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[ライブレポ tacica]2022/06/23 THE SUN ALSO RISES vol.111.5 Hump Back / tacica

感想の前に

裸の特異点(Billboard Live YOKOHAMA)からおよそ一ヶ月ぶり。初のビルボード、アルバム"singularity"の発表、そしてツアー発表と大変湧き上がったあれから一月だ。まだまだ興奮が冷めやらぬ中、新曲デッドエンドを聴いてアルバムへの期待値をぶち上げさせた上での参戦。

今回のライブは2020年4月に開催予定だったHump Backとのツーマンライブ。場所はF.A.D YOKOHAMA。2020年4月といえば緊急事態宣言も出されていた時期である。その後延期発表されたが、最終的には中止となっていた。その為、2年ぶりのリベンジということになる。2年前に取ったチケットは整理番号が良く、中止と聞いたときは仕方ないなと思いつつもやはり悔しさはあった。その為、このリベンジは大変楽しみにしていた。

tacicaはコロナ禍においてもコンスタントにライブを続けてきた。足を運べない方に対しても、配信ライブ(しかもアーカイブ付き)を行ったり、FC会員限定イベントにおいても、非会員の人に向けて配信を行ったり、グッズの通販を行うなど、このコロナ禍においてもそういった配慮をしながら活動を続けてきた。

ライブ中、猪狩氏は「また必ず来るので」と終盤のmcで発言することがある。このご時世においてこんなに嬉しい言葉はない。2年経ってしまったが、"来て"くれたのだ。

感想

前置きが長くなってしまったが、ここからライブの感想を書いていく。
18時半開場、19時開演。
何と今回、後にも先にもないであろう整理番号1番と大変恵まれた番号だった。

Hump Backのファンの方が多い気がした。物販もhumpの方に行列が出来ていた。
入場後、最前列を陣取る。猪狩さんの目の前。距離はだいぶ近め。2mくらいの距離感。

トップバッターはtacica。もう見慣れた中畑さんをサポートに入れた3人体制。
mcで、ワンマンのつもりで来たという意気込みからtacicaは tacicaらしくという意思表示であったと思う。

大陸から始まり、しっとりとした雰囲気からそれをぶち壊すかのような冒険衝動を繰り出し、ボルテージが上がる。と思いきや、いつもの緩いmcが始まる。コロナの感染者数が減っていると言う話題から、「モッシュとかダイブとか皆、やりたいよね……」と猪狩氏が語った。が、その後すぐに「まあ、俺らのライブではそんなことやった事ないんだけど笑」と"いつも通り"な形で締める。
そんなmc後には、またHEROというアップテンポな曲で緩急をつけて攻めてくる。
個人的に嬉しかった曲は某鬣犬。
飛び跳ねる小西氏とラスサビの"どうして今日は"とがなり声を上げる猪狩氏。純粋にカッコいい。

2度目のmcで「tacicaっていいます。知ってるかな?」と自虐を交えつつも、丁寧に挨拶するのは猪狩氏らしく、それに合わせて深々とお辞儀をする小西氏もいつもの見慣れた光景だった。

6月29日にリリースされるアルバムからデッドエンドをtacicaのライブとしては初披露。最近、毎日のように聴いている曲。それがそのまま目の前で奏でられた。いつも聴いている音と全く遜色ないといっていいほどの演奏と歌唱。ラスサビに入る前のドラムの力強さが際立っていた。

(余談)tacicaとhump backの関係性

元々、tacicaのグッズ担当だった方が現在hump backのマネージャーであるという、つながりが明かされた。猪狩氏はその方と仲が良く、humpと一緒に出してよと頼んだらしい。
hump backのボーカルの林さんは元々tacicaのファンだったそうで、熱く語っていた。

感想続き

後半戦もなかなかに攻めた曲が続いた。
中でも人鳥哀歌は際立って全身全霊を持って演奏していたように思う。汗だくになる猪狩氏と満面の笑みでステージ上を動き回る小西氏、迫力のある力強い演奏をする中畑氏。これがtacicaというロックバンドなのだなと感じられた。最後まで演奏し終わった後の燃え尽きたかのような3名は煌々と輝いて見えた。
そして、締めは定番といっても過言では無いアースコード。
演奏終了後、鳴り止まぬ拍手の中、去り際に猪狩氏が「最後まで楽しんでいって」とhump backへと繋いだ。

セットリスト 

  1. 大陸 (HOMELAND 11 blues)

  2. 冒険衝動 (singularity)

  3. HERO (parallel park)

  4. ONE (HEAD ROOMS)

  5. 某鬣犬 (jacaranda)

  6. ハイライト (sheeptown ALASCA)

  7. デッドエンド (singularity)

  8. 不死身のうた (sheeptown ALASCA)

  9. 人鳥哀歌 (jacaranda)

  10. アースコード (parallel park)

※()内はアルバム名
終わってみればnewsongやHALOといったタイアップ曲を一切演らないというセトリ。ほぼ全てのアルバムから満遍なく選ばれている。
ただ、相変わらずpanta rhei収録曲は演らず……。次回のsingularityツアーには入れられることを期待する。

総括

tacicaとhump back。
まるで静と動。月と太陽。渋さと若さ……。相反するような2組のバンドだったが、全身全霊で演奏し、形は異なれども盛り上げる、カッコいいバンドであった。

モノラルで聴こえてる音楽は
何時まで経っても鳴り止まない!

tacica 「某鬣犬」より

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