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【ネタバレ感想】舞台刀剣乱舞  无伝夕紅の士-大坂夏の陣-

舞台刀剣乱舞无伝夕紅の士-大坂夏の陣-ネタバレ感想です。
この先ネタバレしかしません、ご注意ください。
また、今回はネタバレを踏まずに配信ならびに現地にて観劇するべきだと強く思っております。どうか観た後にこのnoteを読んでください。
※これまでのシリーズ全作についてもちらっとネタバレあります注意※

書き終えての追記ですが、ほとんどというかほぼ全てが三日月宗近についての話になってしまいました。注意

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天伝は1公演だけ観まして、そして无伝を初日の1公演観たというこのステータスで一度感想をまとめておきたいと思い、おそらく乱文になりますが筆を取らせていただきます。

まず一番グッと来たところを言ってもいいですか。

「あの本丸があるから」

ステ三日月宗近………!!ステ好き誰もが泣くでしょあんなの……

鶴丸国永に「もしも」というていで「この先の戦いがもし永遠に続くものだとしたらどうする。どう狂わずにいられる?」と問われた三日月宗近。
その時の三日月は一瞬円環を勘付かれたのかと言わんばかりの鋭く絶妙な表情をしていて、鈴木拡樹さんの作り込みの深さを垣間見ました。すぐにその鋭さは消え、ふわっと笑みを浮かべて答えたのが「あの本丸があるから」。

スクリーンが開き、中に出たるは「あの本丸」の刀剣男士たち。
衣装を着たトルソーとはいえ、実在感が凄い。
真ん中に山姥切国広を据え、「あの本丸」での立ち位置や友好関係が表現されたかのような置かれ方で、三日月宗近と鶴丸国永があの時はこうだった、あれは楽しかった、というような皆との思い出を話していくうちには、もはやその刀剣男士がそこに現れたかのような気持ちになりました。

狂わずにいられるか、という問いそのものだけで泣ける。
あの本丸の三日月宗近は今も尚あの円環の中にいる。山姥切国広との約束を拠り所にして、ずっと巡っている。気の遠くなるような過去と未来を行き来している。そんな中で、悲伝に至るまでに誰にも気づかれぬくらいに平穏を保つことができる理由が「あの本丸があるから」。
旅立つ刀剣男士たちに「必ず帰ってこられるように」とどんぐりを渡した三日月宗近のことを、五虎退は慈伝にてこう言います。「三日月さんもあのどんぐりを持っています。だから、きっと帰ってきます」。

「あの本丸に帰りたい」
そう思いながら、本丸を守るために繰り返す。
山姥切国広に「強くあれ」と諭す。

スクリーンに美しい月の映像が映されながら、三日月宗近の想起とも思えるセリフの数々が雪崩のように響き渡るシーン。
どれも三日月宗近がその耳で聞いた言葉たちであり、自身が誰かに言った言葉でもあったかと思います。最後のセリフは「まるで煤けた太陽だ」。
思い出話の締めくくりも「そして、山姥切国広は強くなった」としみじみと言っていたのを思うと、舞台刀剣乱舞の本丸において三日月宗近が山姥切国広を本当に大事にしていることが伝わってきます。
まぁその山姥切国広は三日月宗近との「約束」を果たすためにどうやら闇堕ちしている可能性があるのですが…(維伝)

と、ここまでで三日月宗近へ思いを馳せた後に振返りたいシーンが、高台院とのあのシーン。

「あなたは誰のものにもならない」

ワーーー!!ってなるでしょこんなの(突然の語彙消失)

例えば虚伝での織田信長への刀剣男士たちの葛藤や執着心と比べてみても、悲伝での義輝へも含めて三日月宗近はどこか元主への対峙の在り方がフラットな感じがしていて、高台院についても例に漏れずそうでした。その高台院をして言わしめた「あなたは誰のものにもならない」。ワー!ってなるでしょこんなの。「私だけでなくどの主も、今の主(審神者)にとってもそうでしょう」とも言われ、ただ微笑むだけのステ三日月。

ここまで読んでくださった方にはわかるかとは思いますが、これってこういうことかと思います。

「三日月宗近は誰のものでもないが、三日月宗近にとってはあの本丸のものである」

という定義。「誰のものでもない三日月宗近が、ただ帰る先として想うあの本丸」。

で、なんですけど!

「あの本丸」って、悲伝で結いの目として特定された挙げ句破壊されてしまって、慈伝時点ではお引越ししてるんですよね。
なんかそれを思い起こすとなんか泣けて…(引き続き語彙消失中)

三日月宗近が繰り返しているのは「悲伝」までの円環であり、その先のことは知らずにいるんですよね。
しかし、「その先」の山姥切国広たちが円環の三日月宗近をどうにか助けようとしている。

无伝ではもうひとつ重大なセリフがありました。

「彼ら(あの本丸の刀剣男士たち)が探しているもの、それは我々も探している。反復する過去か、それとも過ぎ去りし未来か」

出!!反復する過去か、過ぎ去りし未来か!!
これ、科白劇千秋楽カテコ後にスクリーンに映されて心臓が飛び跳ねるかと思ったし、三日月宗近が出るとわかった瞬間にその言葉を改めて思い返して「地獄やんけ」となったフレーズでしたね……

刀ステの時間軸とか、放棄された世界とか、分岐とか、そのあたりがちょっと難しくて全部を飲み込めていない状態ではあるのですが、「反復する過去」「過ぎ去りし未来」は「円環」にとって重要な定義のようですね。

毎作、何かしらで「次回作への不安と恐れ」を植え付けてくる末満さん……怖い……

あとここからはステというよりもキャストについてのお話なのですが。

鈴木拡樹さん、もしかして刀ステ辞めてしまう…?

エンディングにてセンターではいつもの番傘カテコが行われていましたが、回転する座席から見て上手側でずっと他の刀剣男士たちをにこにこと見守り歩いていく三日月宗近、という構図も然り、それこそ「悲伝あらため陽伝」ってなんだよ!?!?という混乱が起きているのですが、鈴木拡樹さんもしかして刀ステ辞めてしまうんですか。

もしくはこの「円環」の話からは一旦退いて、「陽伝」なるもので刀ステ第3期でも始まるんですか(※悲伝までが第1期、維伝~夏の陣までを第2期と定義した場合)

いや陽伝って何なんですか……

怖い……悲伝という文字を燃やさないでよぉ……と泣いちゃうレベルですあんなの……

ということは、鈴木拡樹さんのファンとしてはこの刀ステをなんとしても見届けておかないと、見納めになる可能性がある……?

などと考えていたらおぼつかない足取りで劇場を去る羽目になってしまいました。

2回目以降の観劇を経てからまた改めて感想を書きたいと思っています。

最後にひとつ。


无伝で久々に見るステ三日月宗近、美しい。


お読みいただいた方、ありがとうございました。

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