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連載:都市空間生態学から見る、街づくりのこれから

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2015〜2020年にかけてNTT都市開発・東京大学Design Think Tank(DTT)・新建築社の3者で行われた共同研究「都市空間生態学」の紹介と、それに紐づく「いま考…
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2023年4月の記事一覧

〈ブラブラ〉が育まれるまち_「三小鳥」から考える(後編:まちの活性化を、点から線で考える)|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.8

前回の記事に引き続き、三小鳥(三島・小島・鳥越)のおかず横丁で焼豚屋を営む遠藤剛氏(株式会社遠藤商店)のヒアリングをお届けする。 前編では、われわれが三小鳥で2回目の社会実験を実施した2017年以降でまちに見られた変化、特にコロナ禍によってまちの人々の視線が外から地元へ再び向けられ、アクションを起こす機運が高まりつつありことや、高齢化とマンション建設によってまちの変化が加速しているが、若い方々の流入でまちに新しい風が吹きつつあることなどが触れられた。 後編である今回は、三

〈ブラブラ〉が育まれるまち_「三小鳥」から考える(前編:コロナ禍が地元を見直すきっかけに)|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.7

文:木内俊克 前回の記事では、生活者にとってまちの経験が豊かであるということは、まちをブラブラする楽しさがあるということではないかと書いた。 そして一歩踏み込んで、〈ブラブラ〉とは回遊であり、予定された目的の外側にある、偶然やまだ知らない何かとの出会いをもたらしてくれる寄り道や予定変更である、という要点にも触れた。 つまり、そんな回遊のきっかけがそこかしこにあり、予期していない影響を受けられる場所は豊かだと。では寄り道や予定変更といった回遊のきっかけがそこかしこにあるまち