うつ病の夫と年子育児しながら働く私が正社員登用されるまでの話2〜夫のうつが発覚した時〜

うつが発覚した

夫の様子がおかしい、と気付いたのは、本当に申し訳なくも既に重度のうつになってからだった。

私の夫はもともと、好きなように仕事を休んだりできる立場だったのもあって、毎日定時にオフィスに行ったりせず、かなり自由に仕事をやるタイプだった。なので、「今日も仕事休むー」といっても、「はぁーい(またかよ)」という感じだった。

その頃自分は育児休暇中ながら復帰を間近に迎えた身で、夫が休んだり、仕事に行ったりするのを黙って見ていた。が、ちょっと違和感はあったと思う。休んでも、遊び回ることもなく、布団にごろんとしているだけなのだ。

やがて、夫は布団から起き上がれなくなった。

布団から起き上がれない夫は、食べることも大してせず、本当にただ布団にいて、目を閉じていた。たまに会話ができる元気もあるときもあり、そのときに明らかに様子がおかしいこと、恐らくうつであることを伝えたところ、

「実は会社に行こうとすると急激な腹痛が襲ってきたり、夜中に吐いたりお腹をくだしていたりする」

と言ってきた。まさか夫が夜中にそんな苦しんでいるとは露知らず、私はぐーぐー眠っていたので、すごくショックですごく申し訳なくなったのを覚えている。気づけなくてごめん、と泣いた。

夫の性格

うつになる人、というと「真面目」「融通がきかない」「責任感が強い」などのイメージがあると思う。

確かに後から考えればこれは夫に当てはまってはいるのだが、当時私には「まさかこんな性格の夫が、うつになるとは!」と驚きだった。

だって、普段の様子でいうと、上述のように仕事を好きに休んだり(勿論それで問題ないようにしているものの)、マンガやゲームばっかりやっていたり、割と好きに生きている感じで、思い詰めたりするようなタイプには到底見えなかったのだ。

そして、それは夫本人も同じように感じていた。「こんなテキトーで、雑で、好きなように生きてる自分がうつになる?!」と、最初は受け入れられなかったようだった。(これについては後述する)

しかし、うつになった夫と話したり、改めてその性格を見ていたところ、彼のこういうところがうつを招いたのかも…と思うことがあった。

彼は、ものすごく自分に無頓着で、自分のことに対するアウトプットがド下手くそだった。それゆえに、「自分のストレス」に気づけないのだ。

例えば、私服とか食べ物とか、何でもいいと思ってしまう。独身時代、夕飯は歌舞伎揚げ一枚で一ヶ月…なんていう生活をしていたこともあったらしい。仕事の愚痴などをほとんど言わないし、こちらがこぼしたら間違いなくアドバイスを返してくる(よくこれで喧嘩になった)。寒いとか暑いとか、感じるけどそれにあった服装をしない(暑いけど、それで?となるらしい)。何が起きても、格段辛いと感じることもないし、「まぁそんなものか」と受け止めてしまう。(必ずしも受け入れるわけではないようだが……)心でストレスを感じられないタイプだった。

そのために、夫の場合は「最近つらい、ストレスがすごい」と立ち止まることができず、ジワジワと追い詰められていき、いきなり身体に症状が出てしまった=重度のうつ、で発覚したのである。

うつはよく、精神的な病だと思われているし、私もそう思っていた。勿論それは間違っていないのだが、やはりストレスは身体にも大きく影響する。辛いと思っていなくても、身体に異変を感じた人は、心が悲鳴をあげられずに身体が悲鳴をあげているんだと思ってほしい。

病院に行くまで

夫が明らかにうつだ、とわかってから、とりあえず「パートナーがうつになったひと」の体験談などを漁りまくった。そして、そこに共通していたのが、「病院に行くのが大切だが、当の本人がなかなか行こうとしない。無理強いもよくないので、とにかく病院に行くべきだと伝えていくこと」だった。

例にもれず、夫も最初は自分が鬱だと受け入れてくれなかったし、病院なんて全然行けそうになかった。布団からまったく起き上がれない時点で、もう明らかにヤバいのだが、その時はほとんど話すこともできなかった。明らかにうつ病だと思う、といっても「いや、違うでしょ」と。病院に行ったほうがいいと思う、といっても、うーん…みたいな煮えきらない返事しかかえってこなかった。

無理強いするのも良くないし、そもそも大人を引きずっていくこともできないので、病院の話はするのは一週間ほどでやめた。

布団から起き上がれない夫が少しずつ動けるようになって、すこし気力が戻ってきて、自分で「うつ病っぽい、病院に行こう」と思ってくれた。冒頭の発覚から、2ヶ月半ほど経った頃だった。

次回は、この頃の自分の気持ちや行動を書いていこうと思います。この記事は夫のことをフォーカスしているので、私は落ち着いているよくできた妻っぽくなっていますが、実際はそんなことないよ、という話をしたいと思います。

#うつ病 #ワーママ #パートナーのうつ

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