Prolog

「クロエさーん!」
カトリーヌの声がする。
ここはお菓子屋『Suicreries de Lapin』通称『しゅくらぱ』である。
私クロエは、サークル時代の後輩3人を巻き込んで経営している店長だ。

「クロエさん、お菓子見に行く予定でしたよね?」
そういえばそうだった。
「アドちゃんとエメちゃんも待ってますよ。」
エメリーヌ、アドリーヌ、カトリーヌ、この3人が私後輩だ。

「おまたせ。」
「クロエさんから言ったんじゃないですか。まあ、いつもの事なので慣れましたけど。できたお菓子の最後のトッピング、どうすればきらきらしたものになるか学びますから。」
「ぼくもどういう食器がお菓子を映えさせられるか、色々見たいですね。」
「私は本だけでは得られない美味しい味のきっかけをつかみにいきたいですね。」
食器選びはアドリーヌとマリィ ーマリィついては後で説明するわー 味の基本を押さえているのは私とカトちゃん、最後のトッピングに長けているのはエメちゃんとみんなのいい所を組み合わせて作っている。

「みんな大人しくしていてね。いってきます。」
私たちはドールに挨拶をする。
先程のマリィの話に繋がるのだが、私のドールには魂が宿っている。

これは、昼間は人間を被ったお菓子屋として、夜は魔法兎の集会所として生業を立てている4人のシェフと6体のドールの日常を切り取ったお話になる。

それでは開演の時間だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?