置かれた場所で咲いた花-H(文科三類1年)

これからお話しする私の合格体験は、言うなれば「奇跡的にも環境に恵まれた心の弱い人間の自分語り」です。
UTFRの合格体験記の重要なコンセプトとして「孤独な受験生活を如何にして乗り切ったのか」「学校が頼れない中でどの様に自力で勉強したのか」ということがある(少なくとも期待されている)と私個人は思っているのですが、振り返ってみれば私の受験生活は、これらの点とはあまりに無縁であった様に思われます。


1母校について


 私は小・中・高と神奈川県のとある小規模な私立学校に通っていました。どれくらい小規模かと言うと、元々学年の定員が80名、これが定員割れを起こしており、私が高校を卒業したとき自分の学年は50名でした。その分まさに文字通りアットホームな学校です。小学校は共学、中高は女子校でした。卒業生の進路は多様ですが、四年制大学に行くのは普通、私大文系多め、推薦・AO多め、といったところです。まず国公立受験者が少なく、東京大学に関しては私が16年ぶり二人目になります。まあ「非進学校」と言っても差し支えはないでしょう。少なくとも「進学校」だとは自称も他称も思いもしていませんでしたから。
 学校の成績は、自分で言うのも何ですがかなり良かったです(高校の最終的な5段階評定平均が4.9くらい)。中学高校時代は、部活・委員会・課外活動と学校生活を謳歌していました。特に高校2年の時は部長・部長会会長・風紀委員会副委員長と妙に多く役職についていたのでかなり忙しかったです。その為実質的な受験勉強の開始は高校3年の5月頃でした。そのような学習進度の人間が何故現役で合格出来たのかは最大の謎です。

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UTFR(東京大学フロンティアランナーズ)による『非進学校出身東大生による合格体験記』第三弾になります。今回は12名のメンバーが執筆してお…

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