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あいつがしつこくいうけど“note”って将来性あんの?【さりしの間】

都内のとある居酒屋を舞台にした実話風フィクション【さりしの間】シリーズ。
なぜ「さりしの間」という一風変わった座敷の呼び方をしているのか…。
今回はそのいきさつからはじまり、話題はなんと“note”の可能性にまで及びますよ。

ゆーしんけん


あいつが来てる

店の引き戸に手を掛けたときからそんな予感がした。第六感が働いたのかもしれない。

「今日は“ゆーさん”が来られてますよ」

女将は来客用の元気な声を抑えて、日常会話に近いトーンで教えてくれた。

“ゆーさん”と呼ばれるその男性は、大将と旧知の仲らしい。

わたしは彼とこの店で偶然顔を合わせて知り合った。その後も何度かカウンターで飲んだことがある。

お互いに様子をうかがいながら会話する程度で、胸のうちはわからない。

ただ彼はAKB48をはじめアイドルの話題になると目を輝かせる。

いきいきと語る姿を見ると、わたしも元アイドルとして悪い気はしない。

文筆家なのか、よく奥の座敷を使ってノートパソコンで執筆するという。

座敷を「さりしの間」と名づけたのは彼なのだ。

巷でわたしのことを歌っているのではないかと噂される楽曲からヒントを得たらしい。

わたしの中ではまだ真意を測りかねている。

その“あいつ”からアドバイスを受けるとは意外だった。



2913年に1stアルバム『僕は初音ミクとキスをした』でメジャーデビューした「みきとP」(ミキトピー)。ボカロPでソングライターでもある。

最近ではAdoの『会いたくて』で編曲を手がけており、アイドルユニット・ぜんぶ君のせいだ。の『Heavenlyheaven』を作曲するなどアーティストへの楽曲提供も多い。

みきとPが『サリシノハラ』を配信したのは2012年10月のことだ。



さりしの間での“述懐”

あいつがどのような思いからそう名づけたのか。

今日こそは聞いてみよっと。



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