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偶像と青春と、

勝手に期待して

勝手に夢を重ね

勝手に絶望して

それでもまた夢をのせてきたのは、

いつのまにか

知らず知らずのうち

その偶像に

惹かれていたからだろう。

私の青春は

全部ここに置いてきた。




不意に自宅のテレビから流れる映像を見て、
初めてちゃんと意識したあの日。

友人の鼻歌で点と点が線になり、
「知りたい」と思う気持ちが膨らんだあの日。

振り返れば、立派な青春。



「知りたい」と思えば思うほど、
「知りたくない」ことも見えてきて。

胸は痛み、恥も知り。

やがて時は過ぎ、

情熱は平熱へと落ち着いた。

凪の日々が増えたことに寂しさも抱いた。

この寂しさは私だけのものではなくて、
誰にでも訪れるものなのではないか。

そんな疑問を抱きながら、
ただひとり、春を迎える。




2016.11.4

真ん中に立つ人に目を奪われて。





あれから8年が経とうとしている。






夢中になることばかりで、
踏み込みすぎてしまったこともあったろう。
それでもやっぱり、楽しくて。
これしか無くて。

きっと何歳になっても、
この時間は光り輝き続けるのだろう。

私の青春の1ページに、偶像は生きているから。
大丈夫。これからも、ずっと。
その姿は実像と大差ないはず。






青春にピリオドを。
私は桃源郷を発つ。






いつかまた、同じ夢を見られたら。
その時には、夢の続きを始めよう。




偶像も青春も桃源郷も、戻れない場所ではない。




2024.2.17