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東京中央郵便局、インターメディアテクに行ってきた

はじめに

東京中央郵便局、丸の内KITTE、JPタワー、KITTE内の博物館である「インターメディアテク」に郵便局ついでに行ってきました。

建築の展示、保存、再開発について思ったことを書きました。

東京中央郵便物

東京中央郵便局について概要だけまとめます。

東京中央郵便局のオリジナルは吉田鉄郎によって設計され、1931年に竣工しました。クリスマスの日にできたようです。

1930年代、世界でもモダニズムやインターナショナル・スタイルが出てきた頃にできたんですね。敷地は日本の中心に位置し、機能としても日本の中央郵便局ということで中枢となる役割を担い建てられました。

建築界隈のトレンドを日本の中枢となる建築に取り込んだのは英断だったのではないでしょうか。
日本モダニズムの傑作と認識されているそうで、その認識を決定づけたのはブルーノ・タウト。
ブルーノ・タウトは日本建築でよく出てきますね、、詳しく知らないので勉強せねば。

東京中央郵便局はもちろんDOCOMOMOにも登録されています。


KITTEとJPタワー

周知の事実かとは思いますが、、一応概要を書いておきます。

JPタワーは東京中央郵便局の再開発に伴って建設された2012年竣工の複合ビルです。
この際にファサードから2スパン分が保存され、南側は高層棟を新築されました。そして台形の平面の余りである三角形の部分は商業施設KITTEとして生まれ変わりました。

郵便局ついでにいろいろ見てきた

郵便局本体

火曜日までに届けなければいけない郵便物があり、土日も営業している東京中央郵便局に生きました。

八角形の柱が象徴的

内部はこんな感じ。八角形の柱は既存のもの(おそらく)が再利用されています。
そしてこの八角形のモチーフはKITTEなどの吹出口や展示重機にも用いられていました。(写真撮り忘れた)このあとに登場するインターメディアテクにおいても重要な役割を担っていました。

ちなみに再開発にあたってファサードの白いタイルはほとんど刷新されていますが、この郵便局の部分のファサードだけ、当時のタイルが用いられています。遠目ではわかりませんが、近くまで寄るとまわりより少し年季が入っていることがわかります。(これまた写真を忘れた)

KITTE丸の内


KITTEの内部

KITTE丸の内は東京中央郵便局の一部を改装した商業施設。内装はKKAA(隈研吾建築都市設計事務所)が担当しています。

保存対象の2スパン分のファサードは店舗と廊下、内部のボリュームのほとんどは吹き抜けになっています。

小さいものを集合させる手法はKKAAらしさが出てますね。

東京中央郵便局の柱は八角系だったと書きましたが、かつて柱があった場所に八角形の空調吹き出し口が設けられていました。


新設部をあえてヴォイドにすることで、2スパン分しか保存していないことを逆にうまく活用しているいい例ではないかと思います。増床が優先されなくて良かったです。

インターメディアテクへ

インターメディアテクは現在の東京中央郵便局の上部に位置する博物館です。
郵便局と東京大学の研究機関が共同して運営している博物館のようです。
なんと入場料は誰でも無料。東京駅に頻繁に来る方も多いかと思いますので、何かのついでにも入りやすいですね。

展示も内装もとても良かったです。少し建築に寄せた感想を書いておきます。

既存(東京中央郵便局のオリジナル)を活かした展示

内部には生物の化石や剥製が展示してあります。

展示内容はかなりボリュームがあり、しっかり見ていったら1時間以上は必要そうです。
八角形の柱がしっかり強調されていますね。床も当時のままでしょうか、、?
天井と、目線の高さより上と天井は仕上げが剥がされています。配管類が露出していますが「見せる天井」といった感じですね。
仕上げが剥離されていることで、90年の歴史を感じます。

展示の什器は東大の昔の研究施設から持ってきたものでしょうか?かなり年季の入った木製の机や棚が再利用されています。

インターメディアテクの内装は誰が担当しているんだろう、、結構気に入りました。
金具の色味は窓サッシと統一されている気がします。

お気に入りショット

3階の展示

3階の展示構成が面白い


インターメディアテクは建物の2、3階に入っているのですがこちらは3階部分。
展示什器や仕切りを建物のグリッドから45°振っていることがわかります。
柱が八角形なので45°方向の使用にも対応しているんですね。
八角形の面白い使い方だなと思いました。

エントランスの展示

エントランス付近の展示も面白かったです。
シンプルながら空間認識が狂うインスタレーション、
古代エジプトに想いを馳せられる像、
線的な建材をあえてスライスした作品など

鏡のインスタレーション
実物だとより不思議な体験
上部が亡くなった古代エジプトの像
本物だったらすごい
自分のお気にいり
東京スカイツリーの鋼管をスライスしたものとH型鋼のスライスを組み合わせている


スカルパ!?

博物館の入り口の扉。これカルロスカルパっぽくないですか?!そう思うのは自分だけでしょうか。

金属とトラバーチンとスタッコ(かな?)といえばスカルパでは

しかもこの扉、閉まるとツライチになるみたいです!


クエリーニスタンパリア美術館の扉にそっくりな気がします。


イタリア行きたいなあ。

スカルパと何か関係があるのか、どなたかご存知だったら教えてほしいです。

おわりに

滞在時間2時間ほどでしたが、KITTEと郵便局、そして博物館まで全て無料で堪能できました。

建築として観に行くのはもちろん、KITTEのテナントはどこもセンスが良さそうで自分なんかは入るのに躊躇してしまいますが、ショッピングにも良いかと思います。

立地もとてもいいですし、ぜひ足を運んでみてください。

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