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10 Essentials 外山合宿に欠かせない10のもの



10代後半~20代前半の若者達が、長期休暇に一つ屋根の下に集まり紫煙に満ち満ちた部屋で左翼史について学ぶ合宿……

 こんなまるでゴダールによる1967年の映画、「中国女」みたいな空間が21世紀の日本に存在する。それが外山恒一氏による教養強化合宿である。

 このnoteを観ているようなイシキの高い諸君には外山さんの経歴についてわざわざ記す必要もないだろう。当記事では、私が合宿に行く前に他の体験記を読んでも分らなかった実際の合宿での生活についての疑問や注意点などを書いていく。尚、目次を観たら分るように10 Essentialsと題したが項目が10もない。GQというメディアがYouTubeで展開している同名のインタビュー動画シリーズにあやかったものである。私のおすすめはラッパーのアナーキーと俳優でヒップホップクルーKANDYTOWNの元メンバーである上杉柊平(holly Q)のものである。是非観て欲しい。この記事のサムネイルもそのシリーズのものを踏襲している。

簡単な自己紹介

 まず、私の簡単な自己紹介も兼ねた合宿に参加する経緯について話していく。興味がなければ飛ばしても残りの記事を読むにあたって特に問題はない。
 私は普段は日本の首都たる名古屋052BigCityの大学生であり、世界史替え歌投稿者としてyoutubeにてソ連史やロシア史を題材の中心とした動画を投稿している。世界史替え歌とは、その名の通りボカロ等の楽曲を用いて世界史に絡めた替え歌を作りUTAUやボーカロイドで歌わせた動画である。その市場はそこそこ大きく界隈のトップを行く者の動画は100万回再生を越える作品も多い。

 もともと単なる歴史好きだった私だが、高校三年の受験期に友人の勧めで観たYouTuberのふってぃの動画によって共産趣味、ソ連というコンテンツを知り、それに取り憑かれてしまう。それ以来、共産史やソ連史についての本を読むことに多くの時間を費やすようになり、2022年からはYouTubeの投稿を始め、受験期の私を狂わせた原因たるふってぃの共産系の撮影に参加しながら独学でソ連史や共産主義に対する知見を広めつつ現在に至る。

こちらは我が活動の原点であり、今は友人であるふってぃの動画で私が音声やサムネイルなど一部制作に関わったものである。150万回再生も目前で(2024年1月20日現在)コメント欄では日中交流(?)がとても盛んだ。

 こういった活動の過程で教養強化合宿の存在を知り、大学1年の頃に映画館で観た「三島由紀夫VS東大全共闘」で68年の諸運動にも興味を持っていたことも相まってクリスマスイブから正月に至って開催される「 非モテと親不孝者しか結集しえないと囁かれる」32期教養強化合宿に参加することになった。ちなみに私の参加した32期の募集要項はこちらである。

合宿について

1.日用品は基本的にそろっている

 まず、日用品だが、基本的には用意する必要はない。歯磨き粉、風呂でのバスタオルやシャンプー等は備え付けのものがあるので、とくに拘らない場合は用意しなくても良い。(流石に歯ブラシは自前のモノを持って行くべきである。)またコンセントもあるので充電器さえあればモバイルバッテリーなどは必要ない。無論Wi-Fiも用意されている。スマホとPCと繫いで利用したが特に障りなく快適に利用できた。

2.意外に金がかかる

 応募要項にあるとおり、食事等は用意されているので基本的には交通費のみで問題ない。だが、10人以上の学生全員が満足するほどのバリエーションが用意されてるわけではないので、主に酒類や飲み物、菓子等(あとタバコ)を各々で買ったりしていた。2週間コンビニで定期的に買い食いするとなればそれなりの出費になる。まあ、食べ物がないわけじゃないので買わなくてもいいのだが、合宿ともなると色々食べたり飲んだりしたくなるものである。私もほぼ毎日、酷いときには1日に2、3回コンビニやスーパーに行った。基本的においてあったお酒が缶ビールと焼酎が多かったのでそれらが飲めない人がワインやらチューハイやらを買ってた印象である。

3.嫌煙家の諸君へ

 肺炎を患っていたり、副流煙が体質的にだめな人たちには正直この合宿は勧めれない。外山さんによる応募要項にも書いてあるとおり、この合宿は喫煙可能で講義中も部屋の中でばかすか吸っている。トイレに立った後、講義部屋に戻ると、部屋に入った瞬間その煙たさと匂いに圧倒される。窓を開けていても大して状況は変わらぬ。無論、服も臭くなる。本も、ペンも。合宿に持って行ったシャーペンのグリップはあれから2週間経った今もあの部屋に充満していた空気を想起させる匂いを放つ。匂いが気になる人はファブリーズ必須である。(ちなみにファブリーズも一応用意されている。)
 
