしゃいませ」と言ったことがありません。

そしてこれからも言うつもりはありません。

だからといって無視しているわけではないですよ。

ご来店された方には、「こんにちは」とお声かけしています。

ただの挨拶ではありますが、私なりのこだわりが詰まっています。

お店とお客様である必要性がないと思う 

形式上うつわ屋さんではあるのですが、私が提供したい価値は「全国のうつわと触れ合える場所を作ること」です。

そこに”お店”という立場は必要ないんじゃないかなと思っています。

私が好きだと感じたうつわをセレクトし、長崎の皆さんへシェアする。そんな表現の方が合っているのかな。

「うつわに詳しい友人に会いにくる」ような感覚で遊びにきて欲しいと思っています。

だから「いらっしゃいませ」とは言いません。

友人に会ったかのように、「こんにちは」とお声かけしたいのです。

うつわが好きな人に嫌な人なんかいませんからね。

付いて回る接客が嫌い

ここまでお話した通り、私は店員さんになりたくないのです。

私はお洋服が好きでよく買い物に行くのですが、販売員さんの気持ちのこもっていない「いらっしゃいませ」「ご覧ください」「○%OFFです」の無駄な連呼に疑問を抱いています。

そう思っている人って、多いんじゃないかな。

20代の頃は私も販売員をしていたので気持ちはわかります。そういう風に教えられるし、それが普通だと思っているから仕方ない。

でも、時代は変わっていっているのになぜ販売員のあり方は変わらないのでしょうか?連呼した方が売り上げが伸びているデータでもあるのだろうかと疑問に感じています。

また、販売員の中にはノルマや目標のために販売している人もいます。

そう言った人はこちらのクローゼットの中身なんかお構いなしにあれやこれやと勧めてくるし、もう本当に、「ゆっくり見せてよ!」と言いたくなります。

でも販売員さんは仕事をしているだけなので仕方ないし、全員がそうでもありません。自分のために売りこんでくる人と、お客様のために考えてくれる人がいるし、おそらく皆さんもその違いはわかるのではと思います。

とにかく、「商品を売る仕事」をしたいわけではないんです。

せっかくの個人店だし、販売ノルマなんてない自由にできる環境。

だからお客様にはゆっくり見てほしいし、必要な時だけサポートする。世間話だけして、バイバーイ!なんてこともある。

商品の魅力を伝えるのはInstagramで十分ことたりています。

あとはその確認に来られるだけ。

お客様自身が自分で決めて、買うと決めた物についてはこんな風にも楽しめるよってお伝えしたり。

そんなやり方で幸い経営には困っていないし、それで十分だと思っています。

これからも楽しい場所を提供する存在でありたい

お店に立っていると、赤の他人であるお客様同士が仲良くうつわを選んでいる光景をよく目にします。

友達なのかな?と思うくらい、うつわについてあーじゃないこーじゃないと相談されているのですが、あとで聞いてみると全然知らない人同士だった、みたいな。

これこそが私が作りたかった場所です。

オンラインでも購入できる時代に、あえて対面販売にこだわる。

そこからお客様同士がつながったり、私とお友達になったり。

うつわ屋enに遊びにくることで、共通の趣味を持った人と楽しくお話しする。

そんな他愛もない場所があることで住んでいる地域に楽しみが増え、自分にも何かできないかな?なんて考える人が増えたり増えなかったり。

自分1人でできることって以外と少ないからね。
自分の波長と合う人と知り合うってすごく大切。


そのために私は今日も、「こんにちは」とお声かけすることから始めています。



「地元には働きたい会社がない」という理由で地元を離れてしまう若者たち。そんな田舎で、「働きたい会社がないなら自分で作ってみよう」と思いうつわ屋さんを始めました。いつかは地元の「就職先」問題を解決するメディアを作りたく、サポート資金はそのメディア運営用の資金に貯金します!