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オリジナル絵

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自前の絵が付いた記事です。主に絵の練習・・・てか、一生練習だにょ。 「よし!これでOK」といえる作品にはなかなかならないなぁ
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#シロクマ文芸部

海砂糖【シロクマ文芸部】

海砂糖はもう絶滅したと言われて久しい。 では、この目の前にある青みがかった透明の巻貝のようなものは何だ?絵や写真でしか見た事はない。が、たぶん海砂糖・・・だ 「やっと出来たんだ。見てくれ、本物の海砂糖だ」 興奮気味の親友を前に僕は戸惑っていた。 この夏の初め、海辺に越した親戚が泊めてくれるというので二人で海水浴に行った。高校生になって初めて夏、生まれも育ちも海無し県の僕らは、親の同行しない友達同士の旅行にはしゃぎまくった。初日から潮の香りと波と十分に戯れた後、休憩場所を求め

ガラスの手【シロクマ文芸部】

ガラスの手だ 君が何かに触れるたびにそう思う 君はいつもそっと触れる 触れるものを壊さないように 触れる君が壊れないように 君はいつもそっと形をなぞる 映し出すかのように 記憶するかのように それらは 雑多で 美しく 柔らかく 固く 冷たく 暖かく 醜く 汚く あと3ミリで触れる 君のガラスの手に 僕はどう映るのだろう どうもこんばんは。 どうもシロクマ文芸部さんへの投稿は「詩」という形になってしまいます。 でも、今回は扉絵つきです。 「ガラスの手」というお題、先

猫と月の夜 【シロクマ文芸部】

恋は猫の姿で 夜に踊る いくつもの屋根を渡り 跳ねるように 夢は月の姿で 夜に歌う いくつもの闇を照らし 包み込むように 夜に彷徨う猫と月 猫は夜ごとに狂気を帯びる 月は夜ごとに痩せ細る 朝になれば 陽に追われ 隠れて眠る猫と月 どうか静かに眠っておいで 夜が訪れるそのときまで 隠した私が眠り落ちるまで