今日のできごと
最寄駅に行くまで、バスを利用している。
今朝も普段通りバスから降りて駅に向かう途中、
歩きながら何気なく目をやったバス停に並ぶ列で、
中年と思われる男性の体がゆっくりと傾いていくのが分かる
ほんの数秒の出来事なのに
何故か鮮明に覚えていて
顔から地面にぶつかり
銀縁の眼鏡が目立って目に入る
大丈夫ですかと投げかける男性
目の前に停車していたバスの運転手はそれを認識しながらとりあえず乗車扉を開ける
倒れた男性のうめき声
顔から血がしたたり落ちる
数メートル離れた場所での出来事に、
手が震え、身体に緊張が走ったのが分かる
途中に交番があるのを思い出して、伝えるのがやっと
すぐに向かう様子を確認したので駅に向かった
動揺している自分がいて、その後どうなったのか
いつ何処で何が起こるか分からないのだと
平穏な日常が当たり前ではないことを改めて思い知る
あの中年男性は会社に向かう途中であったであろう服装で
家族も会社もあるだろうに、
今日は悲しい夜に包まれているかもしれない
会ったことも話したこともない相手を心配して
身内に置き換えて考えている
無事を祈り、明日もバス停に目をやるのだろう
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