見出し画像

ボムレア環境できること~機械兵団の進軍 ドラフトガイドライン まとめ編

こんにちは、スギモトです!

【決戦の後に】も出ましたが、まだまだ【機械兵団の進軍】ドラフト、楽しんでいらっしゃいますか??

(ぼくはアリーナ限定フォーマットをあまりやらないようにしよう原理主義守旧派ジジイのため、しつこく【機械兵団】のみの方を擦っています。)(でも来月の予選フォーマットがヒストリックらしいので、それはやってます。べ、べつに好きでやってるわけじゃないんだからね…!)

イゼットウィザード。《表現の反復》最高ぉぉぉ!!!

そしてリミテッドランクでは久々のミシック到達!!結構入れ込んだ環境だったので嬉しいですね~。

今回はその過程で考えたこと、特によくプレイしたボロス(赤白)のガイドラインについて、「まとめ編」として書き残しておこうと思います。

4月の機械兵団リリース~ミシック到達までの通算。勝ち組とされている白青、青黒以上の赤白ぶり。それ以外の勝率が悲惨…

熟練のリミテッダーの皆さんの考察に比べると拙いところも多いと思いますが、一つの見解として、特に伸び悩んでいる方の一助になれば幸いです。どうぞお付き合いください。

※MTGアリーナプレミアドラフト(BO1)でのプレイを想定しています。


▼中速デッキへの反省

中間報告編では、ドラフト序盤のピック優先度を、このように設定してみた。

【1】強いレア
【1.5】《アモンケットへの侵攻》《光素を漁る者》《キセレクスの投光騎士》《羽づくろう勇者》
【2】黒除去/白アグロ系パーツ
【3】2マナ域/土地

が…

その後どうも、「黒除去」デッキの勝率が安定しない。強力なレアが入った青黒や緑黒多色だ。

培養や変身をバウンスなどで返される恐れがあるので動きが窮屈になることに加え、《アモンケット》や《エルドレイン》などのハンデスが刺さりやすい。
5マナ、6マナの強力なレアをプレイして勝つには、そのレア自体はもちろん、そこまでつなぐカードや、充分な土地など、多くのカードが必要になってくる。ハンデスを重ねる動きは、これに対して非常に効果的だ。

あなたはこれまでハンデスで捨てさせられた…そしてアモンケットで相手に釣られた自分のレアの数を覚えていますか…

除去コントロールに持って行くと、マリガンや土地のつまづきに弱くなるし、相手のレアに除去が噛み合わなかったときも簡単に負ける。卓ドラフトと違って対戦相手のデッキの強さは青天井、実質∞と言っていいプレミアドラフト。自分が「レア5枚入った~♪」と思っていても、相手のデッキには6枚入っているようなことが日常茶飯事なのである。ボムレア環境だからこそ、自分のレアの強さで勝負できると思ってはいけない。

上には上がいる。

そもそも黒は、個々の除去カードは優秀で、青黒という高勝率のアーキタイプがあるものの、逆に白黒・黒赤などは積極的に目指したいアーキタイプとされていない。思っているより狭い色だ。黒除去から入るの、実はあんまよくないな?と気づくのに、結構な時間(とジェム)を要した。

▼赤白への傾倒

こうして、黒除去の優先度を下方修正することから、ぼくの「機械兵団の進軍」後半戦が始まった。

まず意識すべきを、「アタックラインをしっかり持って、いたずらにゲームを引き伸ばさないこと。」とした。自分がレアをピック出来るか、それがうまくプレイできるか、相手にレアをプレイされないか…こういったことはブレが大きい要素だ。
プレミアドラフトは、たとえ大勝ちは出来なくても、4-3,5-3の成績を重ねられれば継続してプレイすることができ、ランクも少しずつアップしていく。圧倒的7勝を目指して博打的にレアに依存するよりも「相手にレアを出される前に殴り切る」方針で、コモン・アンコモンを軸にしたアグレッシブなプランでピック・構築を続けたほうが、長期的な勝率は安定すると考えた。ドラフトは低レアリティ!!

