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連載:地域のイノベーター見聞録

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街づくりは、仕掛けるのも、盛り上げるのも、実行し続けるのも、やっぱり「ひと」。 「地域のイノベーター見聞録」は、さまざまな地域で、新たな活気を与え、街づくりにつながるチャレンジを…
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#都市

「飲食」がもたらす体験の強さ──浅草橋で昆虫食を提供する「ANTCICADA」|地域のイノベーター見聞録 vol.7

取材:齊藤達郎・今中啓太(NTTアーバンソリューションズ総合研究所)、小野寺諒朔、福田晃司 文:福田晃司 写真:八木元春(料理写真は福田晃司) 人口増加による食糧危機などを背景として「昆虫食」が徐々に注目を集めています。その端緒は、国際連合食糧農業機関 (FAO)が2013年に発表した昆虫食の食料活用における将来性に関する報告書。実は栄養価が高い昆虫は私たちの栄養摂取源として有望とのことです。今では、無印良品でも昆虫を使った製品が販売されています。 一方で、昆虫と言えば、

廃校の跡地、有効な活用って?「金沢市の人づくりの施設」を探る。|地域のイノベーター見聞録 vol.4

取材・文:齊藤達郎/今中啓太(地域想合研究室) 近年、少子化の流れを受け小中学校の統廃合が増加し、その跡地を中山間地域では宿泊施設として、都市部では官民共働型のスタートアップ支援施設として利活用するなどの話題を目にするようになった。 文部科学省によると、平成14(2002)年度から令和2(2020)年度までに廃校となった公立の小・中・高等学校等は約8,500校あり、そのうちの約7,400校は施設が現存している。これら現存している施設の約74%が社会体育施設(プール、体育館

パンと幸福と人とまち。「無人駅にできたパン屋さん」|地域のイノベーター見聞録 vol.3

取材・文:齊藤達郎/今中啓太(地域想合研究室) 各新幹線の延伸やリニア中央新幹線の新設といった高速鉄道網の整備により都市間時間距離が短縮され大都市居住者やワーカーの利便性は向上している。昨今こうしたことに関する話題は事欠かない。 その一方で、人口減少の激しい地方在来線の廃線や他モビリティによる代替、駅の無人化も少しずつ進み利便性もさることながら安全性の問題も指摘されている。 そのような中、JR西日本が2021年10月に完全無人化した駅を、にぎわい創出の拠点に再整備するとい