2022 1/7

目を閉じて血の香りを嗅いでいると、自分が戦場の跡にいるような感覚になる。生まれる時代を間違えてしまったかもしれない。こんなことを言って良いのかわからないけど。戦いの多かった時代に、たくさんの血を浴びて死ぬのがお前にとっては幸せだったんじゃないの、とかシニカルな戯言ですねえ......戦争なんてやるもんじゃないとは思います。

その日の前日は、なぜか早く眠れて早く起きられた日だった。5時間ぐらい、考え事と眠りの間あたりにいる浅い睡眠だったけど、二度寝もできなかったのでそのまま起きていた......その日はずっと眠かった。何をしていたかよく覚えていないけど、とにかく一人でいられる時間が少なかった。かなりのすとれすだった。別に、会話をしなきゃいけないとかそういうわけではなかったけど、空間に干渉されてるだけで溜まるというストレス因子が自分には存在する......

夜、眠れなかった。布団をかぶっていたら涙が出てきた。久々に泣いた。一人の時間があまりにもなくて、取れるとしたら深夜で。それで早寝早起きする理由が見つからなくなってしまった。一人になりたかっただけなのに。それだったらなんで早寝早起きなんかしないといけないんだろうと思った......とにかく人に構って欲しい寂しがりは敬遠されがちだけど、その逆もみんな嫌なんだろうか?無責任だとか逃げてるとか思われるんだろうか?自分も含めつくづくめんどくさい生き物ですね人間って。

年末に切った場所が癒えてきたので、また切った。結構スパッと切れた......気がする。血がだらだら出る。もっと血が見たくなって、とりあえず両腕の皮膚を切って、手の甲を切った。机も服も、血まみれになった。ドキドキした。これはやっぱり興奮に近い何かなんだろう。視覚から入る情報があまりにも刺激的で、良かった(何をいっているんだ?)。やっぱり痛みは感じないものだ。ほとんどと言って良いほど、感じない。苦痛に顔が歪むことだってない。普通の人だったら、声が漏れたり、痛がったりするのかな。残念ながら僕らは痛みに慣れてしまっている。戻ることはきっとできないのだろう。血まみれのティッシュは捨てた。机はそのままにしておいた。布団に入る。腕に鼻を近づけると、甘い血の香りがした。本当に甘い香りを感じられるのだ。まあ、保湿クリームの匂いもちょっと混じっているかもしれないけど、安心感があった。

目覚めると、家の人が血まみれの机を綺麗に拭いてしまっていた。

「また死にたいの」

と聞かれたので

「毎日死にたいよ」

とだけ言っておいた。誤解されている気がする。別に、死にたいから腕を切っているわけじゃない。でもそんな細かいことはどうでも良い。死ねばみんな同じだ。

お腹が空いた.....