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猪狩翔一 oneman live “単独飛行” ~UPSET中井56祭 -day.1-感想

概要 

 tacicaのGt.Vo.の猪狩翔一による不定期に行なっている弾き語り。今回はclub upset店長の中井氏の誕生祝いライブ。大抵、ツーマンがほとんどなのだが初のワンマン弾き語りライブ。珍しく配信もなし。チケットは完売。当日券もなし。
マスク着用で、声出し可。座席プラス立ち見。物販あり。早めの段階でカセットテープは売り切れ、購入出来ず……。

感想①

珍しくメガネをかけての登場。花粉が厳しいのかなと思ったり。最近お馴染みとなっている立ちながらの演奏。しかし、隣にはもう一本マイクが低めに用意されており、あれ?もしや……と期待をしつつ、演奏スタート。
一曲目はまさかのCAFFEINE 珈琲涅。弾き語り初ではないか!と衝撃を受ける。しっとりとしつつも力強さも感じられる。
お次は弾き語り定番の大陸を演奏。
「今日は僕の初フライトにご乗車……じゃないね。ご搭乗いただきありがとうございます」と単独飛行というタイトルに合わせて挨拶を始めた。
「つい、ほんのさっきまで緊張していたんだけど、急に楽しくなった。みんなのおかげです」
いやいやこちらこそと言いたくなる。

感想② 飲み物について

カセットテープ収録曲を続け様に演奏。バンドセットではないアレンジはこうも違うものなのかと何度か聞いているけれど、未だに衝撃を受ける。
特にデッドエンド。最初は弾き語りの音源で染みついていたけど、バンドセットのアレンジも染みついて来た今に、またアコースティックバージョンを聴くとまた違った装いになる。一人きりで歌う姿はまさにデッドエンドだな、と。

話は変わるが是非またカセットテープは売って欲しい。今回のだけじゃなく、第二弾、第三弾と定期的に。作って、販売してくれるのなら正規的に購入する。彼、彼らの作るものは必ず良いものだという信頼感とファンを蔑ろにしないという信用
感がある。だからこそ、いつまでも、どこまでもついていく。

「いつも水とブラックコーヒーを持ってきているんだけど、その用途を言っとこうかなと。ワンマンなので。水は潤すため。コーヒーはシャキッとするため。ホントはコーヒーは喉に悪くてガサガサになっちゃうんだけど……。なのでバランスよくやってます。頭使ってるんだよ」
どちらを取るのか、思わずその後ずっと凝視してしまった。

感想③ プリントースト

弾き語り定番となっている夢中を演奏。
「新曲やります」との宣言から新曲が始まるが、あれ?これは!とソコハカのティザーで流れていたイントロが始まった。定番フレーズの紅い血という言葉もあり、歓喜。
そして、力強さが目立ったordinary day。ラストの声の伸び、どんどん進化している気がした。

「プッチンプリンをシェイクしてパンにのせてトーストするとフレンチトーストになるっていうのを見て、やったんだけど。あくまで個人の感想だけど、液状のプリンとトーストなんだよね……。みんなもよかったらぜひ」
何だこの温度差は!と思うけど、これが猪狩翔一、tacicaのライブだ。

感想④ ちょっと怖い話

恐らく弾き語り初となる掟と礎

僕の未来へ問う
今日 僕が居なくなってしまっても
特に非常事態なんて
騒ぎ立てる事もしないか?

何故だかこの歌詞が凄く今回は印象に残った。
space folk、LEOも割と定番になりつつあるのかなと。

「北海道にいる頃に珈琲屋でバイトしてて、そこバーも夜はやってて。一時期自分一人でそのバーを回してるときがあって、ある日女性が一人で来て、一人で飲むのにぴったりなお酒下さい、って頼まれたから作ってあげたんだよね。そしたら、えらく気に入ったみたいで、常連になってくれた。それでバレンタインの日にも店に近づいてくるその人の声が聞こえて、もしかして俺に気があるんじゃないかと思ってたら、男性と二人で来てた」
という恥ずかしい勘違いをしていたエピソードを披露。
しかし、この話には続きが。
「という話をその時の店長に話したら、『それ俺の話だよ』って言われて。他人の体験を何かあたかも自分の体験談として語ってることがどうやら多々あるみたいで。考えてみれば俺、酒飲めないし、そんなアドリブ出来ないんだよ。でも、その女性客をはっきりと覚えていて、さとう珠緒似ですよね?って聞いたら『いや、どっちかというと常盤貴子似だった』」
と会場もざわつく怖い話でした。

