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連載:都市空間生態学から見る、街づくりのこれから

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2015〜2020年にかけてNTT都市開発・東京大学Design Think Tank(DTT)・新建築社の3者で行われた共同研究「都市空間生態学」の紹介と、それに紐づく「いま考…
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#豊島区

〈ブラブラ〉が育まれるまち_東池袋エリアから考える(後編:暮らしのプラスαとしてのブラブラ)|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.10

前回に引き続き、旧日出町界隈を含む、豊島区池袋エリアでコミュニティづくりに携わってこられた中島明氏(としま会議 代表、RYOZAN PARK インキュベーションマネージャー)のヒアリングをお届けする。 前編では、社会実験を行った2018~2019年当時から現在までの4年間、交通のモードの変化や子どもの遊び場の増加など、社会実験でも変化が求められていることが明らかであった要素が、ここに来て次々と実現しつつある状況をお伺いできた。そこには、南池袋公園にはじまり、豊島区が力を入れ

〈ブラブラ〉が育まれるまち_東池袋エリアから考える(前編:住み暮らすことが育むまち)|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.9

文:木内俊克 〈ブラブラ〉が育まれるまち。それは自転車や歩きでめぐりたくなるきっかけがそこかしこにあって、偶然見かけてついつい寄り道したくなるような場所が、宝探しのように点在しているまち。前回、前々回の記事では、そんなまちの魅力を具体的に捉えるため、都市空間生態学研究で2016~2017年に研究対象とした台東区の三筋・小島・鳥越(以下、三小鳥)を紹介した。この三小鳥、用途地域は「商業地域」で、かつては江戸随一の遊興地・浅草に隣接し、昭和期には町工場とその労働者の空腹を満たす