また、相手にハンデスや《エファラの分散》を強く使わせないためにも軽く組む。「軽く組みすぎることを恐れない。」と言った方がいいか。《分散》だけではなく除去が強い環境なのは疑いようがないので、特に4マナ域以上にぼんやりしたカードをとることは、テンポ&リソース面で非常にリスキーだ。高マナ域には、コンセプトに合って確実に仕事をしてくれるカードや、リターンの大きいレアが配置できれば理想。

こうしてアグロ系アーキタイプの引き出しを整理していくことにしたのだが、選択肢はそう多くなさそうだ。
緑白はいくつか専用カードを用意してもらっているのだが、隙の大きいアクションが多く、カウンターパンチをもらいやすい。黒赤は不人気色で入りやすいが、《殴り棒》を軸に細かい動きを重ねることになり、いかんせんピーキーでなじまなかった。
白青に代表される青の飛行ビートは文句なしにいいのだが、《羽づくろう勇者》《キセレクスの投光騎士》《スカイクレイブの曲芸師》の飛行三傑は、どの卓でも大人気だ。簡単に進ませてもらえない。

いい感じに軽めの青をやらせてもらえた場合。飛行三傑が揃っている。7勝。
ドラフトは低レアリティ!!(鮫、夜明け、ドゥームスカール)

そうしたとき、比較的安く流れてくる赤白が魅力的な候補に思えた。

今セット、一般的に赤の評価は低い。強力な赤単色のアンコモン5種《かき立てる炎》、《呪文槍のケンラ》、《不敵なスカルド》、《メルカディアへの侵攻》、《レガーサへの侵攻》は5~7手目で回してもらえることが多い。赤白マルチカラーの《鏡の盾の重装歩兵》と《練達の職人、レヤブ》にいたっては、いずれも1周付近でのピックが定番だ。

5/17執筆時点の17LandsのATA(Advantage taken at=平均的にn手目でピックされる)指標では 炎3.31 ケンラ3.69 メルカディア5.22 レガーサ5.46 スカルド6.35 重症歩兵8.18、レヤブ9.54。

このあたりから、「序盤は白や青に軸足を置きつつ、5~10手目の赤のアンコモン、マルチカラーの流れに応じて、積極的に赤白に入る。」という方針を立てた。

赤白は、
・緑白と違って専用カードが低マナ域に集中しており、軽く組みやすい。
・赤のバトル2種が軽く攻撃的な性能で、コンセプトに噛み合う。
・低マナ域クリーチャーのバックアップとして単体でプレイアブルな装備品《殴り棒》と《帆凧》に、シナジーでの上振れが追加されている。
など、アグロの中ではポジティブな要素が多いと考えている。

基本戦略としては2マナ域を並べてビートダウン。中盤のブロッカーを《ボーラ投石手》でどかして、《黄金鱗の飛空士》《空中ブースト》《帆凧》で押し込む、というのが基本になる。

グリッサの上から勝つ!爽快!


▼リミテッドのゲームプラン

ここで、少しより道になるが、リミテッドのゲームプランについて整理しておきたいと思う。

前述のバウンス耐性のことなどを考えながら、赤白の構成を煮詰めていくと、必要な5マナ域はレアを除けば《スカルド》と《飛空士》だけ、6マナはエースレアの《オレリア》しか許容できないと気づく。

恥ずかしながら、ぼくはリミテッドにおいて、「6マナ域は、あったらまぁ入れておくもんだろ~」と考えていた。構築と違い、すべてのカードの価値が等価ではないリミテッドにおいて、2マナ域の3倍強いカードである6マナ域は、それだけでデッキの総合的な「パワー」(?)を上げてくれるはずだ。

が、「相手にレアを出される前に殴り切る」というコンセプトを尖らせれば尖らせるほど、重いカードを採用するインセンティブが薄れていくのはマジック:ザ・ギャザリングの道理。
このあたりで、リミテッドのデッキ構築ないしは、それぞれのデッキが目指すプランを改めて整理しておく必要性を感じた。

リミテッドのゲームプランに関しては、以前ディスコードサーバーで知見を授けていただいていたのだが、うまく腹落ちさせられていなかったので、今回自分なりに再度構築してみた。少し長くなる上に、まだまだ上級者には程遠いぼくの浅見ではあるのだが、ここを整理できたのは今回の取り組みの中での大きな収穫だった。誰かのお役に立てれば嬉しい。

※文中、「脅威」と「交換」という単語が出てくる。これらはマジックの戦略やゲーム開発に関する文章で頻出するもの。初めて聞いたという方はひとまず、「脅威」は勝ち手段=単純にクリーチャー、「交換」はそれに対処するもの=単純に除去やクリーチャーでの相打ち、と読み替えてもらって構わない。


