Switch 「Return of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)」
Return of the Obra Dinn
© 2019, 3909 LLC.
(上記リンクはMy Nintendo Store の紹介ページにジャンプします)
推理アドベンチャーゲーム。物語はは1802年のイギリスではじまります。ですが、ゲーム中は船の中をウロウロしています。ので、ゲームの舞台は船上です。
その船は200トン以上もの交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」。まさにゲームタイトルになっているこの船は、ロンドンを出発して以降、予定していた地点へ到着することなく行方知らずになっていました。
その船が帰還を果たしたのです。1807年のことでした。
しかし船は無人でした。
プレイヤーは保険調査員としてこの船の調査をすることになります。
その目的は損害査定。この船を直接調べて、何が起こったのかを調べて、どのようなことが起こったのかを推測し、調書を完成させましょう。
Steamで販売された後、Switchでも遊べるようになったようです。
私はSwitch版をプレイしました。
静かな波の音。木製の床を踏む足音。たまに軋む音をたてて、船はわずかに揺れています。
そんななか、プレイヤーは一人で船内の調査を進めます。
無人で帰ってきた以上、この船で何かがあったことは間違いない。そう思いながら、最初はドキドキと不安と恐怖をミックスした気持ちで進みました。
そして発見する……白骨化したそれを……。
プレイヤーには調査のために持たされているものが三つあります。
一つめは「船に関する資料」。二つめは「プレイヤーが書き込む手記」。最後に「謎の懐中時計」。
船に関する資料
船に乗っていた人たちの名前、役職、出身国の一覧や、乗船していた画家が描いて残した船の様子など。
たとえばなんらかの役職に就いている人は特徴的な帽子や道具、衣類を着ています。
たとえば出身国の特徴を身に着けていることがあります
たとえばご夫婦ならばお名前を見れば分かることがあります。
プレイヤーが書き込む手記
かなり親切なシステムで、プレイヤーの推理をサポートしてくれる手記です。
ここにどんな人が、どんな名前で、オブラ・ディン号でなにがあったのかを書き込みます。
正解していたとしても、3人以上の人物が正解していないと「確定」されません。「確定させること=正解すること」です。この確定した人数でエンディングが変わります。
謎の懐中時計
この懐中時計こそ、このゲームのキモです。
船を歩き回るなどして「お亡くなりになった方」を見つけたとき、懐中時計が反応します。
この懐中時計は不思議なことに、その「お亡くなりになった方」が迎えた『その瞬間の空間』と『その直前の数秒間の音』をプレイヤーに提供します。
プレイヤーは『その瞬間の空間』を歩き回り、『その直前の数秒間の音』を聞くことで「お亡くなりになった方」と「なんらかの事情で船からいなくなった方」の正体を推理します。
船にいた人たちに起こった出来事を知ることが、「お亡くなりになった方」への供養になります。
3Dではあるのですが、視界はすべて白黒。なんとなく色の想定が出来る程度の白黒です。
ゲーム内で見つかる「お亡くなりになった方」の中には、大変な目に遭ってしまった方もおります。しかし白黒であるがゆえにその暴力性は多少抑えられているように見えます。
しかし逆に不明瞭なところが不気味さを醸し出しているようにも感じられました。
手記があるにはあるんですが、自分でもメモを取ったりスマホという文明の利器を使って撮影して特徴を見比べたりなどする方が良いかと思います。
出来れば攻略サイトとか見ないで、自力で頑張ってほしい!
その真相に私は言葉を失くしました。
どのような気持ちで船に乗り、どのような予定を控えていたのか。運命が狂ってしまったとき。何も知らないままに取った行動の結果。いつも一緒に過ごしていたであろう、仲の良さそうな乗組員さん達の結末。
欲を張った人。信念を貫いた人。情報に踊らされた人。勇敢だった人。臆病だった人。
困った点としましては、外国の知識があった方が有利に進められるという事。
それは本当に些細なことではあるのですが、知らない故に私は詰みました。ので、攻略サイトの中でもネタバレ控えめのヒントページを提供してくださっているwebサイトを参照してクリアしました。
考えて、考え抜いたところがカチッとハマったときのスッキリ感。
それぞれの人物の迎えた結末、船がそれでも無傷で(少なくとも「帰還」はしている)戻ってきた理由、人々の抱いた想いに胸を打たれます。映画を見た気分。
謎解きや推理アドベンチャーの難点は、一度クリアしてしまうとRPGのように周回プレイが出来ない事ですね。
答え知ってるから……!
間を置いてまたプレイしたいタイトルです。
硬派で少し難しいくらいの推理ゲームを遊びたい方にオススメしたい!
Steamがあって、PCが条件を満たしていればPCでも遊べるのでご自身の環境に合ったスタイルでどうぞ。
カバー写真:pixabay
撮影者:ProjectSmith
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