感想⑤ 本編終了

またも新曲。これはアルバム、ミニアルバムを期待してしまう。
「みんな喋っていいんだよ?モッシュとかダイブとかはまだ……あれだけど」と微笑む。ここ最近割とよく言うmcかなという感じ。モッシュ、ダイブ見たことないですよ。笑
upsetの店長の中井さんの誕生日祝いで行われたライブなので、中井さんへの感謝、会場への感謝を述べる。ステージには鹿の飾りとtacicaのロゴがあり、それは会場側が用意してくれたものだそう。
人間賛歌、ダンスとsingularityから2曲披露して終了。終わってみたら20時半。実に1時間半のワンマンライブ。ステージから姿を消すまで割れんばかりの大きな拍手で見送られた。

感想⑥ アンコール ゲスト登場

いつもより早めにアンコールに応えて再登場。
「ありがとう。ちょっともう一人連れてきちゃいました」
ベースを携えた小西さん登場!あまりにも自然で、匂わせがあったとはいえ驚きの声が上がった。しかも次ツアーで販売されるであろうtシャツを特に言及することなく着ていた。
本編最後の拍手よりもさらに大きな拍手が起こる。
「今日イチの拍手って……」といじける猪狩さん。
小西「東京からわざわざフライトに来ました」
更に拍手が巻き起こる。
猪狩「何かさ、お医者様は居ますかのノリだよね。小西は居ますかって言ったらいたみたいな」
小西さんは座りながらベースのチューニング。
猪狩「喋っていいんだよ?小西」
小西「ずっと見てたんですけど、一人で長い時間よくやるなぁと。メンバーであり、ギタリストであり、ヴォーカリストであり、凄いなと」とベタ褒め。拍手喝采。
猪狩「ちょっ、ちょっと待って。総評??」
小西「いや、みなさん、そう思っているだろうなって」
照れ臭そうに、たじたじになっている猪狩さん。
小西「18年やって二人きりは初めて。しかもtacicaじゃなくて猪狩の単独公演なんてね」としみじみ。
またしても照れ臭そうにする猪狩さん。その嬉しそうな顔でこちらも微笑ましくなる。 
そして、始まるハイライト。ベストアルバムにも入ったこの曲は彼らにとってきっと特別な曲なのだろうと勝手に思った。
不死身のうた。横浜で聴いたときも素敵だとおもったが、小西さんのカホンも入り、コーラスもあるとさらに素敵に。
猪狩「カホン、小西ずっと練習してました」
小西「人前でやるのは今日が初めて」
最後は人鳥哀歌。tacicaとしては定番曲だけど、弾き語りではそこまでやらないかなという曲。定番ということはそれだけ思い入れがあったり、メッセージ性みたいなものもあるのかなと思ったり。
最高の盛り上がりで今日イチの大きな拍手で締め括られた。笑顔の二人がこちらへ軽く会釈して舞台から去った。
その後もダブルアンコールを望む拍手が鳴り止まなかった。アンコール終わってみれば21時過ぎ。
猪狩翔一の単独飛行に小西悠太という"副操縦士"が支えた公演だった。単独飛行ならぬいい意味で自由に演奏するその姿は"独断飛行"な気もした。


セットリスト

  1. CAFFEINE 珈琲涅

  2. 大陸

  3. ぼくら

  4. 冒険衝動

  5. デッドエンド

  6. 夢中

  7. 新曲(ソコハカティザーの曲)

  8. ordinary day

  9. 掟と礎

  10. space folk

  11. LEO

  12. 新曲

  13. 人間賛歌

  14. ダンス

  15. en.ハイライト Ba.小西悠太

  16. en.不死身のうた カホン 小西悠太

  17. en.人鳥哀歌 Ba.小西悠太

まとめ

弾き語りとしては初のワンマンということでたっぷり時間をかけたライブだった。嬉しいゲストが登場したり、新曲を披露したり、既存曲のアレンジも素晴らしかった。もう言うことはないなと思える最高を超えるライブ。
そして、また4月からはtacicaとしてのワンマンツアー、5月にも弾き語り、フェスとこれからの活動も確約されている彼ら。ずっと進化をし続けていきながらもファンのことを考えてくれる彼らの飛行は広く高い空に飛び立つが如く、自由気ままに私たちを連れ回してくれる。



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