①ホード

このプランをとる代表的なアーキタイプ:白緑、赤白、青赤果敢
※これは今セットに限らず、2色の特徴として各セットに通底するものを挙げる。

トークンも含めた軽いクリーチャーを連打するビートダウン。中盤以降は、装備品や全体強化でそれらの価値を維持する。最もゲームレンジが短いプランで、手数・テンポのアドバンテージを持つ。自分の脅威が交換しきられないうちに、除去やコンバットトリックも駆使して攻め切る。

ちなみにホードは「大群」という意味で、「ウィニー」とほぼ同義で使われる、(古い)マジック用語だ。「アグロ」などと呼んでもいいのだが、「手数」が重要なポイントなので、この呼称を充てたい。さらに蛇足だが「ウィニー」というのは、つながったウインナーを指すとか。小型クリーチャーの連鎖というわけだ。


②ミッドレンジ

このプランをとる代表的なアーキタイプ:赤緑、緑青、黒緑

マナカーブ通りにクリーチャーを展開し、サイズのアドバンテージを活かして殴り返す。クリーチャー同士の接触戦闘に優れ、正面からホードとぶつかり合うと強い。一方で、接触戦闘をしないシステムの処理は苦手。テンポのいい除去にも崩されやすい。

ホード相手には積極的に交換。その他のアーキには交換を避けて攻めに回り、ゲームレンジの短縮を図る。こう書くと器用に立ち回れるようだが、動き自体はクリーチャーを順にプレイするだけの単純なものになりがち。最近のセットでアーキタイプとしては不遇気味…。


③システム

このプランをとる代表的なアーキタイプ:白青飛行、黒赤サクリファイス、白黒ドレイン

勝ちに向かう速度はホードやミッドレンジと比べると若干遅いものの、接触戦闘に参加しないことで交換されにくい脅威=システムを活用する。「システムが機能するターンを増やす」ことを軸に、ゲームの流れを組み立てていく。相手の脅威は、壁やトークン、除去で適宜対処する。この対処の目的は「ターンを増やす」ことなので、バウンスやチャンプブロックなど、厳密な交換ではない方法でも代替できる。「相手の脅威を交換・対処しやすく、自分の脅威は対処されづらい」というギャップにアドバンテージを見いだす。

マジック黎明期から存在する「飛行」クリーチャーは「接触戦闘に参加しないことで交換されにくい脅威」の代表。また、(【機械兵団の進軍】では成立し辛いが、)トークンや除去で盤面を止めて、ライフをじわじわ吸っていくようなアーキタイプが、黒赤や白黒で成立することがある。構築フォーマットのラクドスサクリファイスなどは、システム系デッキの最たるもの。

展開する脅威が鈍重で、システムの処理能力に難があるミッドレンジは、御しやすく有利。システムクリーチャーを、接触戦闘ではなく除去で直接交換できるトレード&スケールには不利。システム構築の暇を与えないスピードがあり、壁や除去で交換しにくいホードにも、先手から押し込まれる場合がある。


④トレード&スケール

このプランをとる代表的なアーキタイプ:青黒、黒赤除去

いわゆる「コントロール」。カード同士の交換に最も長け、ゲームレンジが長いプラン。1対1、あるいは1対多交換(トレード)を繰り返し、相手の脅威を枯渇させた後、クリーチャーサイズやカードアドバンテージ(スケール)で勝利する。

ミッドレンジやシステムの脅威との同マナ域での交換は得意だが、(特に軽い除去の供給が、構築と比べて不自由なリミテッドに於いて、)同マナ域での交換が難しいホードに対しては不利。


(⑤ハイスケール)

このプランをとる代表的なアーキタイプ:緑多色?

いわゆる「コンボ」や「ランプ」。途中の交換過程を無視し、一般的な交換が成立しないレベルの脅威を活用することにデッキ全体を寄せる。特殊な対策をしていないと、こつこつ積み上げてきたアドバンテージのちゃぶ台がひっくり返る。ひっくり返ることそのものが、ハイスケールのアドバンテージ。

ミッドレンジやシステムにはゲームレンジの短さと、こちらの脅威が相手には交換不能な分有利。ホードにはお互いのゲームレンジ(ホードのキルターン)次第。トレード&スケールにはこちらの脅威と相手の交換の相性(脅威が交換できるものかどうか)次第。

