竹を伐って東大へ-すずき(教養学部理科一類1年→工学部進学予定)

1はじめに


 初執筆のすずきです。僕は数Ⅲの受験勉強をしないで理科一類に入学しました。国語、物理、化学もセンター試験までしかできません。東大模試も受けたことがないし、過去問も解いたことがありません。ご想像のとおりこの状況では合格できるはずもなく、僕自身も長い間、東大を目指すことを諦めていました。

 なぜ東大に入学できたのかというと、僕は一般入試ではなく推薦入試を受験したからです。推薦入試はセンター試験を足切りに利用するのみで、二次試験を受ける必要がないのです。
 そんなわけで正統な努力(?)をせずに入学したので、他のUTFRメンバーより勉強量や学力は各段に劣ります。センター試験対策に丸1か月費やした東大受験生なんて僕くらいです。(情弱だったのでそれを知ったのは入学後なんですけどね)高校生の頃は、大学合格という長期的な目標に向けて努力を重ねることができなかったことに劣等感を感じることもありました。(今でも感じることがあります。)あまり勉強はせず、学校の勉強よりももっと大切なことがあるだろうと、半分逃避するように生活を送っていました。だからこの文章は輝かしい「成功者」として参考になるような合格体験記では決してありません。
ただ高校生活を振り返ってみると、目標設定の前段階である、俗な言い方ですが「勉強する意味」や「将来やりたいこと」に悩み、問い直した経験が進路選択のみならず、僕の生き方の根幹を担っているように感じています。これは実際に推薦入試で評価された点でもありました。

今回は、自分が高校生活を通してどのようなことを学び、大学進学、そして東大進学を志望するようになったのかということをお話しようと思います。東大を目指す人だけでなくて、進路選択に悩むすべての高校生に読んでもらえたら幸いです。

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UTFR(東京大学フロンティアランナーズ)による『非進学校出身東大生による合格体験記』第三弾になります。今回は12名のメンバーが執筆してお…

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