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【東大生進学選択体験記③ 後悔のない選択はありうるのか?】

こんにちは、東京大学ピアサポートルームのキャリアチームです。
キャリアチームでは東大生が自分のキャリアについて考える際の参考にしていただくため、東大生の就活や進学選択に関する体験談を投稿しています。
今回は東大生進学選択体験記シリーズ第3弾です!

2019年度進学、文系→工学部都市工学科都市計画コース(第一段階により)
  #東大生進学選択体験記   #工学部   #文系   #理転

【東大生進学選択体験記③ 後悔のない選択はありうるのか?】

〇進学進学選択の時、実際の進学先と悩んだ進学先はありましたか?
 工学部都市工学科都市計画コース、経済学部、後期教養学部学際科学科地理・空間コースの三つで迷いました。当初は経済学部に進学するつもりでした。しかし、二つのきっかけから現在の進学先を考え始めました。
 一つ目は、文系から工学部都市工学科に進学した先輩がいたことです。
文系からでも進学できる学科を知るきっかけになりました。学科の様子を聞くことができ、イメージがふくらみました。
 二つ目は、進学選択の点数が出て、進学先の選択肢が広がったことです。
大学1年生が終わった時点で前期修了要件を満たしていたので、それまでの進学選択の点数を元に改めて進学先を考えました。経済以外に興味がある分野がないか、様々な学部を調べ始めました。「ブラタモリ」というTV番組が好きで、都市に残った時代の痕跡を見つけることに興味があったため、先輩が進学した工学部都市工学科は魅力的でした。研究分野が似ている後期教養学部学際科学科地理・空間コースも候補に入れました。
 この二つのきっかけのおかげで(せいで?)、進学選択第一段階の提出締め切りまで悩みの沼にはまることとなったのです。

〇最終的に進学先の学部学科に決めた理由はなんですか?
 後期教養学部学際科学科はコースの人数が少なく、後期課程は本郷キャンパスへ通いたかった(地理・空間コースは駒場キャンパス)ため希望先から外しました。
 経済学部と工学部都市工学科に絞ることはできたものの、進学希望先の提出締切までなかなか決断ができませんでした。それでも一つに決めなければ!と、経済学部と工学部にそれぞれ進学した方に話を聞くことにしました。
 文系から理系に進学すること=理転することに不安を感じていたので、都市工学科の先輩がいたことは幸運でした。話を聞き、都市計画コースは文系から進学しても十分ついていけること、他学部受講が自由であること、人数が36人程度で比較的仲が深まることなどを知りました。一方、課題量が多いにもかかわらず理不尽な評価を得ることもあり、演習が生活のすべてになるなど、学科特有の懸念点を知ることができました。経済学部の先輩にも同様に話を聞き、進学後の様子をイメージしました。
 しかし、どちらの進学先も魅力的で決められなかったため、メリット・デメリットや自分のこだわりなどを表形式にして書き出しました。決断する際に重視したのは、3、4年生とその先の院で「自分は何に重きを置きたいか」です。専門課程(3、4年生)では就活ありきに行動するのではなく、学問に実直に取り組みたいという意志が強かったです。ちょっとかっこつけました。就活から少しでも逃げたいという気持ちもありました。
気を取り直して、最終的にどのように決めたのか。
 自分は一人しかいないため、一つの進学先しか選択できません。Aという選択をしたとき、捨てられたBに対して「Bにしておけばよかったかも…」と気にすると思います。
 私の場合どちらがより「Bにしておけば…」と後悔するかを考えました。答えは、A=経済学部、B=工学部都市工学科でした。最終的に「都市」という自分の興味のある分野に挑戦できるチャンスを得たのだから飛び込んでみようと思い、工学部都市工学科に決めました。

〇進学進学選択を意識して、1、2年生の時にどのような過ごし方をしていましたか?

 1年生の時は進学選択を意識することはあまりありませんでした。経済学部には単位を取得していれば行けると考えていたからです。
 もともと100点を目指す完璧主義なところがあり、授業には欠かさず出席していました。いわゆる良い成績を取ることができましたが、秋学期に取った楽単(楽に単位が取れると言われる)の授業は面白いと感じませんでした。前期教養の授業は工夫を凝らしたものも多く、もう少し興味に従って履修していたら良かったなと思います。
 2年生の春学期は授業を取らずに、興味のあるものを聴講していました。進学選択を意識して、成績を温存することに努めました。この時期の授業が一番面白く感じたように思います。

〇進学前と進学後でギャップはありましたか?
 小さなギャップと、大きなギャップがありました。
 小さいものは、授業が週0コマから週18コマになったことです。特に、週4コマ(3年生からは週6コマ)ある設計演習は、授業外の作業を含め時間管理が難しかったです。また、大学2年生の間は全面オンライン授業だったため、友達が出来にくく孤独でした。ただ、大学3年生になってからは、対面演習やグループワークの機会が増えコースの仲も深まっています。
 大きなギャップは、設計演習で「学問に正解がないこと」を知ったことです。設計の「せ」の字も知らないにもかかわらず、もっといいものが作れると完璧を追い求めて袋小路にはまりました。正解がないこと、0から1をつくることの大変さを学びました。受験勉強の延長線上から学問の海へ飛び込み、溺れそうになりましたが、「正解がないことを探究するのが学問」という大きなギャップを身をもって感じられたことは貴重な経験だったと思います。

〇最後に後輩へのメッセージをお願いします
 「ちょっとでも興味のある進学先は調べる」ことが良いと思います。
この記事を読んでくださったということは、おそらく進学選択について真面目に考え悩んでいる方だと思います。数多くの選択肢の中から、たった一つを選ぶことは相当な労力が要ります。大変かとは思いますが多くの選択肢を比較検討してみると、後悔が少ないかもしれません。
 今はちょっとしか興味がないが、進学してみたら急に関心が高まるということもあります(証人です)。進学してみたら驚きの連続で、転学部を考えることもあります(証人です)。どの選択をしても楽しさや苦しさに出会うことになると思うので、読んでくださった方が納得のいく選択ができるよう陰ながら応援しています。

〇執筆日
2022年2月2日

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