見出し画像

【ネタばれ】新作歌舞伎 刀剣乱舞「月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)」感想


豪快に、ネタバレしますよー。


写真は個人蔵の髭切(写真Ok展示)



--


刀剣乱舞くん、ヅカに続き歌舞伎になっちゃった。


歌舞伎ならではの解釈や表現で、どう見せてくれるか楽しみしかない。

審神者狙い演目なら「初心者いらしゃい」だから不安なし。



主役「三日月宗近」


うんうん、とうらぶだもの。

初演目なら主役は三日月おじいちゃん以外ないよね。



演目内容は…「永禄の変」


oh……God…



刀ステで審神者の情緒を粉砕した「永禄の変」

本家のゲームでも大侵寇で審神者の心をみじん切りにした「室町幕府・足利家」


足利将軍家になにがあるのさ。

金閣寺がいけないの!?(関係ないです)



歌舞伎でも…歌舞伎でも三日月に業を背負わせるの?

なに?三日月、ニトロプラスの社屋でも燃やして恨みかっているの???(違います)



そこはかとなく、どんよりした気持ちで配信で観劇スタート。


現地観劇だと遠くて見ない着物をじっくり見るわよ。

(わたくし着物を着るので、歌舞伎の衣装に興味津々)



物語への案内役に概念としての「こんのすけ」

着物の柄にこんのすけ額の模様を入れるとか、さては天才がいるな!?



歌舞伎本丸の主、重厚な声(中村獅童さん?)

男士たちに声をかけて出陣かと思ったら、鍛刀を始める。



そこからっ!?



今から6振を打つのか。

そうか、打つんだな。



と思ったら、神事が始まった。

資材と札を溶かしまくっている我々、審神者の鍛刀とは次元が違った。


相槌2人の着物の色がテレコだけど、わざわざそうするってことは意味があるの?

色にも意味がありそうやなぁ。


小鍛冶(小狐丸の話)入ってる?


囃子方さん「叢雲」って歌ってはるけど、天叢雲剣(草薙剣)のことだよね?

歌舞伎の演目にあるの?



知識が……知識が足りない…!(両膝をつく)



鍛刀が終わり、奈落からせり上がり口上を述べる6振でお腹いっぱい満足。


古典芸能の重みがこのシーンだけで詰まっている。

圧がすごい。



出演に1番驚いた同田貫正国の歌舞伎映えすごい。

石川五右衛門を感じる凄み。


小狐丸、あなた連獅子を舞えるでしょ?


小烏丸、まさかの女形。

馴染みすぎて違和感がない。



演者の本気しか感じない。


とうらぶ歌舞伎、すごく良かったよ!!!(まだ出陣していない)




お話は「足利家を恨みながら存続させたい異界の翁・嫗&時間遡行軍 vs 刀剣男士」

細かい内容は、本編をご覧ください(突然の丸投げ)



刀ステ・ミュのアンサンブルさん出演でアクロバティックな演出あり。

遡行軍さん、短刀ちゃんも出てくる。

三日月・膝丸・小烏丸・同田貫(!)の舞あり。


2役が忙しくて、ほとんど出てこない髭切・小狐丸にツッコミを入れる三日月が見れるのはどうらぶ歌舞伎だけ!



膝丸の足袋があの茶色で「そこに色を持ってきたかぁ」と唸っていたら、ラストでは兄弟でショートブーツ履いていてオシャレ!


源氏兄弟の見せ場のひとつ、片肌脱いだら襦袢に紋が入っている。

見えないところに手をかける、オシャレの真髄ですやん。


源氏兄弟の羽織の裏は見えなかったけど、裏勝りだったらどうしよう。



義輝公の顔つきがどんどん変わっていき、青の隈取りになったときは「歌舞伎!めっちゃ歌舞伎!!!(ペンライト全力振り)」


いや。見ているの歌舞伎だから当たり前なんだけど、歌舞伎素人がテンションの上がるポイントとかこんなもんよ。



そして隈取りから素面への早変わり!

超・歌舞伎!!!!!



足利義輝公が畳に日本刀をズラっと刺して敵をバッタバッタと切り捨てから、三日月との一騎打ちが最大の見せ場。



義輝公が最後に手にした刀が「三日月宗近」とか、史実と異なる地獄を放り込んでくるかと警戒していたら歌舞伎くん、そんなことしなかった。

刀ステ・ミュの気軽に落とされる地獄に慣れすぎやな。



ただねぇ。

「大般若長光」に似ていたんだよねぇ(日本刀オタク)



一騎打ちのシーンで、三日月の感情が描かれていて「もしかして、これを演じたかったから歌舞伎にしたの?」



初めてじゃない?

三日月の感情って。


だとしたら、刀剣乱舞や三日月宗近に対する愛情が深すぎる。



歌舞伎なのにカーテンコールがある。

わかっている、オタクが何を求めているのかわかっている。


前説でこんのすけ(概念)が「カーテンコールは誰でも大向こうOK」って言っていて、玄人さんたちが不快にならない配慮もあり。

(女性は声を出してはいけない、大向こうは席に決まりがあるとかルールがあるのよ)



歌舞伎ならではの素晴らしい刀剣乱舞を作り上げた方々に、割れんばかりの拍手と声援を浴びまくってほしい。



緞帳が1度降りて、上がったら「撮影可能」のプラカードを持ったこんのすけ(概念)



サービスが行き届いてる。

そして、この写真をSNSにupされるということも理解している。


至れり尽くせり。


この舞台を見に来ている人たちが、心から楽しんで帰っていくことを望んでいる。

エンターテインメントのプロだなぁ。



カテコでワチャワチャしている源氏兄弟の可愛さが爆発してた。


関西での公演を、ぜひ!




おまけの野望。


よろしければサポートお願いします◝(⑅•ᴗ•⑅)◜