派手な多色レアを擁する緑多色をこの枠に入れられなくもないが、構築のように「デッキ全体を寄せる」ことが難しいリミテッドでは、再現性が低い。以下本記事では、一旦扱いを保留しておく。


相関関係

以上の分類において、重要な点が2つある。

ひとつは、それぞれの相関関係である。それぞれ、自分の一つ前のプランに対して有利。詳細な説明をすると記事1本ではおさまらないくらいの字数が必要であろうから省くが、テンポと費用対効果の観点から、「相手より"少しだけ"重いデッキが有利」というのがマジックのセオリーである。(①は④に対して極端に軽い。)

各カードはあくまでイメージ。

もう一つは、それぞれのデッキ、アーキタイプにとってこれらのプランは絶対的なものではなく、相対的なものだということ。「このプランをとる代表的なアーキタイプ」と、持って回った表現を選んだのはここが理由で、プランとアーキタイプは完全なイコールとはならない。「イコールにしないほうがいい」というのが適切か。

相手のプランや先手・後手、サイドボーディングで変化する。というか、変化させることで勝つ。"Who is the Beatdown?"(マジック戦略記事の古典)よろしく、自分の立ち位置を見極めて、相手に有利なプランを選択することが重要。

例1. ホードのミラーマッチは、後手が積極的な交換を望み、ミッドレンジないしはトレード&スケールとしてのプランを成就させることを目指す。

例2. ホードが、対ミッドレンジのサイドボーディングで装備品を利用し、システムに変化する。

少しずつ構築フォーマットに触れる言葉も織り交ぜたが、これらの相対的な分類・評価は、マジックの戦略・プレイング論に於いて「ゲームプラン」という言葉で語られている内容の、最も外側の枠組みなのではないかと考えている。このプランが、カードの採用基準はもちろん、「攻撃するかどうか」「相手のクリーチャーと相打ちするかどうか」という、ゲーム中に頻発する選択の判断基準となる。

これは個人的な思いなのだが、ゲームプラン(ないしはアーキタイプ)を、相対的なグラデーションをもって解説してくれる記事に、これまでうまく巡り合えなかった。一方で、中級者以上のプレイヤーの思考には当たり前に存在し、選択の根拠となっていることのように思えてならない。このギャップがずっともどかしかった。
デッキとデッキが戦うゲームである以上、そこには間違いなく相関関係(相性)が存在しており、いかなるセット・フォーマットに於いても「マナ」と「カード(枚数)」というマジックの大原則が変わらない以上、その相関関係は、ある程度以上に一般化できるはずである。
大原則に沿って比較できる相関関係の把握とその一般化が「基礎力」「地力」として、初心者から中級者への架け橋になると考えてきたのだが、どうだろうか…。

是非はともかく、浅見に手前味噌を重ね塗りするようで恥ずかしいのだが、こうしてひとまず自分で思考しながら言語化できたことを嬉しく思う。「自分で掴むことで血肉となる」と、オモコ□チャンネルのマジック特集回でも言っていた。

今回のセットに話を戻すと、黒除去と高コストのレアを活用するアーキタイプは、基本的にプラン④を志向することになる。それに対する赤白の基本プランは①だ。
重めの4,5マナ域のカード(スカルド、ボーラ、飛空士)も、2マナ域の継戦能力を高め、ハイスケールだが大ぶりな相手のアクションを素早く咎めるためにある。素晴らしき哉、賛助!


▼全体指針

寄り道が少し長くなったが、改めて【機械兵団の進軍】の話だ。全体的なピック指針を、箇条書きでまとめておく。あくまで個人的なものだ。

やりたい:白青、青黒、白赤(遅め参入)
やらなくもない:白緑、青赤、青緑、黒緑
やらない:赤黒、白黒、赤緑

・白賛助系(白青、白赤、白緑)

ホード志向。2マナ域をテンポよく展開し、賛助でバックアップ。《ボーラ》→《飛空士》で押し込み。
速く力強いゲームプランがあるが、後手に回ったときに捌かれやすい。《エファラの分散》《割り込み》など軽い妨害をケアしないと、賛助を無効化されてモタつく。まず軽く組むこと、そして装備品や培養を絡めたプレイ順でうまくかわす。

・青召集&飛行系(青白、青赤、青緑)

