初めてまともに見たR-1グランプリ、感想
3/9に行われたR-1グランプリ、皆さんはご覧になりましたか?
これまでピンのネタにはあまり興味がなく、コンビ芸人による漫才のみを愛する過激派を貫いてきた僕ですが、ふと我にかえるとバカリズムさんのネタがどれも好きだったり、中高生の頃は狂ったように陣内さんのネタを見ていたりと、1人のネタにも興味があったことに気がつきました。
MCを務める霜降り明星がラジオで宣伝していたのも理由の一つかもしれません。とにかく今年はなんだか見る気になって、録画しました。
あえてリアタイではなく録画を選んだのは、落ち着いた精神で丁寧に見たいから。あまりピン芸に慣れていないので、リアタイの緊張の中では正確な言語化ができるか自信がありませんでした。王者を知らないまま、放送終了後の深夜11時ごろから視聴開始です。
まずはファーストステージ。
真輝志
初っ端から知らない芸人さんだ、というのが第一印象。正確には「ヤンキーみたいな名前」と霜降りANNで聞いていたくらいの知識量。
ネタはよくあるアニメの王道展開から笑いに変わっていくスタイル。1人目の緊張と客の重さの側面もありながら、かなりウケているなという感覚。演技も上手いので白けてしまうこともありませんでした。
トップバッターとしては申し分ない活躍。今大会があれほどまでに盛り上がったのは彼の功績があってこそだと思います。
審査員も誰も80点台つけてませんでしたし。よかったです。
ルシファー吉岡
こちらは僕でも知ってる有名なピン芸人さん。「ぶるファー吉岡」というユニットで少し前にM-1にも出ていましたね。
ネタの設定は婚活パーティー会場で、ルシファーさんの人柄が存分に出ている感じのする構成。演技をしているというより、実際にその場にルシファーさんがいるかのように錯覚してしまう感じが楽しかったです。ちょっと狡い感じとか、松本さんの文言を借りて笑いで笑いをとる感じとか。本当にやってそうでこわい。さすがだなと思います。
2番手から平均95点という驚愕の点数を叩き出してトップへ。驚きもありましたが自分も同意見。これくらいあげないといけないと思う圧巻のネタでした。
(動画見つからなかった)
街裏ぴんく
この人も1年くらい前から名前を聞くようになった方です。「爆笑問題カーボーイ」でゲスト出演した時にウソ漫談を聞いて、全く新しいジャンルだなと度肝を抜かれたのを覚えています。
本大会でも圧巻の漫談。マイク1本に全力を乗せた「ウソじゃないんですよ!」で、本当に嘘じゃないのではないかと思ってしまうような語り口。たまの言い間違いや甘噛みさえもユーモアの一つに変えてしまうような強者感が見えました。
合計得点471点にも納得です。
↑なんかちょっと内容違う
kento fukaya
この人は名前だけ聞いたことがあるくらい。何回かR-1決勝にも残っていると出囃子で知り、ピンへの知識のなさを恥じました。
マッチングアプリが題材という時点でルシファーさんと若干の被りを感じつつも、ネタ構成は映像を利用したネタ。とにかくボケ数が多く、画面が変わるがわるする中で必ずどこかに異変があるという感じが、見ていて飽きない、見応えのあるネタであった理由だと思います。
ただこれは率直な感想なんですが…
スクロールしていくだけの男のプロフィールにキモポイントが紛れている「ネタを無駄遣いしている感」が、まさにあの時みたカードを繰っていく様に酷似しているように見えたんですよ。リスペクトかもしれないしインスパイアかもしれないけれど、オリジナリティも大事だよな、と思った次第です。
寺田寛明
ちょくちょくYouTubeに上がっているネタを見てしまう方です。真面目そうなトーンでクリティカルに繰り出される知的な笑い。個人的には好きな部類。
「国語辞典にコメント欄があったら」というifネタで、余すところなく寺田節が見られて満足でした。この人のネタは単純なマジレスで続くわけではないのが特徴的なんですが、強いていうなら「犬侍」は本当にただ可愛いだけだったような。急にイラストが入ったのもあって若干肩透かし感があったかもしれません。
最後の畳み掛けも良かったんですけどね。もう少し伸びてほしかった感。審査員が陣内さんのおっしゃっていたような「コメント欄あるある」を知らなかったのもしれませんね。あるいは、形式が似ていることで見慣れた審査員が「もっとほしい」と思ってしまったからかもしれません。いずれにせよ4年連続出場は伊達ではないと思います。
サツマカワRPG
怪奇! YesどんぐりRPGのメンバーとして知った方ですが、3人の中ではピンのネタのレベルが一つ抜けていると個人的には思います。芸術性、あるいはストーリー性を持たせるのがとても上手い方だなという印象です。
今回は防犯教室の講師 (?) のネタ。とってあげた風船を手から離して微笑みかける狂気には、思わず大爆笑してしまいました。こういうダークな笑い、結構好きです。
その後の展開も綺麗でした。どこかおかしくて、ちょっと普通で、でもやっぱりおかしいその人が、ありありと見えてくる1人コント。「カツラを外すのはキャッチーさに欠ける」と言われてましたが、僕はそれもネタの一つの設定としてありだと思いました。過去にはマイルドさんという方が優勝している歴史もありますし ()。
吉住
今回唯一の女性決勝進出者。脚本を手がけ、ドラマでも活躍するという肩書きの通り、シナリオがドラマ的で演技もドラマ風、といった印象。デモ参加者を揶揄していると批判が集まったみたいなLINEニュースを見ましたが、結果を見る限り芸人にはこれが認められているといっていいんじゃないでしょうか。
一つ気になったのはザコシさんとバカリさんの点数の入れ方。街裏ぴんくさんと吉住さんを比較すると、
街裏ぴんく ザコシ96点 (最高) バカリ92点
吉住 ザコシ91点 バカリ96点 (最高)
多少好みがあるのも仕方ないですが、ここでの4〜5点の差って馬鹿にならないですからね。審査員の好みがファイナルステージでの票にも影響したように感じます。
(動画なかった)
トンツカタンお抹茶
パンサーで言うところの尾形さん、ジャンポケで言うところのおたけさん。そんな印象があったので不安要素ではありましたが、ネタ自体はずっとくだらない、いいネタでした。好きでした。
ただコメントとしては、ザコシさんの「お前これ、風呂場で考えたんやろ?」以上でも以下でもないですね。マジで。ザコシさんってバカやってるようで、たまにこういう芯食ったこと言ってくれるから人気なんだろうなと思います。
どくさいスイッチ企画
唯一のアマチュアでの出場。礼儀正しさがまさに社会人のそれでした。自分も「会社からは一切何も言うなと言われております」って言ってみたいな、とか思ってしまいました。
ツチノコ発見のネタ。良かったと思うんですけどね。個人的には今年の漢字が「土」になるのはあまり納得がいかなかったかな。おもしろいと感動が入り混じって考えさせられるネタでした。
審査員のコメントはどこか手探りだったように感じました。そりゃほぼ初対面だもんね。無理もないかもしれませんが、やっぱり「プロとアマチュアが喋っている感」は出てました。プロってすごいな。
と、思いつくままにまとめてみました。
ファイナルステージは省略します。気が向いたら書きます。
おわり。
#R1グランプリ #街裏ぴんく #吉住 #ルシファー吉岡 #真輝志 #どくさいスイッチ企画 #kento fukaya #寺田寛明 #お抹茶 #サツマカワRPG