見出し画像

軽井沢にて


(まえがき)

5/1(水)

雨降る朝。

10連休のGW。
新しい職場、こんなにまとまった休みだとは最近まで知らず。

急すぎて人とは大きな予定を立てられそうにないので、1人でどこか出かけようと思いながらもなかなか腰が重く、連休も半ばに差し掛かる。
でも今日こそは、平日だし、雨で暑くないし…!

この休み期間には、クリニックに検診結果を聞きに行くのと予防注射を打ちに行くというミッションもあるので、午前はそれを済ませたかった。
しかしながら、悠々と準備をしていてあっさりタイムリミットを逃す。

さあ、そうとなれば出かけるのみ。
ということで新幹線のチケットを買い、最寄りのハブ駅に向かう。
行先はというと、3月4月と立て続けに海外旅行に行ってお金がないので、安くて近い、でも非日常が味わえるであろう軽井沢を選びました。
ゆったり気ままに、ひとりで軽井沢遠足、はじまりだ~い。


なんとなく、やりたいこと
・アウトレットで味噌ラーメンを食べる
・通りすがりの良きカフェなどに入る、もしくは食べ歩き
・線路沿いのチョコレートファクトリーに行く
・温泉

14:20頃 軽井沢駅着

アウトレットは南口出てすぐだが、まだそこまでお腹が空いていないので、ひとまず逆口のメインの通りに向かって歩き出す。
平日かつ雨だからか、人は少なめ。
これは狙い通り。

5〜10分ほど歩いたところで「軽井沢ニューアートミュージアム」を発見。
私はアートに造詣がない故美術館にもあまり関心がなかったので、入り口から中の様子だけ覗いて先に進もう、と思ったら、目についたのは“1F入場料無料”の文字_
…しかたない。今日のところは、アウェイな世界に足を踏み入れるとしよう。
入ってみると、絵画だけでなく雑貨や、美術・文化に関する本なども置いてあり想像以上の見応え。
そんな中で、ある一角が目に留まる。

言葉、それも世界の言葉に焦点を当てた本が3作。

日本語には同義の単語がない外国の言葉や、世界のことわざ、そして使用人口が少ない故に消えてしまうかもしれない言語などシリーズ化しているようで、それらが一つひとつ大切にページに納められた、なんとも愛おしい本を見つけた。
手に取り、ぱらぱらと眺め、そういえば自分は
“言葉”が好きなんだと思い出す。
櫻井翔くんの言葉の展示も、やっぱり行けばよかったなぁと思ったり(誘った数人は乗り気でなく、1人では行く勇気がなかった)。

数分悩み、『誰も知らない世界のことわざ』をお迎えしました。
スウェーデンの、エビサンドのことわざが気に入ったので🥪

満足して美術館を後にする。

15:00頃 軽井沢チョコレート館

後で行こうと思っていたチョコレートファクトリーより先にこちらのチョコレート屋さんを見つけたので予定変更。
ホットチョコレートがあることを確認して、入ることにした。

ホットチョコレート、ボンボンショコラ2種
(左:オレンジ🍊  右:ベネズエラミルク🇻🇪)

濃厚なカカオの海で溺れそうになりながら、インスタを開くと、大学時代の1つ上の友だちが珍しくストーリーを載せていた。

彼女の人柄もさることながら、感性とか、雰囲気とか、それこそ選ぶ言葉が私はとても好き。
そういえば何年か前に彼女がSNSでシェアしていた、誰かと対話した記録のnote記事がすごくよかったことを思い出し、もしかしてと思い探してみた。
結果、その記事は見つけられたけど、彼女のアカウントではなかった。
2人きりで遊ぶような距離感ではないけれど、サークルで一緒にフィリピンに行ったうちの1人で、柔軟ででも確かな芯があって、年上だけど天真爛漫という言葉が似合う人。
いきなり2人でご飯に誘うのは緊張してしまうから、せめて、もっと気軽にメッセージできそうな機会を探すよ(でも返信遅いんだった!)。

