おわりに -大野康晴(教養学部学際科学科三年)

今回の合格体験記もお楽しみいただけたでしょうか?

まえがきにありましたが、「この合格体験記について様々な疑問を抱きながら読み進める」ことはできたでしょうか。楽しみ方は読者の皆様次第ですので、常に疑いの目を向けながら読む必要はございません。もしも、もう少し吟味してみたいという部分がありましたら、ぜひもう一度お読みください。

さて、このあとがきの余白を何に使おうか迷っていたのですが、各巻に僕のサインを書いてもそんなに需要がないと思いますので、少し私の考えを述べさせていただければと存じます。少々お付き合いください。

昨今、教育に関する数々の問題が取り沙汰されています。文科相による「身の丈」に合った受験発言や、英語民間試験導入問題など。今後地方や非進学校から東大を目指す人たちがより不利な状況に置かれないよう願っておりますし、私個人の力の及ぶ範囲で行動を起こしていきたいと考えております。

手前味噌にはなりますが、UTFRという団体自体が一つの問題提起となっています。進学校ではなく「非進学校」から東大を受験すること。通常東大受験を取り上げる際には、東大に何十人と進学するような進学校が注目されますが、そうではない高校からひっそりと入学している人たちがいるという現状。これをUTFRは取り上げて内外へと発信していっております。元来、こうしたマイノリティは声を上げることが難しく、また東大入学とともに「一般的な東大生」の中に埋もれてしまっていました。しかしながら、それでは何も変わらない。非進学校の異才、奇才を”outlier(アウトライアー)”として捉えるのではなく”pioneer(パイオニア)”として捉える視点が大切であると感じております。私がUTFRを設立した背景にはそうした考えがありました。さらなる飛躍のためには皆様のお力添えが必要でございます。今後ともよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、本書をお読みいただきありがとうございます。
私は代表を退きましたが、今後とも暖かいご支援のほどよろしくお願いいたします。

2019年11月吉日 UTFR創設者 大野康晴

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UTFR(東京大学フロンティアランナーズ)による『非進学校出身東大生による合格体験記』第三弾になります。今回は12名のメンバーが執筆してお…

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