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タトゥの意味 (第一話)

気温が上がる日も多く、袖なしのお洋服も着るようになりました。
新しく出会った方に左肩の百合のタトゥーのことを聞かれて
はてさて「これは何だったっけ??」と言うくらい自分の意識に上がらなかったことになってしまっておりましたが

改めて

当時のことを思い出しました。

ワタクシは30歳すぎて呆気なく離婚、これまでの私の人生のイメージが大きく崩れてしまいました。
平凡に子育てしながらパート主婦、これで良いのだ、と思い込むようにして来たのですが
経済的にも自立しなければならないし自分で決めなくてはならないし、4人の子供たちとは音信不通になってしまうし、悲しみや重圧に押し潰されそうでした。
そんな中、「私って何が好きだった?何が楽しかった?」と言う問いかけに出て来たのが高校時代、取り組んでいたバンド活動です。当時は音楽コンテストの全国大会に出たりメディアに出たりライブハウスで活動したり高校生にしては活発でした。

けれど、色々あって大学中退し逃げるように結婚し田舎生活に没入。
そんなこともあったっけ?くらいに忘れていました。
「私って音楽が好きだった?」
勇気を振り絞って何年ぶりかで地下室のライブハウスに行った時はデビューのようにドキドキしました。
そこで偶然の出会いです。
仕事先の知っている方がいて驚きました。「チバさんもパンク好きでバンドやってたんですか?知り合いの女の子がメンバー募集しているんですよ」と言うことでパートはドラム(爆笑)叩いたこともないのに応募してしまいました。
スタジオに入ることになり、私は一冊買ったドラム教則本で学んだことだけを頼りにスネアに自分の思いを叩きつけ、それがパンクそのものだったためか?採用してもらいました。(写真ではまたしても弾けないベース弾いてます)

だんだん、自分らしさを思い出していく過程のワタクシです。

そんな中、「ああ、もう既存の社会とは決別しよう」とふと思ったのです。
「私は別ルートを歩く」と言う意思表示のような感覚でタトゥを入れようと思いつきました。
何だかわかりませんが、自分の中で踏ん切りつけようと。

当時の大親友は「私は安全策を取る人間だから絶対にしない、でもU子ちゃんが決めたなら良いと思う」って「楽しみにしてるね!」って言ってくれました。
「おすすめはしないよ」と言う声が多かったですね。

しかし、人の言うことを聞くようなワタクシではございません。
もう決めているのですから。

希望は和彫りであること、手彫りであること。柄はお花。

お友達から「昔からの彫師を知っているよ」と言われ、逢いにいきました。
彫師の方はマンションの一室が仕事場なのですが、私が訪ねていくのを外で座って私の足音を聞いていました。
階段を登ってくる足音で覚悟を判断するのだそうです。

ほんと、今の時代感覚とはかけ離れていますよね!
昭和は タトゥ=表社会からの離脱宣言
裏社会のイメージも強く、白い目で見られたり敬遠されたりすることもあるだろうけど「それでもええんや!!!」って気概がないと入れられなかった時代です。

第一話はここまで😃



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