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自閉症の我が子が初めて発した単語 [ゆっくり育児] その10

自閉症のジローは3歳にもなるが、相変わらず言葉を発しない。

発する音(言葉ではない)としては、てぃ!(↗️)とか、で!(↗️)とか舌を上顎で当てて語尾が上がる様な音を好んで発する。

たまにご機嫌だと、でででででででで、と「で」を高速に繋げた音を発したりする。

ウィリアムズ症候群は発語も達者で、ペラペラと誰でも喋ったりするのが特徴だけど、ジローの場合は自閉症の症状が強く現れ、発語は遅れている様だ。

こちらから自分を指して「パーパ」とジローを見ながら教えるのだけど、決して復唱することなく「パパ」の様な簡単な単語も覚えてくれない。
これは私だけでなく妻が「マーマ」と指で自分を指しながら教えても覚えてくれないので、誰に依存することでも無く、発語の能力はかなり劣ってるのだろう。

あとお気に入りのタオルをよく口に咥えて歯をギシギシさせてたり、手を口の中に入れてたりするので、歯並びも悪い。
歯も通常より本数が少ないので、歯がスカスカなのである。
なので歯の間から空気が抜けたり、喉の声紋をうまく使えなかったりと、色々な要素が混じって発語がうまくいかないのかもしれない。

そもそも単語とか言葉を意味として捉えてるのでは無く、音として認識してるのかな?
と思ってしまう。

自閉症の子にはありがちだけど、脳の言語中枢を司る部分が未熟なので発語が遅れてるのが、根本原因のような気がする。

このままではジローは話す事が出来ないのか?
ジローと意思疎通は出来ないのか?
などと心配してしまった。

しかしある時、ジローは意味ある単語を発したのだ!

ある日、家で家族で過ごしていると、ジローは相変わらずソファに対して、両手を上下にバンバンと叩きつけて、両手に刺激があることを楽しんでいる様だった。

ジローに私は「こっちおいで!」と話すとジローは次の様に言った。
「だゃーだ!」

ん?!いま「やーだ」と聞こえた。
その瞬間、妻が「あー!今[やーだ!]って言った!」

そう、ハッキリとではないが「やーだ!」とも聞き取れた。
会話としても「こっちおいで!」→「やーだ!」と意思のある返答だった。

「おー!ジロー、おまえ[やーだ!]っていったよなぁ!」
ジローを見て手を広げながら私は言った。
妻もそれに呼応して「うん、絶対言ったー!」とジローを抱きしめんばかり手を広げながらジローに近づいていく。

そう、初めてジローが発した言葉は「やーだ」だった。

発語の時に舌を上顎に当てて発する様なので「や」が「だゃ」と発してしまうが、ジローの意思としては「や」を言いたかったのだろう。

だから「だゃーだ」の発音に聞こえるが、「やーだ」と言いたかったに違いない。

思わずジローを抱き上げ「ジロー!初めて言葉喋ったな!」と妻と一緒に抱き抱えて喜んだ。

ジローが自分の意思で発した単語「やーだ」。
大喜びした私と妻だが、初めて発した単語が「やーだ」と拒絶の意味を持つ単語か😅

まぁ何でも良い。
一時はジローは意思疎通が出来ないかと思ってたが、
どんな単語にせよ会話のキャッチボールができたのだ!

一筋の光が見えた気分だった。

これでジローとは意思疎通ができる可能性が広がった。

これは親である私や妻だけで無く、ジロー自身にも大きな発展になる。
やはり自分の意思を伝えられないって、とっても困ってしまうことですからね。

ジロー3歳とちょっと、少しずつ人間になってきた。
これからが楽しみです!😊

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