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【Twitter連携企画】クイズ★進振りケース(サンプル)

 オンライン授業が始まって早1ヶ月。新しい生活様式での「大学生活」に慣れてきた人も多いのではないだろうか。しかし一方で、定期試験や成績評価、そして特に、進学選択、いわゆる「進振り」には不安を抱えているだろう。コロナ禍の影響を完全に取り除くことはできないが、我々にできるのは進学条件を今一度確認し、問題なく志望学部・学科に進む準備をすることだ。
 UT-BASE公式Twitter( https://twitter.com/UtBase )で行われている、進振りのあれこれを具体的な例を用いて理解する「クイズ 進振りケース」。今回はサンプル問題なのでやや簡易的な説明と解説になるが、本編はよりボリューミーな内容になる。なお、「進振りケース」は事例を用いるので科類ごとの違いが生じるが、問題の根本は全科類に共通することが多いので、自分の科類の問題ではなくても解いてみてほしい。なお、断りのない限り、既習外国語(英語)と初習外国語を選択した非TLP生を想定しているので、これに該当しない人は適宜、『履修の手引き』を見て確認してほしい。

知識の確認


 問題の解答解説の前に、基本点計算に必要な考え方を伝授する。紙面の都合上、説明が不十分になるが許してほしい。本編では満足の行く説明を得られるだろう。

■重率
 重率(じゅうりつ)とは基本平均点を計算における、科目の重要度を表す数値である。重率が1ならその科目の重要度は普通、1未満なら重要度低め、1より大きければ重要度高めということになり、その重要度によって基本平均点への影響力が変化する。したがって、もし点数が低くて基本平均点を下げてしまうような科目の重率が0.1であれば、基本平均点の下げ幅は重率1のときと比べてかなり抑えられることになる。重率が基本平均点のカギを握るし、「追い出し」をめぐって様々な問題を引き起こす。

■基本平均点と「系別の単位取得条件」
 基本平均点とは、進振りの当落の判断に使われる点数で、自分が履修した(・単位を取得した)科目の点数と重率、単位数をかけ合わせた総和を、(単位数×重率)の総和で割って求める加重平均である。
 基本平均点の算出に用いる科目には様々な条件が付されており、その条件と算出される科目の対象、重率が『履修の手引き』p.55に記載されている。ここにある「系別の単位取得条件」とは、『履修の手引き』p.9に記載されている「〇系列以上にわたり×(単位)」のことである。したがって、基本平均点の算出では、全科目を単純に重率1で計算するのではなく、総合A~C系列(理系は総合A〜D系列)といったくくりを維持しつつ計算される。

■成績の処理
 基本平均点の計算に当たって、算出に用いる科目は、先ほど説明した各種条件の枠内で、成績の高い順に自動的に処理される。履修した順番で処理されるわけではないので安心してほしい。成績順で処理する時、先に説明した条件との衝突が起こるケースがあるが、それは後日、本編で説明する。首を長くして(筋肉を傷めない程度に)待っていてほしい。
 また、自分で基本平均点を計算しようとするときは、以下の手順で行おう。
①科目区分ごとに、条件を加味しつつ、どの科目が重率1で計算されるのかを確定する
②残りの科目について、どれが重率0.1で計算されるのかを確定する
(※ここでいう科目区分とは、「基礎科目既習外国語」であったり、「総合科目L系列」であったり、「総合科目E・F系列」であったり、といった区分けを指す。)

問題の解説

では、問題の解説に入ろう。サンプル問題なので親切な出題にした。解説全体から、本問には様々な論点が潜んでいることに気づくだろう。では、問題の復習から入ろう。

【問題】

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【選択肢】
① 100.00点 ② 93.75点 ③ 60.00点 ④ 37.50点