ホード/システム志向。《羽づくろう勇者》を軸にして、高マナ域の召集を早期展開。
ホードに匹敵する速度と、飛行による交換されにくさ、妨害スロットの自由度、適宜《精神の交差》などで補充されるカードアドバンテージなど、うまく組めるとスキがない。最大の障壁は、青の高さ。

・青黒ハンデス&ミル

システム~トレード&スケール志向。《鼠》《アモンケット》《エルドレイン》などのハンデスは、相手のハイカロリーなレアを対処するのに悪くない手段。
青飛行とハイブリッドがベター。クロックをかけないと、重いカードを手札に残されてしまう。完全なトレード&スケールと言うより「相手に強制マリガンをさせてフィニッシュまでのカードが足りない状況に持ち込む」ようなイメージか。

・緑ランプ系(緑黒、緑青、多色)

ミッドレンジ志向。《追跡者》&《芽ぐみ》のパッケージでブーストして押し付け。
除去が多ければトレード&スケールも可だが、できるだけ攻められるミッドレンジを志向したい。押し付けて強いレアの出に依存する。

1~4手目周辺の指針

ハイレアリティのカードを優先しながら、分岐を探る。
 白から→赤白、白青
 青から→青白、青黒
 黒から→青黒、緑ランプ
 赤から→赤白の位置を強く主張。青が回ってきたらそれはそれで。 
 緑から→青緑、緑ランプ

4~8手目周辺の指針

これらに加えて各色のマルチカラーでポジションを確定する。除去も必要ではあるが、できるかぎりアグレッシブなプランの軸になれるカードを取って方向性を固めていきたい。()は、9手目以降にも期待できるコモン。

・青の飛行クリーチャー
 :《羽づくろう勇者》、《キセレクスの投光騎士》、《スカイクレイブの曲芸師》、《霊体の翼長》、(《いかづち頭の戦隊》)
 
・白の賛助クリーチャー
 :《印章持ちの歩哨》《ボーラ投石手》《空中ブースト》《天使の介入》(《黄金鱗の飛空士》)
 
・赤のアンコモン
 :《かき立てる炎》《呪文槍のケンラ》《不敵なスカルド》《メルカディアへの侵攻》《レガーサへの侵攻》(《格納庫のたかり屋》、《梁町の殴り棒》)


▼赤白の構築ガイドライン

最後に、お気に入りの赤白について、詳細なガイドラインを書いて、まとめとしたい。

ここまで何度か書いたように、空いている感触があってから入っていく色だと考えているので、ピックの優先度を指標にするのは難しい。《レヤブ》や《重装歩兵》の重要度・勝利貢献度は非常に高いが、それらを初手で取ったりするのは、あまりお勧めしない。
序盤は汎用的な除去と、他のアーキタイプへの越境性が高い3/2/2警戒、白いコンバットトリック2種、赤のアンコモンをつまんで様子を伺う。7~10手目あたりでマルチカラー、ボーラが来たら本格参入するイメージ。

それぞれのマナ域別に、完成形での重要度、プレイアブル具合をガイドラインの指標としたい。特にピック後半は、軽く寄せたマナカーブデザインを最重要視して柔軟にピックして欲しい。

S:上振れ。
A:主軸。必須級。
B:十分スタメンレギュラー。
C:アンプレ当落線上。入らないに越したことない。

・1マナ

S:(《敏捷なこそ泥、ラガバン》)
A:《梁町の殴り棒》《エルズペスの強打》
B:《コーの矛槍》
C:《石術の連射》《忍耐の繋守り》《ミラディンの悪断》

《殴り棒》の有無で、完成度がかなり変わる。最序盤で《レヤブ》とのコンボはもちろん、威迫によって後半の《ボーラ》→《飛空士》の決定力が一層向上する。これと《帆凧》のピック手順が一番難しいと感じているが、ぜひ欲しい。
《ラガバン》はまだ見たことがない。次セットへ移行するまでに、一度は使ってみたいものだ。


・2マナ

S:《薄暮軍団の決闘者》《ゴバカーンへの侵攻》《タルキールへの侵攻》《族樹の精霊、アナフェンザ》
A:《練達の職人、レヤブ》《鏡の盾の重装歩兵》《ノーンの審問官》《呪文槍のケンラ》《メルカディアへの侵攻》《空中ブースト》《天使の介入》《次元壊しの掌握》《火山の悪意》
B:パワー2以上のクリーチャー、《帆凧》
C:《ラルの援軍》《レンの決意》

