辺鄙なところ

昔々

あなたのおばあさんの

そのまたおばあさんが住んでいた

おおかみのいる森のむこう

今はもうおおかみもいない

小さな生き物のかさこそ動く音だけが聞こえる

そんなところ

私はそこにいる

だれにも気に留められない

小さな生き物の一つに

なって

森のひとかけらに

なって

身体の重さと軽さを

一辺に手放して

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