【解答】

【問題の解説】
 前に見た「知識の確認」で学んだことを思い出して、基本平均点を算出しよう。最初にやることは、履修した科目(単位を取得し損ねたものも含む)を、科目区分ごとに条件に沿って成績順に並べることだ。幸い、画像の成績表は、科目区分ごとの成績順で並んでいる。

 次に、どの科目が重率1になるかを確定しよう。画像の<算入科目と重率>によると、1)が重率が1になる科目の定めだとわかる。曰く、
「系別の単位取得条件を含め成績上位6単位」
すなわち、
「『総合A~C系列で、2系列以上にわたり6単位以上』の条件を満たす成績上位6単位」
が重率1だと言っている。成績表を見ると、100点の科目がいずれもこれに該当していることが分かる。
TIPS: もし、取得した単位数が、条件の6単位に満たなかったらどうなるだろうか?
→本編で問題として出題します!それまでに予習しておこう。

 今度は、どの科目が重率0.1になるのか、あるいは基本平均点に算入されないのかを確定しよう。同じように<算入科目と重率>の2)を見ると、
「上記以外で2S2ターム・2Sセメスターまでに履修科目登録した総合科目 (重率0.1)」
とあるのが分かる。

 ここで重要なのが、「履修科目登録した」という表現。UT BASE君は「教育臨床心理学」と「脳認知科学」で不合格となり単位を取得していない(「落単」している)。UT BASE君
からすると、これらの科目を基本平均点に算入するのは基本平均点が下がることになり、非常に不都合である。しかし、現実はそう甘くない。もし、算入の対象科目が単位を取得した科目に限定されるならば、『履修の手引き』には「単位を取得した」と書かれているはずである。実際は「履修科目登録をした」と書かれているので、これは「落単」した科目も含まれるということだ。したがって0点のこれらの科目は重率0.1で基本平均点に算入される。

 以上をまとめると、次のような画像になる。

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 したがって、<文科一類の総合科目の加重平均の算出式>にこの結果を代入すると、 93.75点という数字が基本平均点として導き出される。100点から6.25点も下がってしまった。このように、「追い出し」をしても悪い成績は残って足を引っ張るので要注意だ。

 なお、各選択肢に用いた計算方法は次の通りであった。
① 100.00点 …落単した科目を計算に含めず、100点の科目だけで計算
② 93.75点 …正しい計算方法
③ 60.00点 …全科目の重率を1として計算
④ 37.50点 …成績順ではなく取得日順で、2Sの2科目を重率0.1として計算
(終)

 以上のことは基本的にほぼ全て『履修の手引き』に掲載されている。万が一履修条件の抜け漏れがあった場合は、すぐに手引きを参照しよう。特殊な成績計算方法を採用している学部・学科もあるため、各位志望に合わせてチェックしてほしい。
 また、進振りに関する詳細な情報を掲載しているUTaisaku-Webや成績を入力すると自動で基本平均点を計算してくれるUTESなどのサイトを活用するのも有効だろう。
もちろん、UT-BASEでも進振りに関する耳より情報をご提供していく予定なので、参考にしていただければ幸いである。クイズ本編は6月1日からスタート予定。お楽しみに!

補充問題

 科類ごとの違いを補ったり、足りない部分を補填したりするために補充問題が解説上で出題されることがあります。したがって、問題が自分の科類とは違っても、少なくとも解説は一通り見ておくことをおすすめします。

【CASE00 補充】
上記の問題が、総合科目ではなく基礎科目の「人文科学」であった場合はどうか。
① 落単した科目を計算に含めず、100点の科目だけで計算
② 落単したものは全て重率0.1で計算。
③ 全科目の重率を1として計算
④ 成績順ではなく取得日順で、遅く取得した科目を重率0.1として計算

【解答解説】
『履修の手引き』p.55の該当箇所をみると基礎科目の落単は基本平均点の計算に含めないことが分かります。したがって、答えは①です。実は、後日これと同じような問題が出題されるので、解説をかなりあっさりさせています。
以上、サンプル問題の解説でした!

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