いらないプレッシャーは感じない方がいい。

初めての彼氏、Kさんとの交際期間は1年半ほど。

その間、デートというデートは一度もしませんでした。

2人での外出といえば食事くらいで、それも近所の居酒屋や焼き肉屋さんだけ。

デートを嫌がったのは私の方です。Kさんは月に1回くらいどこかに行きたいと言っていましたが、私は超絶インドアで仕事以外で外出はしたくないタイプ。外食も私の中では譲歩している方でした(特に一度家に帰ってしまうと外に出たくなくなります)。

ではその1年半2人で会うのはどこだったのか。

Kさんの家です。付き合うことになったその日から月の半分くらいは彼の家に泊まるような半同棲状態でした。むしろKさんは毎日一緒にいたいタイプですぐにでも同棲したいと言っていたのですが、初めての彼氏でいきなり同棲はハードルが高すぎると言って妥協してもらった結果です。自分が寝ていても(私がガールズバーで朝5時まで働いていたため)、自分が仕事中でも(ガールズバーと並行して昼職もやっていて普通の時間に帰ることも多かった)家に入れるように、と付き合いはじめて1ヶ月もしない内に合鍵を渡されました。

同棲はしなくて良かった、と思いました。

Kさんと過ごす時間は休まらなかったからです。

私が家政科出身である程度料理が出来ることを話していたため、手料理が食べたいと言われました。

料理することは苦ではないけれど彼は飲食店のキッチンで働いているため多少の不安はありましたが、美味しいと喜んで食べてくれました。素直に嬉しかったです。

そこからKさんの家にいる時はご飯を作って待つのが暗黙の了解になりました。更にKさんは家で料理をしないので、どうせ食材を余らせて悪くなるくらいならと作り置きもしていました(私がいない日にちゃんと食べてくれていたようです)。

正直に言ってしまうと、面倒くさいと思う日もありました。しかし、最初にやっていたことをだんだんとやらなくなるのは自分の中で納得いかなかったのと、それによって彼の満足度を下げてしまうのが怖くて続けることを選びました。

その結果、彼の中での私は"すごくいい子"になってしまったのです。

料理するだけでいい子認定をもらえるなら、捉え方によってはちょろい人なのかもしれませんね。ただ、Kさんにとっては料理が出来る子というのが重要条件だったようです。

私は元々出来る日は自炊するようにしていたのと、私の両親は共働きなのですが毎日ちゃんと母の手料理が出てきていたのもあり、当たり前にご飯を作っていたのが彼にとっては凄いことだったようです。Kさん曰く「当たり前のことを当たり前にしてくれる子が今までいなかった。」だそう(あくまで食事面のみ)。

しかし、そのいい子認定は私にとってだんだんとプレッシャーとなっていきました。何故ならKさんは「顔は綺麗だし、ご飯は美味しいし、本当いい子だね。」と私本人に言うだけではなく、周囲の人たちにも言っていたからです。

近隣のお店の従業員、そしてガールズバーのお客さんでもあったKさんは交際がはじまってからもお店には来てくれていました。出勤してお店の女の子たちから「うたうちゃんのお話してたよ〜。めちゃくちゃいい子だって惚気けてた!」と聞く私の気持ち…。

いい子を続けないと好きでいてもらえないんだ、と。今やっていることが最低限で、それ以下になったら私は捨てられるんだ、と更にプレッシャーを与えられている気分でした。

今ならそういう訳じゃなかったと分かりますが、当時の私は捨てられることに大きな恐怖があって、そうとしか捉えられませんでした。

そうして勝手にプレッシャーを感じ続けた私は耐えられなくなっていきました。付き合って1年ちょっとのタイミングで私の仕事が忙しくなってきたこともあって少しずつ距離を置くようになり、自然消滅のかたちでお別れをしました。

駆け足になりましたが、これが初めての彼氏との日々と別れです。

次回、Kさんとの交際で学んだこと。


閲読いただきまして有難うございます。

よろしければスキ、フォローもお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?