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忘れ物をしたままの毎日に突如としてアイツは舞い降りた。 遥か頭上に巨大な影、琥珀色の翼は光が反射して黄金に滑り、上下にゆったりと羽ばたいている。頑丈な四肢はいつでも蹴り出せる体制で力強く地を掴み、底に漆黒を湛えた瞳は真っ直ぐにこちらを狙っている。 「うわぁ。すごいなぁ」 「3DCGなんだろ?最初の猫ちゃんもかわいかったけど、やっぱこういうのは迫力あってかっこいいねぇ」 新宿のビルの一角。話題の3Dビジョンの最新作だ。誰もが足を止めて携帯で写真を撮ったり、マスクに遠慮しなが
もしも運良く生き延びて かわいい花を見つけたら あの日の彼に届けて欲しい どうしたんだろう? 今日は嵐がいつもより荒れ狂っている。風で飛んできたものが壁にぶつかり、激しく大きな音をたてている。でも私は彼が守ってくれるからここに居れば安全なんだ。 小さな灯りがひとつだけで、窓はなく、目を凝らせば周りの壁が辛うじて見える程度の薄暗い部屋。それが私の世界の全て。 彼はいつも外で生き抜くことがいかに大変かを話してくれる。外には嵐が吹き荒れ、弱いモノを餌食にしようとするヤツラが腹