質より量。《いたずら者》だろうが《門口》だろうがバトルの無い《前線兵》だろうが、他になければ突っ込む。クリーチャーで最低6枚、最高8枚くらいまで。

《審問官》や《ケンラ》は間違いなく最強クラスの2マナ域だが、変身のテンポが足枷になることもあるので取りすぎには注意。


・3マナ

S:《ヴォルダーレンの興奮探し》《ギラプールの守護者》《夢の巣のルールス》
A:《印章持ちの歩哨》《格納庫のたかり屋》《ナヒリの戦争術》《存在の封印》《風雲船長ラネリー》《レガーサへの侵攻》(《僧院の導師》)
B:《無法の戦慄艦》《悩まされる職工》《黎明起こし、ザーダ》
C:《炎の番人、ヴァルダーク》《キスキンの雄山羊乗り》《注意深い空守り》《ニューカペナの熾天使》《ザルファーの槍騎兵》《ファイレクシアの覚醒》《焼尽の逆刺》《割り込み》《呪文追い、ルーツリー》

《格納庫のたかり屋》は地味なカードだが、重要度はかなり高い。5マナまで伸ばしたいので土地は17枚とりたいが、フラッドすると負けるので、《火山の悪意》や《メルカディア》と合わせてルーティングが沁みる。警戒がつくと誘発しないのはご愛敬。

《無法の戦慄艦》は、細かくマナの使い道を調整できることと、速攻とETB能力があることで、《エファラの分散》をかわすときに重宝する。《悩まされる職工》も、6/3/4飛行速攻として終盤の押し込みに意外と貢献する。軽いカードを多用する分、こういう後半のマナの使い道に柔軟性を持たせるカードはありがたい。

総じて、デッキの主役とは言えないが、それぞれ独自の役割を持てるシブいマナ域。《オボシュ》で打点が2倍になるマナ域なので、《オボシュ》が取れたら気持ち厚めに。「《レガーサ》で8点本体」は非常に健康にいいので、ぜひ一度体験してみて欲しい。

《ファイレクシアの検閲官》は、基本攻勢をかけているのはこちら側のはずなのでやれるだろうと思いながら、使ってみようかなというときに限って《オレリア》がいたりして結局入れたことが無い。
《僧院の導師》は使ったことがなくてわからない。後に出てくる他のインスタント・ソーサリー(インソー)依存のレアと違って、装備品やエンチャントでも誘発してくれるので、あるいはSでもいいのか…?


・4マナ

S:《かき立てる炎》《大天使エルズペス》
A:《ボーラ投石手》《猛り狂う猛竜》(《エリシュ・ノーン》)
B:《ウラブラスク》《ドラーナとリンヴァーラ》
C:《新たな連合の騎士》《レッドキャップの踵斬り》《戦鍛えの斬鬼》《面晶体の掘削者、ザダ》

2マナ×2アクションをとることが多いので、かなり辛めに見ていいマナ域。
《ウラブラスク》なんかは、装備品に寄っているとほぼ誘発しないので、基本的に重めのフレンチバニラ。出たターンに仕事ができる《ボーラ》と違って、全然外れ得る。
《エリシュ》は使ったことないが、チャンプアタックでも本体にダメージが飛ぶので、《ウラブラスク》よりはやりそう。あまりイメージ湧かないが、もしかしたらSかも。
《ザダ》は《空中ブースト》を撃つことを夢見て何回か使ったが、まぁ決まらないのでなくていい笑

超余談だが、個人的にこのセットで一番イラっとするカードは4/3/4のアライグマ。「やったりますよ、俺!!」って顔しながらアンコモンの枠潰して12手目とかで回ってくるのが、この上なくイラっとする笑


・5マナ

S:《獲物貫き、オボシュ》《伝承師、クイントリウス》《加護をもたらす戦乙女》《空を放浪するもの、ヨーリオン》《ズルゴとオジュタイ》(《太陽降下》《帰還した王、ケンリス》)
A:《不敵なスカルド》《デジェルとハゾレト》《隠れしウラブラスク》
B:《黄金鱗の飛空士》
C:《イーオスの遍歴の騎士》《湧き出る源、ジェガンサ》

