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B♭キーの改造

私の楽器は元々普通の Closed G# を Open G# (Gis-Open) に改造したものである。(裏Gisはパッドの入ったカップで閉じてある)

他にも木の押さえやら色々賑やかだが・・・

最近なんとなく左手親指キー(ブリチアルディキー)をベームのスタイルのように逆の操作にしたいと思うようになった。

Theobald Boehm/ THE FLUTE AND FLUTE - PLAYING より

運指上 Hハー から Bべーに移行するのに、他の音同様に指を右(下)側に移動するので自然である。
更に第3オクターヴのクロスフィンガリングにおいても、親指位置が左にある方が動き易く感じられる。

上図のようなベームの機構そのままに改造するのは大変だが、現状のポスト等はそのままで改造できる方法がある。

以前勤めていたメーカーではオプションで交換することができるようになっていた。

*因みに工場では親指キーを ”バッタ” と呼んでいた。B♭キーはバッタの ”ハネ” と・・
オプションの逆操作キーは ”逆バッタ” と呼ばれた。



いよいよ意を決して改造することにした。

数日前の状態


Cキーの押さえ部分を糸鋸で切り取り、B♭キーが乗る部分を削り込んだ。
そしてB♭キーを短く切り詰めた。

もう後戻りはできない

切り取ったキーの角度を調整しロウ付けした。

ヤスリがけして磨いた状態
左上は押さえ用に加工した木(コーカスウッド)

ロウ付けは2つの部品の固定が難しく緊張したが、なんとか上手くいった。

B♭キーは少しだけセンターに寄るように腕を外側に曲げた。
タンポを入れ平バネを付けて連絡とクッション用のコルクも貼った。

連絡はコルクを貼りっぱなしの状態で、殆ど調整の必要がなかった。

指の移動も違和感なく行えたが、実際に曲を演奏する中で戸惑わずに吹くことができるかどうか、しばらくは慣れる必要がありそうだ。

齢68になって変更することではないような気もするが・・・
新たな挑戦は幾歳になっても新鮮で楽しいものだ。





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