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【参考書レビュー】読んで深める日本史実力強化書

基本情報

書名:読んで深める日本史実力強化書
著者:塚原哲也
出版社:駿台文庫

ジャンル:参考書
ねらい:日本史の知識・理解を深める
対象:基礎知識レベルと入試レベルの橋渡しをしたい受験生(国公立・私立は問わない。)論述にも有効
前提レベル:読む部分について、授業等で事前に触れ、基礎知識や大まかな流れをおさえていること

強み

 説明の丁寧さです。正直、いま大学生となって教科書を読み直してみると、「なぜ?」と思ってしまうところの説明が省かれていたりします。論述問題を解いているときに「なぜか」つまずいてしまうのも、こういう点に起因していることが多いものです。これは、そうした穴を埋めてくれる参考書です。「教科書+α」というのが端的な表現でしょう。

 また本文には「文化」「政治」「国際関係」「沖縄」など分野ごとにタグづけがされており、読んでいる時に頭の整理がしやすくなる上、分野ごとに時代を追うことが可能となります。

注意点 

 説明が丁寧なため情報量が多く、終わらせるのに時間がかかります。そのため、読書のように読んでいたのでは最終的に身につくものは少なくなってしまいます。冒頭で先生が述べられているように音読をしたり、その他自分なりの工夫を考えたりして利用するといいでしょう。

使い方(あくまで一例) 

 「注意点」で述べたように、音読やその他自分なりの工夫をして、覚えられるように使いましょう。

いくつか提案します。
①教科書・授業ノートを脇に置きながら見る
新しい知識を得たら、既存の知識と結び付けて知識をアップグレードするというオーソドックスな手法です。時間はかかります。

②論述問題を解きながら/復習段階で適宜参照する
「日本史の論点」のレビューに以下のように書きましたが、基本同じです。時間がない人用です。

過去問演習を始める高3秋頃から使い始める場合、網羅的に一から読むのは、ほとんどの受験生にとっては大変だと思います(英数がある中、日本史の過去問演習に時間を割くこと自体大変なので)。演習の後、問題で触れたテーマやそれに隣接するテーマの論点を読んで少しづつ理解を深めていくしかないでしょう。
また過去問を解く際に参照するのはさらに効果的です。直前期はともかく、解答プロセスを身につける段階では、何も見ずに「何となく」答えてしまっては演習しているようでしていません。何かを参照してもいいので、「どの知識を使えばいいのか」「要求は何なのか」熟考しましょう。(「過去問を解く際に」の部分は塚原先生ご本人からアドバイスをいただきました。ありがとうございます!)

そのほかにも、自分にあった使い方を見つけてみてください。もちろん、本当にそれで定着しているのかの確認も忘れずに。

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