小林秀雄×エチ先生×ヴィトゲンシュタイン

「読書について」という、小林秀雄氏の本に出会った。

濫読に警告を与え、自分の気に入った一流の作家の
全集を読むことを勧められたこの本。

そうすることで、一流といわれる人はどんなことを試み、
いろいろなことを考えていたことがわかるという。

なるほど私にも耳が痛い。

読まずに放置した本が積み上がっているし、
読んだ本もどれだけ深く理解したか、
胸張って答えることが出来るのは
少ない気がしてしまう。

書棚に眠っているいくつかの全集も、
読みたい・・と思うばかりで手につかなかったので、
これを機会になんとか手にしてみようと思う。

ところで、伝説の灘校の先生「エチ先生」
という方がいらっしゃいます。

中学校の3年間、とにかく1冊の本
「銀の匙」 中勘助
 を、様々な角度から読み続ける授業を
ずっと続けてこられた方です。

1冊の本、それも名文と名高い文章に
じっくり向かい合うことによって、
深く感性や観察力が鍛えられるといいます。

僕もそんな授業を受けたかったが、
いかんせん天下の灘校に入るほどの頭は
持ち合わせてなかったのは無念。

なので、40にして読書くらいは
立とうかと思っています。

その方法としてまず全集のまえに、
1流の1人から1冊でとことん学ぶ
というのを考えています。

こうなると、迷いなくて良いですね。

何事も、ひとつのことを
しっかり見つめることから始めたい。

最近こんな言葉に出会いました。

「自分自身を世界に没入させる以外に
 自分が何者かを知ることはできない」

この言葉を知ったとき、ふと、
本に対しても同じだと思ったのです。

本の世界への没入があってこそ、
真の理解に到達するような気がします。

もちろん、情報収集とかの本の読み方ではなく、
読書を自分の知恵として昇華させていくための
行為として考えたときのこととして。


そういえば、かのヴィトゲンシュタインも
一冊主義の読書家だったといいます。
ショーペンハウアーの「意思と表象としての世界」を
頭に焼き付けることで、解読力と洞察力と自省力が
重なってくるのだと。

自分の本棚にたくさんの本が並んでいるけど、
まずはこの1冊からいってみます。

「正法眼蔵」
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