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雑音が、良い

何をするにも集中力が続かない。10分も経ったらいつの間にかスマホに手が伸び、徐にゲームを開いて遊び始める自分に、ここ数ヶ月嫌気がさしてゲーム類を全て消した。しかしそれでも飽き足らず、ブラウザでも簡単に視聴できるYouTubeが僕の行く手を大いに阻んでくる。誘惑に耐える日々は悲しく、しかしいざ負けて、1時間を視聴で浪費しても、終わった時には「ああおれは何をしていたんだ」と自分を全否定することしかできない。まさしく幸せのない時間と言っていい。

そんな不幸をなくしたいと思っていた矢先、思わぬチャンスがあった。先日記事にも書いた、説明会のとき。ワークの解説を、担当の社員が事細かに説明している時だった。

(あ、これ聞いてても、あんま意味ないな…)

そう直感した僕は、zoomのカメラをoffにすると、秋以降のインターンを必ずや成功させようと、今後の就活情報を調べ始めた。これが思いの外捗る。耳ではロジカルシンキングだなんだのとコンサルの豆知識を語る解説を聞き流しつつの作業は、想像を絶するほど上手く進んだ。


次の日大学へ向かい、その疑似体験がしたいと、radikoでそれに合った番組を探し始めた。自分がちょうど興味のないもので、それなりに意味のあることを語っている (聞こうと思えば役にたつ) 話。昼のラジオも思い浮かぶが、そういうのはたいていよく知っている人がパーソナリティをやっていたりして、声だけで興味が湧いてしまう。困って「ジャンル」の欄に飛び、なるべく下までスクロールすると、「宗教」の項目に目がとまった。

これならいける。
咄嗟にそう感じた。

まず流したのは福音放送。朝方の5時とかからやっている10分番組で、新約聖書の条文を読んだりして学びを深める。正直よくわからなかったが、信仰心の強いことは伝わってきた。クリスチャンの中には熱狂的にこれを聞いてらっしゃる方もいるんだな、と感慨深かった。

後で調べてわかったことだが、毎日やってるらしい。ご苦労さまです。

10分は流石に短すぎるのでもう少し長尺のものをと調べてみると、大川隆法の教えを解く「天使のモーニングコール」なるラジオを発見。そういえば地元局でも土曜の朝にやっていたことがある。流れるたびに親がラジオを消すのが不思議でたまらなかった (というとちょっと角が立つので、まあそういうもんなんだな、というふうに思っていたというくらいにしておく)。入信する気はないが、いい教えを授けてくださるだろうと聞いてみる。

この日は一日一生 (毎日を終えるたびに一生が終わると思って、全力で生きるべきだ) と解いていた。なるほど。毎日何かしら成長していこうね、ということか。わかりやすい。

意外と楽しくて、真剣に聞いてしまったくらいだった。副読本の視聴者プレゼントまで参加するのは憚られたが、応募フォームまでは踏んでしまった。(家に届くと知って、勧誘が増えるかもと思ってやめた) この日をより良いものにするために、僕が「天使のモーニングコール」をわざわざ聞いたことは、ある意味では一日一生を体現していたのかもしれないと、ちょっと誇らしく思えた。

家に帰り作業を続ける。noteの記事の作成だったか。
当然のように雑音が欲しくなる。でも「天使の…」も聴ききったしなぁ、とYouTubeで「雑音」と検索をかけると…

これだよ!!!!!

小さい頃、自分の勉強部屋ではなく、1階のリビングやダイニングで勉強していたからかもしれないが、この雑音が無駄に心地いい。なんでもない環境音だけれど、実際の音を録音している分リアリティが高いし、何よりカフェに出向くのと違ってお金がかからない。

迷わずいいねを押した。
これからも間違いなく役立つ神動画。ありがとう。

※本記事は宗教批判を目的としたものではありません


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