物語は人の生をゆさぶり、一縷の可笑しみは人を救う
ある日の朝、子どもたちを幼稚園と保育園に連れて行ったあと、妻は仕事の予定が1時間遅く、ぼくはとくにミーティングのない朝の時間があった。せっかくだからとスタバにいって、ホットコーヒーとカフェラテを頼んで外のテラス席についた。
子どもたちの最近の変化を軽く話した後、今泉力哉監督の映画の話になった。最近、妻と今泉力哉監督の『街の上で』をお互いに観て、とてもよかったよねという話をよくしている。映画を観るときは、別々の時間に、おたがいに細切れに、子育てや家事の合間を縫って観る。ただそれでも「あの映画よかったよ」とお薦めしあうのが日課になっている。
「『愛がなんだ』も観た?」と妻が聞く。「観たよ」とぼくは答える。『愛がなんだ』の話になる。
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