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世界カワウソの日 その2 コツメカワウソを飼育する動物園水族館が多いわけ

カワウソ、といえばコツメカワウソを思い浮かべる人が多いのでは?と思います。
日本動物園水族館協会(JAZA)加盟でも50園館近くは飼育しているような気がしますが、厳密に数えたことはありません😅
なぜこれほど飼育園館が増えたのか、調べてきた事をまとめておこうと思います。

1.余ってるから
コツメカワウソは絶滅危惧種です。そして2019年11月からワシントン条約附属書Ⅰになり、国際的な商業取引が原則禁止になりました。
ですが、国内の繁殖は順調に行われてきており、なんなら順調すぎて血統に偏りがあるので、生まれてきても一部の個体しか繁殖個体とみなされません💦なので余剰個体は繁殖前提としない展示もあります。
残酷すぎる現実🥲

2.ニホンカワウソと同じ「カワウソ」だから
日本人が滅ぼした動物としてよく知られているのが、ニホンカワウソとニホンオオカミでしょう。今でもニホンカワウソの絶滅を否定し探し続けている方々がいます。それくらいニホンカワウソは日本人の中でも特別な存在なんだと思います。ニホンカワウソと同じ「カワウソ」を展示をする動物園水族館は多いと思います。

3.イベントで飼育費用がある程度ペイできるから
コツメカワウソは前足に小さい爪が生えているので「小爪」カワウソです。その小爪は指の先からはみ出る事がないと言われていますので、手を触っても人間の手を傷つける事はありません。それゆえに穴から手を出したコツメカワウソに直接餌やりができるイベントが多くの水族館で行われています。
キャットフード5-10粒くらいで500円位が相場かと思いますが、1日20組限定にしても1日1万円。何園かの餌代を調べてみた事がありますが、コツメカワウソの餌代は300-400円ほどでしたので、週末限定のイベントにしても餌代くらいは稼げます。

握手イベントではありませんでしたが、隙間に手を入れる習性があり、餌がなくても手を入れます


4.昼間によく動くから
動物園に行って、動物みんな寝てた、という経験がある方は多いはず。ライオンなど多くの動物は狩りをする時以外は体力温存するためによく寝ます。また夜行性の動物も多く、昼間は寝ている動物も多くいます。
コツメカワウソは夜行性、薄明薄暮性と言われていますが、野生下でも人の近くに住むコツメカワウソは夜行性ですが、そうではなければ昼間に活動しているということもあるらしく、フレキシブルに生活時間を変えているようです。
また消化が早く、1日に体重の2割ほどの餌を食べるため、頻繁に餌の調達に出るため、昼間も何度も起きて活動しますので、昼間もちょこまかとよく動いています。そうするとお客さんの「せっかく動物園に来たのにみんな寝てた」ということがなくなります。動いている動物をみたい、というお客さんの要望を叶えやすいです。

昼間も起きて活動します!



あげればまだまだありますが、キリがないのでこの辺で。
そこそこ人気があり、お客さんの需要も満たせ、飼育費用もそんなに高くなく、イベントでペイでき、教育的発信もできる、本当に展示動物としてはぴったりです。
とはいえ、同性同士であれば闘争の可能性あり、繁殖が順調すぎれば多産な上に1年に2度繁殖可能なので搬出先が確保できなければあっという間に展示場がキャパオーバー、と考えると、動物福祉に沿って飼育をするとなると、とても展示には向かない、と思っています。


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