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カルドハイム ドラフトガイドライン まとめ編①氷雪緑多色

ご無沙汰しております。スギモトです。
書くと公言していた「まとめ編」、2月中に出したかったのですが、いろいろと推敲しているうちに、3月に入ってしまいました。次回ストリクスヘイヴンのときには、プレイしながら書き溜めるようにしたいですね。

ぼく自身は、通算141勝/114敗/勝率55%という数字でしたが、2月のミシックランクに到達できました。まとめ編では、40回超のドラフトの中で、手ごたえがあった氷雪(緑多色)/赤白/青赤/黒赤という4つのアーキタイプについて、ピック基準などを総括しようと思います。
中間編の最後に書いた通り、「半年後、その記事を読めば、もう一度カルドハイムドラフトに帰ってこられる」という内容を目指した記事になります。

個人的に、歴代で一番好きなドラフトの解説記事は、以前晴れる屋でも執筆されていた金民守さんのもの。「色ごとの点数」よりも、「アーキタイプごとの優先度」によるカード評価が、かなりしっくり来ます。晴れる屋さんにアーカイブされているのは古い環境のものですが、読んだことの無い方はぜひ。(最近は個人ブログで【イコリア】環境の記事を書かれていました。)

この記事は、民守さんの評価スタイルを意識して、自分なりにアレンジしてみました。既に環境末期と言える時期ではありますが、誰かの参考になれば幸いです。

▼(前置き)ドラフト方針の宗教戦争

本題に入る前に、前置きをひとつ。「中間報告編」でも少し触れた、ドラフト方針の話です。
ぼくの知る限り、ドラフトの方針は大きく3パターンに分かれます。

①「決め打ち」・・・事前に「このアーキタイプしかやらない」と決めて初手からそのアーキタイプのカードしか集めないパターン。開封パックでいくら強いレア/アンコモンが出ても、自分の方針に合わなければ、流してコモンをピックします。

②「レア寄せ」・・・初手で強力なカードをピックできたら、それを運用することを第一にカードを集めていくパターン。

③「協調」・・・回ってくるパックから上家の志向している色/アーキタイプを推測し、それと被らないように自分のカードを集めるパターン。

ぼくの考えでは、MTGアリーナの「ラダー」でリミテッドのランクを上げるのに、最も効率がいい方針は①「決め打ち」です。
「決め打ち」は、本来ハイリスク&ハイリターンな戦略です。上と色が被らなければ、最強のアーキタイプのデッキが確実に組めるが、被ったらカードが足りなくて大失敗に…というふうに。グランプリやプロツアーのような一発勝負の試合では、基本的に敬遠されていたと思います。(出たことないけど…)

ですが、「ラダー」では勝手が違います。何度も反復する中で効率よく勝ち数を集めることが是とされる「ラダー」では、「決め打ち」のリスクはあまり気になりません。極端な話、ドラフトに失敗したらプレイせずにドロップして次に行けばいいわけです。0勝0敗ならランキング上痛くもかゆくもないのが、アリーナラダーの仕組み。そんな石油王みたいなプレイヤーがどれくらいいるのかわかりませんが、実際「決め打ち」スタイルを公言しているプレイヤーもTwitterのタイムラインで見かけます。彼らが全員ドロップしてるとも思いませんが、効率を重視するのであれば「決め打ち」が最適解だというのは、アリーナリミテッダーが覚えておかなければならないことだと考えています。

その上で、ぼく自身が採用し、記事で前提としている方針は③「協調」です。
「ドラフトピックまで含めたリミテッドの能力全体を、長期的な視点で鍛えたい」という想いがありますので、カルドハイム環境にかかわらず「協調」の方針を取ることに決めています。「決め打ち」は自分がやると決めれば、次のドラフトから実践できるのに対して、「協調」には、論理的思考力や経験が求められます。一朝一夕では身に着けられない技術だと考え、あえてそれを磨く選択をしています。
上述の通り、最適解である「決め打ち」を選択できる眼力と、実行できる胆力も、間違いなくMTGの「強さ」の一要素だと思いますので、優劣は議論しません。「前提としてお伝えしておかねば」という考えでかかせていただきました。

