ワークショップデザイン以外の「技」を、どのように学んできたのか

8月が終わり9月になったと思ったら、あっというまに10月になろうとしている。長らく職を辞していたパートナーの再就職が決まり、子どもたちが保育園に通い始め、さっそく風邪をもらい、今週はずっと家にいた。子どもを見ながらのミーティングはなかなかハードである。

熱を出して涙目になった娘が、コンコンと咳をしながら目を閉じて眠るのを見守ったら、先に熱を出して回復しつつある息子がぼくのうえに乗ってきて「ソラソーメンうたって!」という。「そらそらそーめん」という歌があって、「おかあさんといっしょ」に出てくるソーメンの歌で、夏に冷やっこいつゆを浴びたあと、冬はあったかいつゆに浸かって煮麺になる。

22時近く子どもたちが寝付いたことを確認してから、どうにか這い上がって起きてきて、ぼーっとしながらちょっとだけドラクエ3をやって、今キーボードを叩いてこの文章を描いている。

ドラクエ3は、「転職」というコンセプトを取り入れたことが特徴だ。1988年製のゲームだが、ワールドを探索するプロセスが非常によくできていて今やっても楽しい。

経験値とお金を貯める。レベルを上げて強い武器と防具を買う。探索するエリアを広げ、プロジェクトをクリアしていく…。基本的なRPGだが、「転職」のシステムがやはり魅力的だ。

パーティは「勇者、戦士、僧侶、魔法使い」という組み合わせでバランスをとりながら、成長してくるにつれて「僧侶」を「盗賊」や「商人」といった戦闘に役立ちにくい職に転職させる。「盗賊」はそのスキルによって特定のレアアイテムを見つけることができるし、「商人」はお金を稼ぐのに役立つ。

そうすることで、基本の4人パーティに加えて、待機する仲間のバリエーションが増え、探索の目的に合わせてさまざまなパーティを組むことができる。こうしてドラクエ3の世界をたっぷり堪能することができる。

この能力とパーティーの拡張プロセスは、現代のキャリア形成イメージと重なるものがある。というわけで、今日は、ワークショップデザイナーの職能を拡張するプロセスを「技」という観点から書いてみる。

以前書いた記事も再掲しておく。

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