爆弾レアとスカルドの領域。コモンで踏み込んでいいのは、《ボーラ》との鉄板ムーブを形成する《飛空士》だけ。

《クイントリウス》は、《レヤブ》と同居しづらいので注意。赤白を普通に組むとインソーがかなり少なくなりがちだが、《クイントリウス》が回ればさすがに強いので気をつかってあげたい。ピック出来たら《レヤブ》をあきらめ気味に、装備品よりインスタントのバットリを高く見るのがいいと思う。
(ぼくの記事で何度か触れているが、装備品と強化呪文は、ともに「クリーチャーに依存するスペル」なので、引きすぎると撃つ先がないときに浮いてしまう。多くとも合計5枚以下に抑えたいと思っている。)

《オジュタイ》は、《殴り棒》と2色土地を集めて無理やりにでも入れよう。強い。《太陽降下》は赤白で使ったことがないが、まぁ入れるだろう。「ラスゴ」ではなく「砂塵破」なので。強い。《ケンリス》は見たことない。きっと強い。

《ジェガンサ》はCにしたが、アンコモン以下のダブルシンボルは《存在の封印》《かき立て》《ダクソス》だけなので、相棒が結構狙える。《ダクソス》はもちろん、《存在の封印》までなら諦められるが、《かき立て》やダブルシンボルのレアを諦める程かと言われると、個人的には否。もちろんメインデッキには入らない方がいい。


・6マナ以上

S:《戦導者オレリア》(《希望の標、チャンドラ》)
A:-
B:《雪花石の徒党の仲裁者》《クロクサとクノロス》
C:《元凶の粉砕》《シヴ山の枝焼き》

基本的に《オレリア》以外は不要。サイズ気にせず使える除去が他に1枚もなければ、《仲裁者》や《粉砕》をとっておくかくらい。
《チャンドラ》も、例によってインソーが少ないので強くは使えないが、まぁ5点×2火力として入りそう。(一度1-1で取って、赤白だと活かせないかなと青赤に進んだが、結果がら空きの赤白に入れずかなり後悔した。)

ちなみに《エターリ》は多分入れない。多分…。《エリシュ・ノーン》はさすがに入れるか。普通に使っても出ないので、《殴り棒》は必須で、《レンの決意》まで前向きに検討する必要があると思う。どちらもまだピックしたことがない。

以下、サンプルデッキ。

7勝。レア5枚が圧巻。レヤブなしだと、(ザダ以外は?)理想的。
7勝。こちらはレヤブありでのかなりまとまった形か。ハゾレトでオレリアをめくる実績も解除。
ボロス修練初期に組んだ、不純物多めVer. クイントリウスと空中ブースト×3で7勝。
こちらは6勝だがレア無し。高マナ域がスマート。ここまでレア入りを並べてきてなんだが、こうあれるのが目標。くしくもミシックに到達したのはこのデッキだったので、感慨も一入。


▼おわりに

以上です。

つまるところ、「確かに”ボムレア”環境ではあるけど、4勝を安定して稼ぐために、足回りのプランをしっかり整えよう!ボロス弱いって言われるけど、殴るプランでやれると結構いいよ!」という話でした。

レアを出しているだけで勝てるならそんなに楽なことはないし、ボロスだって噛み合わなくて負けることは普通にあります。決してベストの選択だとは言いませんが、「1周したアンコモンでレアを殴り倒すことでしか得られない栄養がある」という奴かもしれません笑

個人的には、こういうみんなが少し後ろ寄りになる環境で、ボロスやれてるときが一番勝ちやすいですね。初めてリミテッドでミシックに行けたカルドハイムを思い出します。


コミュニティにスペシャルサンクス。(いつもの)
ぼくも参加している、リミテッド中心のDiscordサーバーです。
そもそもボロス使い始めたのも、ここで「《レヤブ》結構強いよ~」と教えてもらったのがきっかけだったように思います。

チャットでは7勝のデッキの共有や意見交換をしていますので、楽しいドラフトライフのお手伝いができるのではないかと思います。気軽にJoinしてくださいね。

6月末の【指輪物語】リリースまで、もう少しこの環境で遊べそうですかね。

余談ですが、見たことなかった映画『ロード・オブ・ザ・リング』を、いま頑張って履修しています。(長すぎ笑)
キャラクターごとに「こいつは何色でカード化されるのかな?」と想像しながら見るのが楽しいですね。「バルログくんは赤単?黒赤??てかほぼラクドス様では!?」とか…

見終わってから気づきましたが、こいつですね。既にカード化されていた笑

また【指輪物語】入門編でお会いしましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?