※この記事はフィクションです。実在の人物や団体、架空のキャラクターとは関係ありません。
ごきげんよう、東京大学百合愛好会のあまろです。
皆さん、リレー小説を書いたことはありますか?
今回私が独自調査をした結果、
といった意見が集まり、授業以外のプライベートでやったことがあるという人は皆無でした。
そう、リレー小説は難しいし面倒くさいのです!!
しかし、そんなリレー小説を簡単に書ける遊びがあります。
それが『じゃれ本』です。
じゃれ本とは……
……というゲームです。
ルールは簡単。
参加者は、タイトル、そして前の執筆者が書いた文章のみを参考にして、物語の続きを書いていく、それだけです。
全体の流れなんて気にする必要はない。
自己主張の強いオタクたちにとってこれほど素晴らしい環境は存在し得ないでしょう。癖(ヘキ)に従い、脊髄反射で物語を綴ることのなんと心地好いことか!
そして『じゃれ本』の醍醐味は、何より出来上がった小説を参加者みんなでツッコミあいながら鑑賞することでしょう。
『こういう展開に持っていってほしい』『この設定を活かしてほしい』……
そのような期待は、好き勝手物語を紡ぐ参加者によって全て破壊されます。
そのため、誰にも予想することのできないカオスな物語を量産できるのです。
そのため開き直ってとことんカオスな物語を紡ぐも良し、予測不能性に逆らって物語の体裁を保った物語を目指すも良し。
楽しみ方は様々です。
今回は百合愛好会らしく『百合小説』をテーマとして実際に遊んでみました。
出来上がった数十もの作品全てを紹介したいところですがそれは難しそうなので、今回は選び抜いた珠玉の6編、そして問題作7編を公開したいと思います。
中には理不尽なネタや上品とは言えないネタもありますので、苦手な方はブラウザバック推奨です。
シナリオ部門
優勝『借り物のクリスマスツリー』
小説としての出来栄えを評価するシナリオ部門、その優勝作です。
とむはま:この作品が一番綺麗にまとまっている気がするな
ホドウ :いいですねぇ、話がちゃんと成立している
あまろ :固有名詞が生き残っているのが評価ポイントですね
芸術部門
優勝『副業ミジンコ』
どこか芸術を感じる作品です。
shin :意味がわからない
ホドウ :本物のミジンコになってるの酷すぎるでしょ
あまろ :芸術を感じる良い作品なのでノミネートさせちゃいましょう
しーしー:冷静に百合関係なくなってるかも
……以上2作品が、比較的穏やかかつ綺麗にまとまった作品になります。
つまり、以下で紹介する作品は『全然穏やかではない』かつ『話がとっ散らかっている』作品ということです。
あまりにも酷いので、一部note用に書き換えた部分があります。
ハジケ部門
【注】本部門以降、一部下ネタがあります。苦手な方はブラウザバック推奨です。
次点『東村山の女帝』
程よくハジケることのできた作品です。
うどん脳:なんで小金井?
あまろ :しれっとミゲル*が混ざってておもろい
*呪術廻戦の登場人物
ホドウ :ここで知らない名詞が4つも出てきて詰んだかと思った
とむはま:これ何で人権は消し飛んだんですか?
あまろ :マイナンバーがバレて悪用されまくったからです……
とむはま:話自体はよくできている気がする
【総評】
終始程よく意味が分からない。一人の人間が思いつくのは難しいストーリーでじゃれ本の強みが出ている。
小説としてはヒッポリュテとヒュッポリテの表記揺れが惜しい。
優勝『鳩ラグビー』
分かりやすくなったボーボボ世界と表現するのが適切な作品です。
あまろ :いや最初から意味がわからない
shin :???
とむはま:東京大学じゃないのか
ホドウ :叙述トリック?
あまろ :なにこれ
【総評】
平然と知らない世界の話してて怖かった。
比較的無難な作品の中ではこの作品が一番意味不明でありながら話の守備が一貫していて良いと思う。
結局何の話だったんだろう……
審査員特別賞『土葬される缶バッジ』
展開のハジケは控えめながら、尖ったキャラクター像を共有できた作品です。
ホドウ :もう温度差で風邪ひきそう。ナイス舵切り
shin :何なんすかね、これ
あまろ :とりあえず楽しそうだ
【総評】
元気があって良いですね
総合優勝
『右に偏った長距離ドライブ』
芸術性とハジケが両立した優秀作です。
ノーカットでお楽しみください。
shin :これすごいけど……大丈夫ですか?
ホドウ :これね〜。これ良すぎるでしょ
とむはま:アメリカ映画の空気感を感じる。絶対ハリウッドだよ
あまろ :意味分からなさと臨場感のブレンド具合がちょうどいいかも
しーしー:凄まじい作品だった……
【総評】
畳み掛けるようなスピード感と全体のまとまりが良い。既存のネタを擦るでもなく、独創性もあり、完璧な西海岸の雰囲気を演出している。
終わりに
じゃれ本、めちゃくちゃ楽しかったです。
3人からオンライン(https://online.jarebon.com/)で遊べるので、ぜひ皆さんもやってみてください。
コツと言えるかは分かりませんが、
描き始めやすいタイトルにすること
小道具を訳もなく引き摺らないこと
日和らず話を展開させること
の三点を大事にすると良い作品ができる気がします。私たちが睡眠時間を捧げて辿り着いた答えです。
参考までにぜひ。
〜オマケ〜
今回私たちは数十編の小説を錬成することに成功しましたが、その全てを紹介することはできません。
そこで、受賞は逃したものの読み応えのある作品を何作かここに供養したいと思います。
『カリカリなアルバム』
面白いかもしれないが小説としての完成度が低く、受賞には至らず。
『雨漏りする宇宙』
注:記事公開日時点で単行本未収録の呪術廻戦のネタが含まれます
呪術のオタクが並んでしまったせいで五条悟が200%茈をぶっ放してしまった回。RIP
『そっとリクライニングする遺伝子』
怪作。シュールなSF作品に仕上がった。
芸術部門ノミネート作品だが大衆性を欠き、惜しくも受賞を逃す。
『対等な大道芸』
いきなりMyGOが始まってしまった回。
履修していなかったアンカーの困惑が見て取れる。
『縦回転するポカリスエット』
超大作であり怪作。世界観が狂っている系の作品。
登場人物が一貫していなかったため、作品としての評価は低い。
『吸血鬼お嬢様は今日も街を物色する』
天丼展開を阻止したかと思いきや登場した鏡花水月がなぜか最後まで引きずられてしまったという問題作。参加者は大いに反省した。
オチは評価の価値あり。
『何も受け付けない神さま』
エヴァと東方のコラボレーションにより、ニコニコ動画最盛期を思い起こさせる仕上がりに。
この作品とポカリスエット,吸血鬼お嬢様は、同じ回に錬成された姉妹作であり、迷走が窺える。
…………。
…………記事の締めが思いつかない!