▼氷雪のドラフト

なぜ前章でわざわざ「決め打ち」「協調」の話をしたかというと、氷雪を語る上で無視できない要素だと考えているからです。

まず、氷雪がカルドハイムの有力アーキタイプだという認識は変わっていません。各色のレア、除去、そして専用アンコモンの《氷縛りの柱》《雪崩呼び》が使えるという強みは揺るぎないものだと考えています。
ただ、ぼく自身は積極的にやろうとすることは無くなりました。その理由は、氷雪土地を3,4手目からピックするプレイヤーがかなり多いと感じるからです。
上家が氷雪に参入したサインは、他アーキタイプと比べてもわかりやすく、パックに氷雪土地が残っているかどうか。極端ですが、上家が早い手順から氷雪土地をピックし続ければ、他にどんな氷雪カードを流していたとしても、下家はまともな氷雪を組めません。
ぼくはカルドハイムのリリースから2週間経過したあたりで、この傾向がかなり顕著になったと感じていますが、みなさんはいかがでしょうか?ここからまたメタゲームの遷移があるかもしれませんが、現状氷雪を好んでいるプレイヤーの多くは、「早い手順から氷雪土地を絞る」という「決め打ち」(に近い)戦略をとっていると、考えています。
「協調」の方針をとるぼくとしては、上流で氷雪が空いていることを確認してから入りたいので、参入の基準は「再序盤で氷雪に向いている強力なカードが取れており、5手目以降も安定して氷雪土地が回ってくる」というイメージです。氷雪フリークの方には「そんなんで氷雪できるわけあるか!」と怒られるかもしれませんが、まさに結構なレアケースなんです。

そんなわけで、2月後半からあまり氷雪を触らなくなったので、経験値は十分と言えませんが、氷雪デッキのピック優先度を書き出していきたいと思います。

▼コモン優先度ランキング

【S】(多いほどいい)

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氷雪土地はそんなに色を問わず。前述の通り、パックから消すだけで下家への主張になるので、参入後は積極的に絞りましょう。山や平地は極力少なくしたいので、[青/黒/緑]+[白/赤]という組み合わせのものが、あるいはスゥルタイカラーより価値が高いのでは?と考えています。

【A】(2枚欲しい)

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《煙霧歩き》…中間でも書いたとおり、白アグロとの相性はこれの枚数で決まります。かなりSに近いA。《エルフの弓》などがなければ3枚目も十分可でしょう。
《スケムファーのための闘争》…格闘カードなので2枚以上は避けたいが、異常なテンポをもたらす強カード。
《氷山の徘徊者》…攻守の切り替え点になることが多く、いい働きをしてくれます。最も勝利貢献度の高いカードだとか??
除去に関しては、この中から4,5枚程度が理想でしょうか。

【B】(1枚あるといい)

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《蛇皮のヴェール》…残れば勝ちのSレアクリーチャーが取れたときに検討しましょう。

【C】(B以上が足りないときの数合わせ)

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▼アンコモン優先度ランキング

【S】(Sコモンより優先)

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【A】(Aコモンより優先)

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【B】(Bコモンより優先)

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(追記)《リトヤラの鏡湖》、《イストフェルの門》《ノットヴォルドの眠り塚》を入れ忘れました。《リトヤラ》はA、後の2つはBかな。色さえ合えば裏目が少なく、フラッドしやすい氷雪では非常に強力なカードだと思います。
ちなみに《霜のモーリット》は選外。下振れがかなり大きく、好みではないです。

▼レア優先度ランキング

※一部、使った&使われたことがなく、推測のものもあります…

【S】(Sアンコモンより優先)

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【A】(Aアンコモンより優先)

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【B】(Bアンコモンより優先)

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基本的にどんなレアも入りますが、さすがに赤ダブルは低めにしました。(《ドゥームスカール》も白ダブルですが、さすがに別格ということで…)赤が濃くなれば、この辺りも格上げできるでしょう。

▼デッキサンプルと構築の注意点

スクリーンショット (585)

マナベースが7:5:4:4で、各色にダブルシンボルがあるという胃が痛くなるデッキですが、全体除去2枚を筆頭にかなりレアが多く、7-2できました。
※《鴉の警告》が入っているので、サイドボードまでスクショしているようです。

もっときれいに組めたものもあったのですが、どこかで躓いて、完走には至りませんでした。これくらい開き直って「レアリティこそパワー!」と言えるのが、勝てる氷雪なのかもしれません。

氷雪の負け筋は、主に「アグロのブン回りで負け」「相手の方がレア強くて負け」「ダブルシンボル出ずに負け」の3つ。序盤の防御、特に対空防御をどれだけ取れるかで、勝率がかなり変わってくる印象です。しつこいですが《煙霧歩き》は本当に大事です。
また、遅めのデッキではありますが、特にSレアが自分のデッキに入っていない場合は、しっかりと殴る構成を意識しましょう。だらだらしていると相手の《コーマ》が出てきてしまいます。

個人的には緑多色のドラフトは大好きなので、上家が許せばもっとやりたいのですが…
写真も合わせて結構なボリュームになりましたので、②赤白編、③青赤/黒赤編は、記事を分けさせていただきます。


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