インスタを見ていた流れで、初見のイラストレーターさんの投稿に出会った。
大往生を遂げた猫の話と、その昔戦争から帰ってきたおじいちゃんの話を読んだ。
思いがけず良い話に出会ってしまったみたいで、みるみるうちに目に何かが溢れて、静かな店内で私は1人、鼻をかんだ。

なんだか素敵なひとときを過ごせたこの空間を、少しの間は心の中に置いておきたくて、見える光景を写真に残した。

小一時間休んでしまったので、駅に戻って温泉方面へ向かうことにする。

歩きかけて、隣の古着屋さんに吸い込まれる。
店主は長髪の落ち着いた男性で、よいタイミングで穏やかに声をかけてくれた。
特に何も買わなかったけれど、居心地がよかったので、私もお礼を言って店を出た。

鏡に映った今日の服装と、かけ直したパーマ
久々に自分の格好にトキメキを持てたので、パシャ

また少し歩くと今度は絨毯のお店。
買う気はないけれど…椅子に敷くクッションなども売っていて、好みのデザインだ。
じっと見つめていると、中で退屈そうに(失礼)座っている外国人らしき店主と目が合う。
彼がニヤリと笑うので、遅れて私もニヤリと返す。
方向音痴を発揮してこの店の前を2回通ることになったのだけど、思った以上にクッションに後ろ髪を引かれてしまい撮った写真。

写真中央あたりの椅子が出てるところが、そのお店

そろそろ駅に着く。
お犬発見。



16:15頃 軽井沢駅→しなの鉄道で中軽井沢駅へ

温泉方面に向かうため、ローカル鉄道を使います。
海外でも思ったけど、旅行の時に現地の電車やバスで移動するのは嫌いじゃない。
タクシーも楽で便利だけどね。
その地域に“入って、生活を営む(体験をする)”感じが好きなのかも。

中軽井沢駅からは良い時間のバスがなかったので、タクシーでハルニレテラスへ。
ここを少し散策して、温泉に入る予定。

さっそく敷地内を歩いていると、指輪屋さんを見つけた。ものの5分10分で指輪を作ってくれるそうな。
よくある手作り体験はペアでやるイメージがあって、私のパートナーが好んで指輪をつける姿が想像できないのであまり気が向かなかった。
でもこちらは、自分用に、職人の方がその場ですぐ作ってくれるんだと!
これなら1人でもできるし、早いし、値段も手ごろだったのでお願いすることにした。
お店に入って店員さんに話しかけるのには少し勇気がいったけど、声をかけたお姉さんは明るくて優しい素敵な方だった。
右の薬指につけるのが好きで、試着したときにいちばんときめいた、少し動きのあるデザインをマットな質感で作ってもらった。
2分くらいですぐできて、大満足な買いものでした。

温泉までの道を森林浴。
雨の音と、流れる川の音が心地いい。



17:00過ぎ 「星野温泉 トンボの湯」到着

ここは以前来たことがあって、とてもよかったので再来。
ちょうど体も冷えてきたし、いそいそと湯につかりました。

やっぱ、いいね温泉は。
湯船では心なしか、皆穏やかな表情をしていて自然と心が晴れた。

トンボの湯

大好きな温泉にも入ることができて、今日の最終目的達成!
軽井沢の自然や小店を堪能したら、もうアウトレットに行きたい気持ちはどこかに行っていたのでそれはまたいつか。

帰りの新幹線のチケットも買い、バスで軽井沢駅へ。

19:00頃 新幹線で帰路につく

帰りは行きよりも少し早い時間で着きました。
地元に戻ってきて、気分がよかったので少しカラオケをしました。
家に帰って夜ごはんを食べるまでが遠足ということで、2日目のカレーライスを食べて、これにて今日はおしまい。

行ってよかった、とても充実した日帰り1人旅行でした。



(あとがき)

雨というのは嫌いじゃない。

それはサークルで行った5年前のフィリピンで、悪天候に見舞われたときに気づいたこと。

雨の日じゃないと感じられない雰囲気と色があって、それが尊いことを私は知っている。
完全に、主観なんだけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?