 他の合宿の様子は分らないが、私が参加した第32期は、既に喫煙者だった者が初日から非喫煙者をオルグして周り、数日経たぬうちに参加者14人中11人が喫煙者になって講義中や講義終わりの雑談中にせっせとライターに火を灯す状態になった。

合宿の様子。この写真ではほとんどの人間が煙草を吸ってる。
これは本当に令和の日本の光景なのだろうか

4.服装について

 気取らなくて良い。理由は2つほどある。まず第一に汚れるからである。前述の通り煙草の匂いがつく。風呂に毎日入れるとは限らない。いや、物理的には入浴可能なんだが雑談が弾んだり単に面倒くさかったりで入らない人も多い。
 第二にそもそも外に出ないからである。合宿中は一日中みっちりカリキュラムが組まれているため買い出し程度にしか外出はない。(もっとも、32期合宿は例外的に一日程度の休講日が設けられており、各々が外出していた。私は数人の同期と人生初のシーシャに行った。また行きたい。)一日中同期以外に会うわけでもなく、10日も同じ屋根の下で暮らす同期相手に今更着飾る必要もない。動きやすい服装に限るのである。そもそも何着もの服を九州まで持って行くのも大変である。お洒落など気にせず機能性を重視し数日洗わなくても着回せるのを選ぶのが良い。

 個人的には2着、多く荷物に余裕があるなら3着持って行けば十分だと思う。下着は少し多くても良いかも知れない。また、冬の合宿は防寒具をちゃんと持って行くべきである。服の数は少なくても問題ないが防寒を怠ると一気にQOLが下がる。

5.モノの管理は徹底すべし

 私物の管理は徹底した方が良い。特に充電コードや肌着などはなくなりやすい。32期は冬だったこともあり洗濯済みの籠の中に似たような黒のヒートテックがあふれかえっていた。また、コンビニで買ったペットボトルのお茶等も自分のものが何処に行ったか分らなくなったり他の人に飲まれたりしがちである。自分の持ち込んだものには名前を書くなりしてなくならないように気をつけるべきである。

 非喫煙者には無関係であろうがライターも貸し借りしているうちにすぐなくなる。私も元々持ってたものや買い足したもの合わせて4つくらいライターを持っていた気がするが1つを除いて全部なくして帰った。約500円の赤字也。

6.尻を守れ

 講義中は一日座ってテクストを読んだり、話を聞いたりする。長時間机に向かいっぱなしになるため腰や背中、足を痛めたりする。そのため腰を守るためにクッションや座布団、キャンプで使うようなイスを用意するとよい。クッションはいくつか前任者のおいていったものがあるかもしれないが、全員分おいてあるわけでもないので安物でも良いから買っていくと良い。また、スリッパもあるとよい。学生が集まって酒盛りをしたり煙草を飲んだり騒いだりするわけで常になんか絶妙にほこりっぽい。スリッパが一つあるだけで快適に過ごせるだろう。

7.本はいらん(not反知性主義)

 合宿に参加したいと思い立つような諸君は、同世代の他のものに比べて勉強熱心なものも多く、何処に行くにも本を数冊携帯することも多いだろう。外山さんの家は至る所に本棚があり様々な本が備え付けてある。自分の本をわざわざ持って行かなくてもそこの本で時間を潰せる。珍しい本も多く選り取り見取り、背表紙を観るだけでも大変楽しめる。またシンプルに自分の本をなくす可能性もあるから行き帰りはまだしも現地で暇なときに読む本は要らなかろう。講義を受けるにつれて、家にある本で読みたいものがきっと見つかるはずである。

最後に

 以上が主な合宿の注意事項である。畢竟、普通に生活するために最低限必要なモノは、

  • 講義に必要な文房具類(筆記用具、ノート、ルーズリーフ等)

  • 着替え数着(個人的に2で良い。荷物を多く持って行けるなら3着)

  • 歯ブラシ

  • スマホ

  • 充電器

  • クッション

  • 煙草(HOPEだと尚良い)

くらいだろう。

 これらを知っておけば基本的に合宿での生活で困ることはない。尚、あくまで私自身の感想にすぎないので、必ずしもこの記事の通りにする必要はない。参考にするかどうかは個人の判断に任せる。合宿の実際の様子や雰囲気についてのいわゆる「体験記」については、気が向いたら書くかも知れないが、過去の参加者らの記事に任せようと思う。

もし、この記事を読んでもまだ疑問点があった場合、この記事を宣伝するツイートのリプライやTwitterのDMなどに書かれたし。質問が多かったら一問一答的な記事を作るかも知れないし、少なくても返せるものは返していこうと思う。尚、twitterのDMは返信が遅い可能性があるので全然返信しなかったら申し訳ない。

最後にもし良かったらyoutubeのチャンネル登録とtwitterのフォローお願いします。長期間動画出してないけどそろそろ作る予定です。

著者近影(外山さんとのツーショ)

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