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密の代わりに手に入れたものと変わらないもの
8月に突入した。コロナ禍とはいえ、子供たちの多くは夏休みに入り、コロナ禍そっちのけでいつも通りのワクワクした楽しい生活を送っている。
コロナ禍の影響により「密」が嫌われている。
夏は暑いが密な楽しみがたくさんある。お祭り、花火大会、コミケのようなイベント…プールやキャンプも状況により密になる。もちろん、夜のお酒はいわずもがなだ。嫌われているだけでなく、これらの「密」は実施の中止や制限により、今年に関しては姿を消してしまったり、盛り上がりに欠けてしまうものも多い。
密の魅力とどう向き合うのか?
密の中で起こる喧騒、混沌、時々奇跡のように起こる一体感…ああいうものが好きだ。
数年前、出張で行った八戸ではたまたま三社大祭の真っ只中だった。今年の山車の運行は中止。
札幌のビアガーデンには一昨年立ち寄った。1万人が集まる日本最大のビアガーデン。本当に喧騒の巣窟だった。その勢いの輪の中に入るだけでも楽しめた。
人が集まるスペースは疲れるだけの時もあるが、思い出深い場になることも多い。喧騒が頭に残る、何年経っても。
今年は花火大会も中止。写真は7月上旬に行われる東京競馬場での花火大会の直前。始まる前のワクワク。始まると終了まで1分平均100発を超えるペースで上げる競馬場名物の豪華花火大会。今年はお預けだ。
近所のお祭りも中止。密になるものは軒並みお預けだ。
密の代わりに手に入れたもの
密の代わりに手に入れたものもある。代表的なものの1つとしてオンライン飲み会が挙げられる。このフォーマットがもたらした影響は凄い。場所を選ばない、移動時間がかからないという2つのソリューションを実現した。リアル飲みに隠れて見つからなかったソリューション。Zoomをはじめ、気軽にできるツールもあり、日常生活にオンライン飲みは浸透しつつある。
オンライン飲み会ってフォーマットができたおかげで、どこに住んでいても、子育て中の人でも、会うことができる。これなかったら遥か昔に今生の別れとなってた人ともまた会うことができる。
— うっちー|📱決済革命中のマーケター💴🙅♂️ (@vwaiwa) July 24, 2020
誰呼ぶ?の可能性がどこまでも広がる。これは凄い革命だよ。
これに尽きる。もう私の人生で死ぬまで2度会えなくなったであろう人たちとも画面越しに会うことができる。
オンラインにおけるエンタメも盛んだ。かつては集まらないと実現しなかった演劇というフォーマットが徐々にオンラインにシフトしてきている。
直接会わなくても気持ちや感動は分かち合える時代になりつつある。
変わらない思い出の作り方
昨年、取引先からもらった巨人戦の野球チケットが余ったとのことで4枚会社からいただいた。
私の父は私が生まれた時から巨人好きだ。原辰徳と同じ7月22日の誕生日を誇りにしている。槇原の完全試合もクロマティの敬遠さよならヒットもライブで大興奮しながら見た。記憶が蘇る。
父は野球は好きだったがテレビ観戦がメイン。野球場での観戦はほとんど行ったことがなく、東京ドームで野球の試合を見たことがなかった。
シーズン終わりのある試合。巨人戦のチケットを用意し、孫たちを引き連れて巨人戦を見に行った。
下の子を膝に抱え、密になりながら5人で観戦した。巨人は負けてしまったが、父にとってはじめての東京ドームでの野球観戦。しかも大好きな巨人戦を孫たちと。父は帰った後、何度も母に楽しかったと話したそうだ。
父は7月22日で75歳、持病もたくさんある。会えるチャンスも限られている。親孝行できたこの密な機会がつくれたことを心から嬉しく思っている。
こんな密な思い出を再び作ることができるのだろうか。
密が問題なのではなく、密により起きることが問題なのだ。
少なくとも密に問題のなかった頃の密は愛しているし、思い出深いし、あの頃はよかったと何度だって言うつもりだ。
これから時代はしばらく密から距離を置くことになりそうだ。テクノロジーの進化により、密とは距離を置きやすくなった。また、新しい形で新しい思い出を作っていくことになるのだと思う。どんな時代もその瞬間瞬間を大事にすることが重要だ。普段の生活を一変させるようなことが起きる世の中なら、なおさらだ。
その瞬間できることに全力で向き合い、刻むこと。それが素敵な思い出の作り方。それは今も変わらない。
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