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そのキリトリ線が私になっていく

私のnoteは恋人である彼のことで溢れかえっている。それらは私が彼をどれほど愛しているかの定規にもなる。けれどそれは、見方を変えてしまえば薄っぺらいものになってしまうのかもしれない。

私は彼のことが大好きだ。彼の家族が大好きだ。
私と同じような身長のくせにやっぱり骨格が違う彼の腕の中に身体を収めて、彼の固い胸に顔を押し当て彼の匂いを肺目一杯に吸い込む。そうするといつも彼は、ふふっと可愛らしく微笑む。
そのなんとも言いようのないような、きっとこれが幸せってことなんだろうと思わせてくれるような、あの時間が大好きだ。

きっと私の前世はわんこだったんだと思う。
愛が溢れれば骨ばった首筋をペロッとしたり、彼の柔らかなほっぺにキスを落としたり、彼の笑顔が見たくてくっついたり、極めつけは甘噛みだってしてしまうから、きっとわんこだったんだ。

そんな私だから、彼からの「待て」に相当する言葉や彼の行動に対して素直に動くのだ。

先々週は彼からの「待て」が多くて全く会えなかったけれど、先週は彼が「よし」と言ってくれたおかげで、沢山会えた。
その結果が元気さに現れたのは私だけじゃなかった。
彼もまたいつもの週末より断然笑顔が多かった。
( 週末は彼の実家でお泊まりなので、毎週末は会えるのです )

「なんでこんなに元気なのかわかる?」
と不意に彼が私に問うた。
私が首を振ると、私の大好きな笑顔を浮かべて
「今週君に沢山会えたからだよ。君の大きさを改めて強く感じた。」と手を握ってくれたのだ。
仕事で理不尽に扱われる彼は、週末になるといつも陰に包まれていて、わんこ( 私 )もしっぽや耳が垂れ下がってしまう。

仕事終わりに合流して「お疲れ様!」と彼に笑顔で抱きついた時、彼が声を漏らして涙を流したことがあった。
涙を流す彼はいつも静かで少しの間目元をゴシゴシしたあと私の腕の中でまた静かに泣いていたから、強くしがみつき声を漏らして泣きつく彼は初めてだった。
そんな彼に驚きながら「頑張ったね」と私もまた強く抱きしめ返した。

そんな週末が2回続いたあとの先週。
びっくりするくらい元気で、しかもそれが私の力が引き起こしたものだと知って、すごくすごく嬉しかった。
決して元気のない彼が嫌いだとか苦手だとかいうことではないし寧ろそういう時ほどそばに居たいと思うけれど、やっぱり2人で居るなら沢山一緒に笑っていたい。

先日私たちは5ヶ月を迎えた。
それを機に彼は私をInstagramのストーリーに載せてくれた。「解禁だ!」なんて私は大喜び。
それから彼は私のことをストーリーにあげてくれるようになった。私が作った夜ご飯の写真、お出かけ先で撮った写真を組み合わせたもの、私と彼の全身の写真。
彼のアイコンがオレンジから赤のグラデーションに縁どられるあの瞬間が好き。
ハイライトがどんどん増えて、画面の上側にあるキリトリ線が細かくなっていくのが好き。
普段ストーリーをあげない彼だから、余計に喜びが増していく。

私の想いの定規はこのnoteやしっぽにある。
けれど、彼の想いの定規はストーリーの頻度やアルバムの中にいる私の数だけじゃない。行動や言葉、仕草や声のトーン。写真や動画に残そうとしたって難しいようなところにも定規はある。
私も自分で気づいていないだけで、実際は残せないような場所にこそ定規はあるのかもしれない。

メイクが終わった私に「可愛いよ」と微笑む彼や、乱れ合いながら「可愛い」と囁く彼、「眠たぁい」とまだ夢の中の彼。

私はいつだって貴方に沢山笑顔が訪れるよう願っています。楽しい時も苦しい時も構わず呼んでね。どんな時も両手広げて駆けつけるよ。

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